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【はんつ遠藤のラーメン教室】第17回:有名ご当地ラーメンシリーズ~旭川~


トンコツと鶏ガラなどの動物系とサバやアジなどの魚介系で採った醤油スープで、芳醇な魚介の香りが漂う。

2015年05月17日 更新
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トンコツと鶏ガラなどの動物系とサバやアジなどの魚介系で採った醤油スープで、芳醇な魚介の香りが漂う

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極寒の旭川だからこそ生まれたラーメン


動物系や魚介系のスープを別々に採って合わせる、いわゆるダブルスープ方式を採用する店舗も多い。また、ラードなどを投入するためにスープ上面に油の層があり、ずっと熱々を保つ。これは冬季には氷点下30度を超える極寒の地から生まれた発想と言われる。麺は加水率の低い中程度の太さの縮れタイプ。具に歯応えのあるチャーシューやメンマ、刻み長ネギなどが載るのが定番。札幌の味噌、函館の塩、旭川の醤油が、北海道三大ラーメンと呼ばれることも多い。

屋台からスタート


旭川では昭和初期に屋台が登場し始めたが、本格的に広まったのは昭和20年代。屋台で創業した『蜂屋』『青葉』(ともに新横浜ラーメン博物館に出店経験あり)などが老舗格として知られる。旭川にはもともと加藤熊三郎氏が『茶屋手打ちそば』を営んでいて、長男が製麺所『加藤ラーメン』を創業。次男がラーメン店『蜂屋』を創業した。また加藤一族は『旭龍』『味のやまびこ』『かとうらーめん』などのラーメン店も経営し、旭川ラーメンの名を全国に広める一端を担った。一般的に醤油のイメージが強いが、昨今は旭川が発祥の地で全国展開をする『山頭火』の一番のウリが塩ラーメンであったり、昭和43年創業の『よし乃本店』は4種類の味噌を使用した味噌ラーメンが人気。平成8年には「あさひかわラーメン村」というラーメン店舗集合施設も誕生し、旭川のラーメンシーンの牽引役となっている。


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フードジャーナリスト・はんつ遠藤


日 本のラーメンだけにとどまらず、世界中のグルメに精通する。テレビ番組でのリポーターや、カップラーメン監修、雑誌でのグルメコーナー連載、更にはフー ドテーマパークのプロデュースや監修を行うなど、その活躍は幅広い。世界中のグルメを知り尽くす舌ならではの視点で、数多くの著書を執筆し、バラエティに 富んだ企画やイベントを実施している。