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【はんつ遠藤のラーメン教室】第22回:つけめんは、麺と汁との分離の利点を考慮すべし


つけめん、それは麺と汁が別々に器に盛られ、麺を器の中の汁につけて、味わう麺料理だ。

2015年05月24日 更新
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つけめん、それは麺と汁が別々に器に盛られ、麺を器の中の汁につけて、味わう麺料理だ

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ラーメンツウだけが知るつけ麺の食べ方


通常は、提供された後に、おもむろに麺を数本、箸で持ち上げ、つけ汁へつけてから啜りだすが、ツウは、違ったアプローチを見せる。まずは、麺と汁がセパレートされている点に注目すべし。麺がスープに浸っていないために、麺そのものの味を堪能できるのだ。そのため、麺を数本、持ち上げた後は、何もつけずにそのままを味わう。こうすることで、麺本来の風味や食感、舌触り、のど越しをより見極める事ができる。さらに上級者は、持ち上げた瞬間に数秒止まり、麺自体の形状(太さ、ちぢれ具合、色など)を確かめる。
次に麺をつけ汁につけて味わう。この場合、麺を上方に持ち上げても構わないが、滑り落ちる危険性があるため、適度な高さ&ゆっくりとした動きが大切とされる。ただし、熱いスープが麺にかかっている、いわゆる「あつもり」の場合は、特に麺が滑りやすく、落下後に汁が飛び散る可能性が高いので、“スライド方式”と呼ばれる、器から麺を上方ではなく、つけ汁のある方向に、横に滑らせて、つけ汁へと静かに落とすスタイルが有効。

店舗ごとのスープによって食べ方をチェンジ


また、つけめんの元祖である東池袋の『大勝軒』のように、あっさりとしたつけ汁の場合は、配慮は要らないが、昨今の流行である「濃厚つけめん」と呼ばれる、つけ汁がこってり濃厚なタイプの場合は、汁と麺との絡みが良すぎて、途中で汁が無くなる可能性もあるため、麺をどっぷりとつけずに半分程度で引き上げるほうが安心。


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フードジャーナリスト・はんつ遠藤


日本のラーメンだけにとどまらず、世界中のグルメに精通する。テレビ番組でのリポーターや、カップラーメン監修、雑誌でのグルメコーナー連載、更にはフー ドテーマパークのプロデュースや監修を行うなど、その活躍は幅広い。世界中のグルメを知り尽くす舌ならではの視点で、数多くの著書を執筆し、バラエティに 富んだ企画やイベントを実施している