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【はんつ遠藤のラーメン教室】第10回:ネオご当地ラーメン「釧路」


札幌、旭川、函館に次ぐ北海道第4のご当地ラーメン。市内・近郊合わせ140軒以上のラーメン店があり、古くから市民に浸透し、独自のラーメン文化が形成されている。

2015年05月06日 更新
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札幌、旭川、函館に次ぐ北海道第4のご当地ラーメン。市内・近郊合わせ140軒以上のラーメン店があり、古くから市民に浸透し、独自のラーメン文化が形成されている

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釧路ラーメンの特徴


最大の特徴は、防腐剤や添加物を使わない、コシが強い極細のちぢれ麺。スープ自体は、もともとはカツオや昆布などの魚介系のみで採ったあっさりとした醤油味。近年はラードを合わせたり、トンコツや鶏ガラも用いてスープを採り、深みのある淡麗系に仕上がっている。

実は支那そばが原点


ラーメンの歴史は古く、大正時代から食堂で提供されていた「支那そば」が原型で、その後、昭和初期にかけて屋台で改良されて確立していった。特にご当地ラーメンとして形成されたのは昭和20年代以降の屋台。ほぼ毎年100日以上で霧が発生する“霧の町”と言われる気温の低い釧路ゆえ、熱々のラーメンを提供しようと、釧路港の岸壁に船員目当ての屋台が軒を連ね、活況を呈する。極細タイプの麺である理由は、彼らに少しでも早くラーメンを振る舞おうという事から、または和ダシ風味の醤油スープにマッチするからなどの理由がある。

「釧路ラーメン麺遊会」が結成


現存する老舗のラーメン店としては昭和10年創業の『銀水』や昭和34年創業の『まるひら』などがある。また平成12年には「ラーメンで釧路を元気づけよう」を合言葉に「釧路ラーメン麺遊会」も結成され、現在では市内約20店舗が加盟し、釧路ラーメンフェスティバル ら・フェスタを毎年開催。これらの活動により、北海道はおろか、全国的知名度へと躍進中。
■はんつ遠藤のラーメン教室について
ラーメン好きは絶対にチェック!ラーメンのプロが教える、歴史、ご当地ラーメン、うんちく、ツウな食べ方などのラーメン知識を一挙に紹介。これを読めばあなたもラーメンマスター

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フードジャーナリスト・はんつ遠藤


日本のラーメンだけにとどまらず、世界中のグルメに精通する。テレビ番組でのリポーターや、カップラーメン監修、雑誌でのグルメコーナー連載、更にはフー ドテーマパークのプロデュースや監修を行うなど、その活躍は幅広い。世界中のグルメを知り尽くす舌ならではの視点で、数多くの著書を執筆し、バラエティに 富んだ企画やイベントを実施している。