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【はんつ遠藤のラーメン教室】第4回:醤油ラーメンすら千差万別だ


ラーメンの味の基本形といえば醤油、塩、味噌だろう。中でも醤油ラーメンは全国各地で人気のメニューとなっている。ラーメンは明治時代に中国から流入した麺料理ゆえ、最初は塩ラーメンだった。

2015年04月28日 更新
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ラーメンの味の基本形といえば醤油、塩、味噌だろう。中でも醤油ラーメンは全国各地で人気のメニューとなっている。ラーメンは明治時代に中国から流入した麺料理ゆえ、最初は塩ラーメンだった

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醤油ラーメンの誕生


日本古来の調味料である醤油と融合して、醤油ラーメンが誕生したのだ。そしてそれは全国に広がり、ご当地ラーメンを形成していく。ベースとなるのは一般的にはトンコツや鶏ガラ、カツオ、昆布などを合わせたスープ。丼の中に予め醤油ダレを入れ、そこにスープを注ぐ。そして茹で上がった麺を合わせて具を載せれば完成だ。もっとも地域により全く違う性質を持つ。

地域ごとで異なる醤油ラーメン


例えば北海道の旭川ラーメンは動物系と魚介系を別々に採って合わせるダブルスープ方式でやや濁った仕上がり。福島県の白河ラーメンは動物系のみを使用した清湯系。広島県の尾道ラーメンは動物系に瀬戸内海で採れた小魚なども使用した淡麗系だが、背脂のミンチも加えてコクを出している。岐阜県の高山ラーメンに至っては醤油ダレを作らずに、直接に醤油を寸胴の中に入れてしまう、通称・一体型スープ。

個店ベースではさらに手法は千差万別


ご当地ラーメンでもこれほど違うのだから、個店ベースではさらに手法は千差万別。トンコツ、鶏ガラの他に牛骨、馬骨で採る店、さらに最近は鴨ベースも流行の兆しが。魚介もカツオ、サバ、宗太、アゴ(トビウオ)など食材豊富で、味も変わる。昨今はスープを注いだ後に加える“油”で差別化を図る店も多い。以前はラードが多かったが、最近は鶏油が主流。ネギ油やトリュフオイルなどの香味油を合わせる店も見受けられる。
 


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フードジャーナリスト・はんつ遠藤


日本のラーメンだけにとどまらず、世界中のグルメに精通する。テレビ番組でのリポーターや、カップラーメン監修、雑誌でのグルメコーナー連載、更にはフー ドテーマパークのプロデュースや監修を行うなど、その活躍は幅広い。世界中のグルメを知り尽くす舌ならではの視点で、数多くの著書を執筆し、バラエティに 富んだ企画やイベントを実施している。