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【はんつ遠藤のラーメン教室】第30回:つけ麺をそのまま完食せず、スープ割りをすべし


当たり前だが、名前の如く、つけ麺は麺をつけ汁に浸しながら味わう料理だ。

2015年06月03日 更新
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当たり前だが、名前の如く、つけ麺は麺をつけ汁に浸しながら味わう料理だ

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つけ麺のツウだけが知る食べ方


東京や名古屋、大阪では当然に正しい食し方がなされているが、他の地方では馴染みの薄い地域も多く、麺の入った器につけ汁をかけてしまう、いわゆる「ぶっかけ麺」にしてしまう初心者も多く、店主は都度、説明をする必要も。だが正しい食べ方ができたとしても、まだ先がある。
ツウは「スープ割り」を行うのだ。「スープ割り」とは、つけ麺を食べ終わった時に、店主などに声をかけて、割りスープを貰い、残ったつけ汁に加えて全部を飲み干すというもの。

スープ割りの利点


特に動物系で濃厚に作成したつけ汁の場合には、かつおや昆布などの和風だしで採ったタイプが多い。「スープ割り」の効能は、まず完食できるという点が挙げられる。濃厚なつけ汁の場合は直接に飲む事が困難だが、スープで割る事により、完飲しやすくなる。
第二に、つけ汁が再度、温まるという点が挙げられる。麺が冷たいタイプが多いゆえ、汁が最初に熱々でも、麺と融合するうちに徐々に冷め、最後はぬるくなる事も。そこでスープ割りが功を奏す。中には、一旦、つけ汁の入った器を回収し、割りスープと合わせたのちに再度温めて熱々にしてくれる店舗も。
第三に、つけ汁の複雑な旨みがさらに堪能できるという点もある。実はつけ汁には柚子や海老など様々な食材が使用されている事が多い。それらは濃厚なつけ汁の場合は、完全に下支えとなり、深みを醸し出す一助を担うのだが、スープ割りによって、全面に出てくる場合があるのだ。
これらを満喫するためには、必ず最後につけ汁を残しておかないといけない。そのために計算しながら味わう事も必要だ。


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フードジャーナリスト・はんつ遠藤


日本のラーメンだけにとどまらず、世界中のグルメに精通する。テレビ番組でのリポーターや、カップラーメン監修、雑誌でのグルメコーナー連載、更にはフー ドテーマパークのプロデュースや監修を行うなど、その活躍は幅広い。世界中のグルメを知り尽くす舌ならではの視点で、数多くの著書を執筆し、バラエティに 富んだ企画やイベントを実施している。