店主インタビュー

【総合大賞&新人大賞】『中華蕎麦 とみ田』『雷 北松戸本店』富田店主「第11回お取り寄せラーメン オブ・ザ・イヤー」SPインタビュー


第11回お取り寄せラーメン・オブ・ザ・イヤーにおいて、総合大賞を獲得した「雷 北松戸本店」。そして、本年より宅麺.comで独自開催!全国のラーメン店主が選ぶ本当に美味しいラーメンを選出する『Japan Best Ramen Awards』で第2位を獲得した「中華蕎麦 とみ田」。今回は、両店を手がける富田治店主にスペシャルインタビューを実施。ラーメンに対する真っ直ぐな想い、そしてお店全体の雰囲気づくりなど、普段は明かされることのない貴重なお話を余すことなく語っていただきました。

2021年12月14日 更新
【総合大賞&新人大賞】『中華蕎麦 とみ田』『雷 北松戸本店』富田店主「第11回お取り寄せラーメン オブ・ザ・イヤー」SPインタビュー - サムネイル
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「美味しいって難しいんですよね。」


ー『お取り寄せラーメンオブ・ザ・イヤー』では総合大賞と新人大賞を獲得。
そして『Japan Best Ramen Awards』では第2位を獲得しました。
まずは、率直な感想を教えてください。

素直に嬉しいですね。
ありがとうございます。
今回同業の店主さんから「美味しいお店」として選んでもらえたということも本当に嬉しいです。
ただ、僕は「美味しい」の意味って本当に難しいと思うんですね。



ーというのは...?

例えば、「味が薄くて、スープも全然出汁感がなくて、麺が伸びきってる」というのが、美味しくないラーメンの定義かもしれない。
でもこれを美味しいと思う方もいらっしゃるのは事実で、だから美味しいラーメンっていう表現は本当に難しいんですよね。
美味しいに正解は絶対なくて、僕はお客様に美味しいと思ってもらえるような味作りを心がけるようにしていますよ。

ーそこまで考えられるからこそ、長く、そして幅広い世代から愛される味を作れるのだと思います。


姿勢。そしてこだわり。富田店主が大切にしている事とは


ーこだわりについてお伺いします。今回お取り寄せラーメンオブザイヤーで総合大賞を獲得した「雷そば」のこだわりをぜひ教えてください。

まず良くも悪くも、食べやすい量であるということだと思うんですよね。
他の二郎インスパイア系のお店さんだと、麺量250〜300gのラインナップが多いと思います。
でも、中には仕方なく残していたというお客様もいらっしゃると思うんですよね。
そこで、麺量を比較的少なめにすることで、入門編の一杯として幅広く受け入れられてるんじゃないかなと思います。



あとは、麺量200gだからこそ提供できる価格帯というのも魅力だと考えています。
量を食べたいというお客様ももちろんいらっしゃると思いますが、麺量を少なくするからこそ提供できる価値があると思ってます。


ー なるほど。麺量200gというのには、様々な想いが込められているんですね。
ー それでは続いて「濃厚豚骨醤油ラーメン(Tokyo-X)」についても、お店では提供していない一杯だからこそここに力を入れているというポイントがあれば教えてください。

1番のポイントは、濃厚になりすぎないように豚の旨みを詰めるスープの部分ですかね。
ガラを大量に炊けば、その分味は濃くなるんですよ。
でも、僕自身はカエシがしっかりしていて濃厚過ぎない家系が好みなんですよね。
だから、濃くなりすぎないように、毎回味を調整するようにしています。



あと、これは他のメニューにも通じる話ですが、作っていく過程の中で麺を一回り太くしたり、スープの取り方など変えたりと、継続して喜んでいただける工夫や努力は惜しみたくないんですよね。
もちろんお客様が気づかないところでさりげなく変えています。

レシピを1つ作って、その製法を守り抜くことももちろん大切です。
ただ、時間が経過すると作る僕の感性も変わっていくんですよね。
もしかしたら年齢を重ねれば、濃い味は苦手になってくるかもしれないですし、だからこそ、今1番食べてほしいという一杯を意識しながら提供するということは、常に考えています。


ー つまり、姿勢や意識などお客様にも見えない部分を大切にされているのですね。
これはお客様が感じ取る姿勢かと思いますが、私が初めてお店を訪問した時に、富田さんが「ありがとうございました。」と丁寧に声をかけていらっしゃる姿が印象的でした。

あいさつという点では、僕はいらっしゃいませよりも、ありがとうございましたを大切にします。
「いらっしゃいませ。」ももちろん大切ですけど、それだけでは最初だけ調子がいいじゃないかと感じられてしまうこともあると思うんですね。
だから僕は帰りの「ありがとうございました。」を大切にしています。



さらに言えば、大きい声ではなくても、お客さんの間合いや仕草を感じ取って、ちゃんと目を見てあいさつする。
食べ終わるタイミングはもちろん人それぞれ変わるので、あいさつのタイミングもお客さん1人1人で全く異なりますよね。
食べ終わったのを確認して、そのタイミングで目を見てあいさつするというのが自然でいいと思うんです。

そのためには、お客様の仕草1つ1つを盗むことが大切です。
さりげなく見るという感じですね。
ただ、過ぎたるは猶及ばざるが如しではないですけど、やり過ぎはよくないんですよ。
大切なのは、自然体であることで、あいさつもその一環で言えることがいいんですよね。

ただ、これは当然の話ですが、あいさつの根底にあるのは、食べに来てくれているお客様への感謝の気持ちが1番ですね。


富田店主にとっての2021年


ー今年は「中華蕎麦 とみ田」の15周年記念の特別営業も実施されていました。
2021年、富田さんにとってはどんな1年でしたでしょうか?

今年はもう新型コロナウイルス一色だったじゃないですか。
お店によっては毎年周年の特別営業を実施しているお店もあると思いますが、中華蕎麦とみ田では5年に1回なんですよね。



そんな中で感染対策など様々なところに配慮しつつ、無事15周年の特別営業を実施できたということもあり、本当に特別な1年だったと思います。


ーさらに同じ松戸市に「とんかつ割烹 とみた」をオープンされましたが、「とんかつ」という業態を選んだ経緯は何だったのでしょうか?

まず、僕が豚肉好きだからというのが1つですね。
僕の生業はラーメン屋ですが、ラーメンに大切なのは豚だと、僕は考えてるんですよね。
豚肉を通して、ラーメンとの関わりが新たに見えてくるのではないかと思ったのが1つ大きなきっかけでした。



もう1つは、数ある豚肉の料理の中でも、とんかつが1番好きだということですね。
僕は、お肉を1番美味しく食べさせるのが、とんかつだと思ってるんですよ。
それこそ、週1とんかつ生活を3年くらいは続けていました。
そしたらやっぱり好きなんだなってことに、改めて気づいたんです。
よくよく考えたら食べているなと。
それがやっぱり答えでしたね。

あとは、『Tokyo-X』との出会いです。
やっぱり『Tokyo-X』が美味しいと思うから食材として使わせていただいている訳で、自分が美味しいと感じるからこそ、その味をお客さんにも楽しんでいただきたいという想いがありますよ。


ラーメン店主になったのも必然ではなく1つの縁


ーそれではここで、富田さんのキャリアへの考え方を伺います。
もし富田さんご自身が職業や進路を選択する立場に戻ったとしたら、もう一度ラーメン業界という道を歩み、ラーメン店主になろうと思いますか?

うーん。分からないですね(笑)
今こうしてラーメン店を営業してますけど、実際ラーメン店をやりたいと思ってやれている、今この時間が奇跡的なことで、1つのご縁だと思っています。
やりたい仕事に就けるというのは当たり前のことではないと思いますし、天職に就けるのは本当奇跡だと思っています。



もちろん、また次やりたいかと言われればやってみたいという気持ちはありますよ。
でもラーメン店主って思ったより大変です。
こうやって毎日お店に出続けるということも大変ですし、やっぱりすごい悩ましいですよね。


ー就きたい仕事に就くって難しいことですもんね。
やりたいことができるというのは本当に奇跡的なことである一方、もちろん大変なことや苦悩もたくさんあると思います。

そうですね。
休みは一応ありますけど最終的には仕事に繋がることをしています。
それこそ、ラーメン店に足を運んでラーメンを食べたりとか、食材関係やラーメン店主同士の繋がりでご飯を一緒に食べに行ったりとか。
最近、「趣味なんですか?」とか聞かれたりしますけど、 特に何もなくて、趣味は「ラーメン」なんですよね。



先ほどの話にも通じますが、僕の天職がラーメン店主であるなら、僕の天職を全うして多くの方に喜んでいただけるような仕事をしていきたいなと思ってます。
「ラーメンでお客様を楽しませる」というのが、僕自身に課せられている使命であり、それが仕事だと思うんですよね。
その使命を全うするのに楽しいってのはないんじゃないかと、僕は考えています。

 周りからは、よく堅いよってって言われることもあるんです。
でも、そのくらいラーメンが好きで、ラーメンでお客様を喜ばせたいんですよね。
それが山岸マスターの教えだと思っていますし、僕はそれを後世に伝えていけたらいいなと考えています。


ー富田さんとラーメンとの出会いは1つの“縁”であったかもしれないですが、必然のようにも思えます!
それでは最後に、富田さんのこれからの目標や抱負を教えてください。

僕自身は、目標を立てて、そこに向けて何かをやるってあまり考えないんですよ。
そこはもう、ずっと変わらないんですね。
今日やったことが5年後に生きてくると思ってる人間だから、日々一生懸命生きるっていうことが僕の目標ですかね。 



あとは、人生1回しかないからこそ何を大切にして、選択して、やるかだと思うんですよ。
でもやっぱり、時代の流れっていうのがあるので、努力と根性じゃ難しい部分もあるんですよね。

そこは時代に合わせて僕が意識を変えながら、色々と伸ばし続けていけたらなと思ってます。

ー富田さん、今回は貴重なお話をありがとうございました!



・店主プロフィール



富田 治 店主

『東池袋大勝軒』の創業者・山岸一雄氏に憧れてラーメンの世界へ足を踏み入れる。
28歳の時に独立し「中華蕎麦 とみ田」を開業。同店は2021年に、開業15年目を迎えた。


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