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【はんつ遠藤のラーメン教室】第3回:有名ご当地ラーメンシリーズ「札幌」


トンコツベースで熱々の濃厚な味噌スープ、そして表面には大量のラードが層をなす。麺は加水率の高い中太ちぢれタイプで、シコシコもちもちとした食感。やや黄色がかった麺の色も特徴だ。

2015年04月27日 更新
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トンコツベースで熱々の濃厚な味噌スープ、そして表面には大量のラードが層をなす。麺は加水率の高い中太ちぢれタイプで、シコシコもちもちとした食感。やや黄色がかった麺の色も特徴だ。
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札幌ラーメンの歴史は割と新しい


具にはチャーシューのほか、中華鍋で炒めたひき肉や野菜、長ねぎ、メンマなどが載る事が多い。札幌は味噌ラーメンと言われるが、その歴史は割と新しい。ラーメン自体は札幌では大正11年創業の『竹家食堂』で「シナそば」として販売されたのが最初だが、あっさりとした醤油ラーメンだった。

屋台が発祥


現在の中太ちぢれ麺でトンコツを煮込んだ脂っこいタイプは昭和21年ごろの松田勘七氏などの屋台が発祥と言われる。そして、現在の主流である「味噌ラーメン」は昭和30年ごろに、同じく屋台出身の『味の三平』が考案した。よく「当時、常連客に味噌ベースの豚汁に麺を入れてくれと頼まれたのをきっかけに考案」と言われるが、それは間違い(『味の三平』Webサイトより)。「味噌は体にいい」が持論だった初代の大宮守人氏が、味噌汁をヒントに工夫を重ねて考案した(当時は「味噌味メン」という名称)。もっとも『味の三平』の味噌ラーメンはあっさり系。

濃厚味噌の原点は「純連」


現在に見られる濃厚味噌タイプは、昭和39年に『純連』が考案したとされる。ちなみに、当時マイナーだった味噌ラーメンが全国的に有名になり、市民権を獲得した背景には、昭和42年創業の味噌ラーメンチェーン『どさん子』(数年で300店舗)、昭和43年発売の「サッポロ一番みそラーメン」(サンヨー食品)の影響力が大きい。


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フードジャーナリスト・はんつ遠藤


日本のラーメンだけにとどまらず、世界中のグルメに精通する。テレビ番組でのリポーターや、カップラーメン監修、雑誌でのグルメコーナー連載、更にはフー ドテーマパークのプロデュースや監修を行うなど、その活躍は幅広い。世界中のグルメを知り尽くす舌ならではの視点で、数多くの著書を執筆し、バラエティに 富んだ企画やイベントを実施している。