元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です
・プラチナ会員ですが抽選販売はクジ運悪く大抵先着販売で買っています
・店主へのリスペクトと、同じ飲食に携わる者として、プロの作った作品に点数など付けられないという理由で、星は基本的に全部5にしています

  • レビュー数 612
  • 役に立った数 285

2025年07月02日

スープは豚肉の出汁をベースとした二郎インスパの豚肉醤油。
本来はコラーゲンを多く含んだまろやかな乳化タイプですが、本品は湯煎直後だと乳化度の低い状態となっています。湯煎が終わったらしっかりシェイクして、充分に乳化を促してから丼に注ぎ入れましょう。
 
塩分濃度は約2.8%、Brix値は約19.9%と塩味も甘味も高濃度ですが、以前に比べて塩味よりも旨味の主張を強く感じます。
シェイクが足りないとキレが強く残り、まろみもベタ感も弱い再現度の低い仕上がりとなってしまいますので、乳化が確認出来るまで念入りに振るのが美味しく再現するコツです。
 
なお同封の作り方にも「100回位振ると断然美味しくなる」と明記されています。ただパックの持ち手部分が少なくシェイクし辛いので、火傷にはくれぐれもお気をつけ下さい。
ミトンなどの鍋つかみを両手に装着してパックを鷲掴みするとやりやすいです。
 
ちなみに二郎インスパによく使われている「カネシ醤油」というものは、昔のラーメン二郎直系店にのみ卸されていた醤油ブランドの事を指します。
現在の二郎直系ではカネシは使われておらず、FZという別ブランドに切り替えられた為、カネシはインスパ店にも卸されるようになりました。
 
ただ多く使われているのは「本醸造醤油(緑ラベル)」という、カネシはカネシでも二郎直系で使われていなかった別製品(同じメーカーの別の醤油)となるのですが、
こちらは「混合醤油(青ラベル)」という絞った醤油にアミノ酸液などの調味液を添加した旨味の強い濃口醤油で、以前の二郎直系で使われていた「ラーメン二郎専用醤油(カネシ紫ラベル)」と同じ仕様になります。
 
麺は自家製でオーション使用の平打極太捻れ麺。
太さはインスパ系では平均的で特に細身には感じず、NS系ならではの滑らかな口当たりで、加水率はやや低めのモチフワな食感。
麺表面のザラつきによる絡みと吸い上げの良さも特長として活かされています。
 
ブタは厚切りのウデスライスが2枚。
ヤサイが捗る濃い目の味染みと、適度な弾力と軟らかさを併せ持ったホロフワの食感で、食べ応えも充分。
 
店主はカブジ出身との事で、滑らかな麺肌や乳化スープにカブジの面影を残していると言えなくもないですが、カブジやNS系と言うよりは、カエシの構成や組み合わせに独自の個性が感じられますね。
 
なおスープ量も麺量も結構多く、小さい丼だとヤサイを乗せたら決壊する可能性がありますので、丼はやや大きめのサイズを用意しておくのが無難だと思います。

4