元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です
・プラチナ会員ですが抽選販売はクジ運悪く大抵先着販売で買っています
・店主へのリスペクトと、同じ飲食に携わる者として、プロの作った作品に点数など付けられないという理由で、星は基本的に全部5にしています

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2025年07月16日

スープはタイトル通りの淡麗貝出汁塩味。やや濁りのある清湯タイプですが、Brix値は約23.0%と高く甘口で、塩分濃度も約2.0%と全体的に濃い目です。帆立に含まれているグリシンの甘味が効いていますね。
二枚貝は生ものと貝煮干の併用により、旨味と風味がバランス良く抽出されていますが、牡蠣はむかんより抑えられているものの香りのベースを担っており、帆立、浅蜊、蛤それぞれの風味も分かりやすくハッキリと出ています。
旨味の構成的には浅蜊、牡蠣、蛤に多く含まれるコハク酸と帆立のグルタミン酸による多重構造となっていますが、
カエシにはコク出しに鶏挽肉も使われているようで、鶏のイノシン酸と帆立のグルタミン酸の旨味の相乗効果も計算に入れられています。
 
麺は菅野製麺所のスクエア型角刃中細ストレート。
指定の茹で時間で歯切れのよいコリモチ食感に仕上がり、絡み、吸い上げ共に良く、スープとの相性も申し分ありません。
 
付属トッピングは豚バラロールチャーシュスライス2枚とバラのり1p。
バラ肉の煮豚はスープへの干渉が強いので二枚貝の風味を濁してしまうかなとやや心配しましたが、食べてみるとスープの邪魔をしない淡い味付けで、肉自体の臭みもなく、相性は思いのほか悪くありません。
ただやはりこのスープにはチャーシューよりも貝の剥き身のほうが合う気がします。
 
本品は人気youtuberの好みを元にむかんが商品開発し、製造は外注の食品加工メーカーが行った限定商品となりますが、
味自体は完成度が高く、臭みも極力抑えられており、二枚貝がお好きな方なら十二分に楽しめる一杯になっていると思います。
販売価格はやや高いものの、原価率的にも製造コスト的にも限界じゃないですかね。(寧ろ軽く見積っても限界突破していると思います笑)

7

2025年07月16日

店主はジャンプ出身という事で、スープはジャンガレ系のクリーミーな豚骨醤油。
塩分濃度は約2.8%と高めですが、背脂の溶け出したトロットロのド乳化タイプなため、甘みもあるまったりまろやかな飲み口となっています。
臭みはなく豚骨濃度も高いので、湯煎が終わったらパックをしっかり振って、充分に再乳化させてから丼に注ぎましょう。
 
麺は自家製の低加水角刃平打極太縮れ麺。うねりの強いモチビロ食感の暴れん坊で、茹で加減は指定時間内で好みの硬さに調節すればよいと思います。
 
付属トッピングのブタはInスープで、2cm厚の極厚豚バラロールが1個。ヤサイが捗る濃い口で、しっとりホロリと軟らかく煮込まれています。
また実店舗ではネギトッピングもあるのが特徴です。このタイプは青菜や海苔といった家系装備や玉葱などもよく合いますが、私は花椒とラー油でシビカラに味変するのがお気に入りです。
 
現在の宅麺ラインナップ内ではジャンプ、ハイマウントと同じジャンクガレッジ系譜のガッツリ系で、ド乳化タイプと言う意味では雷本店、フクロウ、ちばからあたりもお好きなら口に合うと思います。

6

2025年07月09日

本品は美味しく作るのにちょっとした手間と技術を要するため、必要な調理器具と食材を事前に確認、用意しておくとよいです。
工程も麺を茹でながら肉を焼いたりするので、調理が得意な方に任せたほうがよいですが、不慣れな方でも効率良く作れる手順を本文下に記載しておきます。
 
 
まずタレは旨味の詰まった濃厚な塩ダレですが、何よりも牛脂を炙った香味油が特徴的で、
メイラード反応による香ばしさとスモーキーなフレーバーが嗅覚を刺激し、バーベキューのような魅惑的な錯覚と臨場感を演出してくれます。
 
麺は太さにバラつきのある自家製多加水角刃平打太縮れ麺。もち小麦を配合したモッチモチの弾力が魅力的で、凹凸のある麺肌がタレをしっかりと絡み取ります。
 
付属トッピングは牛肩ロースと鶏モモのスライスが計約70gとボリューム満点。
シュラスコというブラジルの串焼き料理で、ムチムチに軟らかく、表面は香ばしく、岩塩で肉の旨味が存分に引き出されています。
ご存知ない方で「シェラスコ」と間違えている方も偶にいますが、正しくは「Churrasco(英:シュラスコ/伯:シュハスコ/西:チュラスコ)」です。
 
こちらの表面を焼いて油そばにトッピングし、野菜なども盛り付けて完成なのですが、説明書きにもある通り、お勧めトッピングの追加が前提の味付けとなっています。
生野菜がないとオイリーさが目立つアンバランスな未完成品となりますが、生野菜をトッピングするとタレや肉と絡む事で油分を中和し、味わいがすっきりまろやかに、かつ肉の旨味と香りを十二分に引き出してくれます。
 
折角のパレットを野菜抜きで食べてしまうのは流石に勿体無いので、レタスなどの葉野菜だけは最低限用意したほうがよいです。
サニーレタス、玉葱、ミニトマトはどこでも手軽に手に入るので、彩り良く仕上げてハンクラ本来の味を楽しみましょう。
個人的にもパレットは2年以上前にリクエストしていたので、念願のリリースが叶いビール片手に小躍りしています(笑)
 
 
【作り方のコツ】
<用意するもの>
・水1リットル入りの鍋(タレパック湯煎用)
・水3リットル入りの鍋(麺茹で用)
・フライパン(肉焼き用)
・まな板と包丁(食材カット用)
・小皿1枚(肉準備用)
・丼1個(油そば用)
・トッピング用食材(レタス、玉葱、にんにく等)
 
<調理手順>
①まず肉を解凍します。湯煎だと硬くなってしまう為、翌日食べる場合は冷蔵室かチルド室で解凍、すぐ食べる場合は水を張ったボウルにパックごと浸して約15分かけて解凍。解凍出来たら封を開けて軽くバラしておきます。
 
②肉を解凍しながら野菜を切っておきます。レタスは食べやすいサイズに手でちぎり、玉葱はみじん切り。どちらもカット後に30分ほど水に浸すと、レタスはシャキっと仕上がり、玉葱は辛味が抜けます。
 
③湯煎用の鍋と麺茹で用の鍋をコンロに用意し、湯煎用の鍋にタレパックを沈めて、2つの鍋の水を同時に強火で沸かします。
 
④湯煎用鍋のほうが先に沸くので、タレが解凍されたら鍋から取り出し、パックの封を開けて中身を丼に移し、鍋をコンロから下ろしてフライパンを置き換えます。
 
⑤麺用の鍋が沸いたら麺を冷凍状態のまま投入し、同時にフライパンに油を薄く引いて強火にかけます。
麺の方は吹きこぼれないように火加減を調節し、泡が浮いてきたら吹きこぼれの原因となるので取り除いて下さい。差し水は茹でムラに繋がるので厳禁です。
また麺は無理に解さなくても勝手に中まで熱が通るので塊のまま放っておいても大丈夫ですが、鍋底にくっつかないかだけ気を付けて下さい。
 
⑥フライパンから煙が上がってきたら、鶏肉は皮目を下に、牛肉は重ならないように全体に敷き詰めます。
強火をキープし、表面に軽く焼き目が付いたら手早く裏返して、反対面も軽く焼きます。自信がない場合は片面だけでもOKです。
この際、焼きすぎて焦がしたり中までしっかり火を通したりすると、ジューシー感が消え、硬くなり、苦みや臭みも出てしまうので、強火でサッと表面だけ焼き、外は香ばしく、中はしっとり軟らかく仕上げるのがコツです。
肉は表面を焼いたほうが実店舗さながらの香ばしい風味を引き出せるので、軽くで良いので必ず焼きましょう。火の扱いに慣れている方ならバーナーで手早く炙るのがよいと思います。
 
⑦焼き目が付いたら火を止めてすぐに小皿などに移します。フライパンに乗せたままだと余熱で火が入り硬くなってしまうので、肉の世話は全てを迅速に行うのが重要なポイントです。
なお麺茹でと肉焼きの同時進行が難しそうでしたら、肉焼きを先に終わらせてから麺を茹で始めるとよいです。ただし肉のレンジ加熱は硬くなるので絶対NGです。
 
⑧肉を焼き終わったらここで麺を軽く解します。茹でている間に麺をちょこまか弄ると麺が切れたりデンプンが溶け出たりするので、麺にはなるべく触れずに対流で自由に泳がせるのが正しい茹で方です。
また油そばの麺は硬茹でするとタレとの絡みが悪くなるので、指定時間通りかやや長めに茹でるのがオーソドックスな調理法です。
 
⑨茹で上がった麺をしっかり湯切りし、タレの入った丼に移して、タレが乳化し水気が無くなるまで入念にグリグリと混ぜます。
ここで湯切りが甘かったり混ぜ方が足りなかったりすると、仕上がりが水っぽく味がぼやけてしまうので要注意です。
 
⑩焼き目を付けた肉と野菜を彩り鮮やかにトッピングして完成!
あとはお好みで、
・ニンニク、バターでパワフルに
・パクチー、オレガノで香り豊かに
・カレー粉、シーズニングでスパイシーに
・ナッツ、フライドガーリックでクリスピーに
・ピクルス、フルーツビネガーでスッキリ爽やかに
・ペッパー、タバスコ、マスタード、ハラペーニョで刺激的に
・締めはガーリックライスなどの追い飯でガッツリワイルドに

11

2025年07月09日

スープは塩鶏清湯ですが、丸鶏の濃厚な厚みとタップリ浮かんだ鶏油がコク深く、味わいはあっさりながらもどっしりとしています。
反面、塩分濃度は約2.0%、Brix値は約5.7%とつけ麺にしては比較的薄口で、スープと昆布水の旨味で食べさせるのが特徴的です。
 
麺は自家製の角刃細ストレート。加水率やや低めの中加水で、昆布水つけ麺ではスタンダードな細さですが、1本1本が長めにカットされています。
ロング挽きのような風味があり、プリコリの食感で、形状もスープを一番持ち上げやすい細ストレートなため、鶏清湯の薄口具合が丁度良い塩梅となっています。
 
昆布水は鰹節を効かせる事で旨味の相乗効果が促されていますが、更に鶏清湯スープと合わせる事で旨味の爆発が起こります。
また店内ポップのお勧めの食べ方には、最初に麺と塩だけで頂き、次にスープに浸し、適度なタイミングでライムを絞って味の変化を楽しみ、最後に昆布水でスープ割りをする、と記されています。
 
なお昆布水麺を塩で頂く場合、海の物(魚介)には海の塩(海塩)、山の物(動物)には山の塩(岩塩)という料理のセオリー的なものがあり、
岩塩だと昆布に比べて主張が強い為、昆布と相性の良い海塩(天日塩・煎熬塩・藻塩など)を使ったほうがより美味しく頂けます。
 
私の場合、海塩はぬちまーす(沖縄産)、じねん(与論島産)、男鹿なまはげの里藻塩(男鹿半島産)、フルール・ド・セル(ゲランド産)、シリカの奇跡(ベトナム産)あたりをよく使っています。
 
付属トッピングはInスープで、トロトロに軟らかく煮込まれた豚バラチャーシュースライスが1枚と、塩味の強いゴリシャキメンマが2本。
チャーシューは穂紫蘇を包んで食べるのをお勧めされています。
 
ちなみに店主は本庄常勝軒の出身らしく、宅麺でも販売されている常勝軒のとんづけもこちらの実店舗で提供されていました。
店内も綺麗で接客も良く、メニューも豊富で、個人的にもお勧め出来る良店です。

5

2025年07月02日

スープは豚肉の出汁をベースとした二郎インスパの豚肉醤油。
本来はコラーゲンを多く含んだまろやかな乳化タイプですが、本品は湯煎直後だと乳化度の低い状態となっています。湯煎が終わったらしっかりシェイクして、充分に乳化を促してから丼に注ぎ入れましょう。
 
塩分濃度は約2.8%、Brix値は約19.9%と塩味も甘味も高濃度ですが、以前に比べて塩味よりも旨味の主張を強く感じます。
シェイクが足りないとキレが強く残り、まろみもベタ感も弱い再現度の低い仕上がりとなってしまいますので、乳化が確認出来るまで念入りに振るのが美味しく再現するコツです。
 
なお同封の作り方にも「100回位振ると断然美味しくなる」と明記されています。ただパックの持ち手部分が少なくシェイクし辛いので、火傷にはくれぐれもお気をつけ下さい。
ミトンなどの鍋つかみを両手に装着してパックを鷲掴みするとやりやすいです。
 
ちなみに二郎インスパによく使われている「カネシ醤油」というものは、昔のラーメン二郎直系店にのみ卸されていた醤油ブランドの事を指します。
現在の二郎直系ではカネシは使われておらず、FZという別ブランドに切り替えられた為、カネシはインスパ店にも卸されるようになりました。
 
ただ多く使われているのは「本醸造醤油(緑ラベル)」という、カネシはカネシでも二郎直系で使われていなかった別製品(同じメーカーの別の醤油)となるのですが、
こちらは「混合醤油(青ラベル)」という絞った醤油にアミノ酸液などの調味液を添加した旨味の強い濃口醤油で、以前の二郎直系で使われていた「ラーメン二郎専用醤油(カネシ紫ラベル)」と同じ仕様になります。
 
麺は自家製でオーション使用の平打極太捻れ麺。
太さはインスパ系では平均的で特に細身には感じず、NS系ならではの滑らかな口当たりで、加水率はやや低めのモチフワな食感。
麺表面のザラつきによる絡みと吸い上げの良さも特長として活かされています。
 
ブタは厚切りのウデスライスが2枚。
ヤサイが捗る濃い目の味染みと、適度な弾力と軟らかさを併せ持ったホロフワの食感で、食べ応えも充分。
 
店主はカブジ出身との事で、滑らかな麺肌や乳化スープにカブジの面影を残していると言えなくもないですが、カブジやNS系と言うよりは、カエシの構成や組み合わせに独自の個性が感じられますね。
 
なおスープ量も麺量も結構多く、小さい丼だとヤサイを乗せたら決壊する可能性がありますので、丼はやや大きめのサイズを用意しておくのが無難だと思います。

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2025年07月02日

スープは醤油清湯で、本品では魚介感が更に抑えられており、また鶏ガラも穏やかなため、何かに突出した風味とは異なる、全体的に穏やかな出汁感となっています。
塩分濃度は約2.3%と高めですが、醤油の主張が強い訳でもなく、塩味には丸みがあり、返しに甘味を効かせて味の骨子を作っている印象です。
 
麺はスクエア型の角刃中細ストレート。
三河屋の麺とはやや異なるものの、ブランを配合した香ばしい風味、コリプリの弾力、ザックリとした歯触りはびぎ屋っぽさを上手に表現出来ていると思います。
 
付属トッピングは豚バラロールチャーシュースライスが2枚。
熱湯湯煎するとパック内に脂や肉汁が溶け出し旨味の抜けたスカスカ状態となってしまいますが、解凍を流水か常温で行うと、トッピングした際に脂や肉汁が余すことなくスープに溶け出すため、味変の役割を効率良く果たせるようになります。
 
ノスの要素は確かに感じられますが、ノス感を強調したというよりは全体的な濃度を下げたようなイメージで、
ネガティブに言えばこれといった特長を特に見いだせず、ポジティブに言えば老若男女問わず無難に頂ける味、といった印象です。
びぎ屋の無化調感を表現すると、濃厚な旨味を感じる味わいというタイプからは外れてしまうので、構成的に致し方ないのかもしれません。
 
びぎ屋の実店舗の味をご存知の方だと、スープもチャーシューもびぎ屋の味じゃない、というシビアな評価になってしまうと思いますが、
びぎ屋実店舗の味をご存知ない、冷凍通販でしか食べた事がないという方にとっては、銘店をイメージしたラーメンをいつでも自宅で頂けるお手軽商品、として重宝するんじゃないかなと思います。
 
監修品といえども、ストレートスープと冷凍生麺のセットは他の宅麺商品と同じなので、インスタントの濃縮スープやチルド製品、レンチン製品などとは当然ながら比較になりません。
特に麺に関しては流石の菅野製麺所クオリティです。
 
ただ他の方も仰っている通り、実店舗製品との区分けはユーザーに分かりやすい形で考慮頂いたほうが良いと思います。(商品名に「宅麺ラボver」や「宅麺コラボ」など付ける等)

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