元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています。
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています。
・甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢ですが、現在はシンプルな中華そばに好みが落ち着いています。
・麺が解れない原因は強く固めているからではなく、打ち粉が少ないか、配送時の結露による麺表面の糊化が考えられます。菜箸で何度も触れるのは麺に傷が付きデンプンが出て逆効果なので、コツとしては思い切って麺を取り出し、水分をキッチンペーパーで吸わせてレンチンし、軽く解して茹で直すと解決出来る場合があります。

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2023年11月22日

スープは蟹の風味が乗った鶏白湯ベース。
殻ごと焼いた香ばしい蟹の香りとクリーミーな鶏白湯の旨味がまろやかにまとまっており、
塩分濃度約2.0%のキリッとした塩味が味を引き締めています。
蟹は味的に紅ズワイかなと思いますが、蟹の身などは入っていないので、純粋に蟹の風味のみを楽しむスープとなっています。
 
麺は加水率低めの角刃中細ストレート。
コリパツの食感で、スープの吸い上げも良く、蟹の風味もしっかり纏って持ち上げてきます。
 
トッピングはInスープで蟹団子が5個。
といってもタラやイトヨリなどの白身魚のすり身にカニ身が少々練り込まれた感じのもので、
やや塩味濃いめのふんわりもっちりとした食感。
 
全体的には蟹を鶏白湯に重ねた事で、臭みも無く、風味だけを濃厚に感じられるようになっており、
クセのない馴染みやすい味わいに仕上げられているんじゃないかなと思います。
 
ややボリューム感に欠ける印象もありますが、残ったスープにご飯とチーズ又は溶き卵を加えてレンチンし、
ネギや三つ葉などを散らせば、美味しいカニ雑炊として二度楽しむ事も出来ます。

5

2023年11月22日

スープはコラーゲンたっぷりのトロトロとした濃厚鶏白湯がベース。
そこに付属の海老パウダーと海老油を加える事で、香ばしい海老の風味に包まれたドロドロの高粘度スープが完成します。
Brix値も約29%と高く甘味も強めですが、付属の柚子皮が口内をスッキリとリフレッシュする役割を担ってくれます。
つけ汁自体は酸味のあるタイプではありませんが、もし加えるならお酢を使うより、
鶏や海老との相性が良いレモン果汁を使ったほうが、より一層味を引き立ててくれます。ニンニクも好相性です。
 
麺は全粒粉入りの多加水角刃極太ストレート。
麺自体の甘みもあり、むっちりとした弾力と強いコシが濃厚なスープに負けておらず、がっぷり四つに組み合っています。
麺量も250gと大量な上に噛み応えもあるので、2人でシェアしても程良いボリューム感になるかなと思います。
 
付属トッピングは海老パウダー、海老油、柚子皮の他、
茎と穂先の繋がった太メンマが2本、鶏胸肉のしっとりレアチャーシューが2枚。
鶏肉は低温調理なので、湯煎よりも冷蔵解凍若しくは流水解凍のほうが望ましいです。
ただ鶏肉、メンマ、柚子皮は全て一緒にパックされているため、柚子の香りが他の食材にも移っており、
出来れば柚子皮だけは別パックにして欲しかったかも。
 
一杯に鶏5羽分使用といっても鶏5羽で一杯分のスープしか取れないという意味ではありませんが、
丸鶏以外にモミジ(足先)などゼラチン質の豊富な部位も沢山使われているので、
まさに鶏が濃縮したような味わいが楽しめると思います。
 
また海老パウダーは大量に付いてくるので、自分好みの量を入れてスープのエビ感をコントロールする事も可能です。
もし余った場合は他のラーメンや焼きそば、炒飯、炒め物全般、ふりかけ、お好み焼、サラダなどに流用する事も出来、何かと便利です。
えびせんに小さじ1杯ほど入れてシャカシャカすると風味がグレードアップします(笑)

4

2023年11月16日

スープは店主出自である麺堂稲葉譲りのトロトロ粒々な鶏ポタ系鶏白湯がベースで、
鶏や煮干由来のイノシン酸の旨味と貝由来のコハク酸の旨味が両立しており、味にコントラストを持たせています。
また塩味をビシッと効かせる事で、濃厚でまろやかな中に鶏白湯と貝のシルエットをより鮮明に際立たせています。
ちなみに貝はハマグリではなくホンビノス(白ハマグリ)ですね。
 
麺はスクエア型の多加水角刃太ウェーブ。
細挽きの全粒粉がブレンドされており、甘味風味が良く、またコシもかなり強いムチコリの食感。
この麺かなり素敵ですね。麺堂稲葉と同じ磯屋商店製のようですが、
稲葉の麺とは味も形状もやや異なる、スープとの相性で独自に作られた、とても個性豊かな逸品だと思います。
磯屋商店は以前宅麺でも販売されていた鶏白湯の人気店、つけ麺弥七にも卸している老舗の名工で、個人的にも非常にお気に入りです。
 
付属トッピングはInスープの太メンマと、スープと別パックで豚肩ロースと鶏胸肉のレアチャーシューが1枚ずつ。
チャーシューはどちらも塩と胡椒のみのシンプルな味付けで、
芯温を管理して低温加熱の安全面をしっかり考慮しているのが分かる意識の高い仕上がり。
またレモン果汁は鶏とも二枚貝とも相性が良く、酸味のキレが味に一本筋を通してくれるので、味変にお勧めです。
 
麺量は200gもあるので充分なボリュームだと思いますが、とにかく後を引く美味しさだったので、
近い内に栃木巡回で一乃胡と連食に行こうかなと思っています。どちらも大満足でした。

5

2023年11月16日

スープは鶏ガラ&香味野菜の佐野ラーメンをベースに、白胡麻のペーストと胡麻油をブレンドしてあります。
ベースが清湯なので粘度はなくサラリとしたあっさり味ですが、白胡麻の香ばしさとコクもあり、口当たりはまろやか。
 
仕上げに手鍋で火入れする事によりスープと胡麻が滑らかにまとまりますが、もし調理に自信がないor面倒な方は、
耐熱ボウルに移してレンチン→軽く沸騰させた後にしっかり撹拌という方法でも一応はまとまります。
パックのまま振ってもまとまりに欠けるので、より美味しく召し上がりたい方は、説明書きにある通り火入れ推奨です。
 
麺も佐野ラーメンの特徴である青竹手打ち多加水縮れ麺。
中太〜中細の不規則な太さと手揉みによる縮れがスープに絡みつつ食感にも変化を持たせ、
もちもちの弾力とコシの強さに麺自体の瑞々しい甘味がスープの塩味と旨味をより引き立てています。
 
付属トッピングはトロトロに煮込まれた大判の豚バラロールチャーシューが1枚と、やや濃口のシャキシャキメンマ。
チャーシューは箸で持ち上げると重力で切れてしまうほど軟らかい、一般的に人気のタイプです。
 
スープも麺もベースは佐野ラーメンなのですが、白胡麻によるクリーミーで香ばしい風味が絶妙にマッチしており、
こちらのメニューは実店舗でも未食でしたが、その美味しさに思わず唸りました。
今度はお店に伺って実物を頂いてみたいと思います。

4

2023年11月16日

スープは大門ラーメンと同じ青葉インスパイア風の中濃Wスープですが、カエシは大門ラーメンが醤油ベースなのに対し、
こちらはネギ唐辛子と辣油を効かせた、辛口の味噌ベースとなっています。
唐辛子は味的に天鷹っぽいですが、量が多い分、データ上は一般的に激辛と評される強い辛さとなっています。
塩分濃度は約1.7%と大門ラーメンよりやや高めですが、青葉インスパは基本薄口なので、他の激辛ラーメンに比べると薄味に感じるかもしれません。
 
麺は大勝軒まるいちの製麺所ならではの、大勝軒ライクなモチフワ角刃中太麺。
動物魚介で一世を風靡した大勝軒の麺と青葉のスープの組み合わせという事で、
当然ながら相性は抜群ですが、その分辛味もしっかり絡んで持ち上げてきます。
                     
付属トッピングは鰹粉とInスープの豚バラ薄スライスが6枚前後といったところ。
チャーシューなどは付かないので、肉のボリュームが欲しい場合は事前に豚小間肉を茹でておくなり自身で用意しておくとよいです。
大量の魚粉は全て入れるとバランスを大きく変えてしまいますが、出汁の濃度を上げたい場合は重宝すると思います。
                      
今回も数人で分けたので、量が少ない分辛さにはなんとか耐えられましたが、皆もギリ手前くらいの辛さだったようです。
ただ人の知覚感度にも個人差がありますので、中本の辛さでさえ平気な方であれば、多分問題はないと思います。

9

2023年11月07日

つけ汁は穏やかに火入れされた濁りのない鴨の旨味、生醤油のコクとキレと芳醇な香り、たっぷりの鴨油など、
複数の旨味要素が緻密に組み合わされた、奥行きの深いやや濃口の淡麗スープとなっています。

麺は全粒粉入りの低加水角刃ストレート。力強く香り高いスープに合わせた独自配合の冷凍仕様で、
小麦の香りと甘味、プリっとした張り、コリパツの歯切れも存分に楽しめます。
麺量は190gとされていますが、茹で上げると結構な量になり、
またつけ汁もたっぷりなので、二人で分けて丁度良いボリュームになると思います。

付属トッピングは豪勢に分厚くスライスされた合鴨ロースの塊が1つ。
すっきりとした甘味に爽やかな酸味の煮汁が染み込んだ、超しっとりのムチムチ食感。
皮にも旨味がギッシリと詰まっており、宅麺商品の鴨の中では正直レベチです。
またパック内の煮汁は捨ててしまうのは勿体ないので、別途仕込んでいた鴨肉と里芋の治部煮に加えました。

松茸も厚めのスライスが贅沢にゴロゴロとスープに入っています。
開きですが風味が主張し過ぎず、醤油と組み合わさる事で、独特の馥郁とした香りを生み出しています。
その他では春菊との相性が抜群なので、可能であれば事前に用意しておく事をお勧めします。

本品はとにかく冷凍のクオリティとは思えないハイレベルなもので、
料理人としての観点からも、調理技術の面においては他との格の違いを強く感じました。
また合鴨にせよ松茸にせよ真河豚にせよ、この大きさと量はまさに大盤振る舞いで、
この内容にこの味と量であれば、2,700円という価格もコスパとしては非常に優れていると思います。
個人的には文句無しのフルマークです。

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