元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています。
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています。
・甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢ですが、現在はシンプルな中華そばに好みが落ち着いています。
・麺が解れない原因は強く固めているからではなく、打ち粉が少ないか、配送時の結露による麺表面の糊化が考えられます。菜箸で何度も触れるのは麺に傷が付きデンプンが出て逆効果なので、コツとしては思い切って麺を取り出し、水分をキッチンペーパーで吸わせてレンチンし、軽く解して茹で直すと解決出来る場合があります。

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2024年03月14日

スープは伊達鶏の生ガラをベースに背黒煮干も効かせた醤油清湯で、あっさりながら深みもある淡麗系喜多方スタイル。
塩分濃度は約1.9%と若干高めで、濃口醤油のキレと旨味がどっしりとした出汁とバランス良く調和しています。
 
麺は東京製麺の特注で、うどん用の中力粉を独自配合した平打の熟成多加水中太麺。
一般的な喜多方麺よりやや厚く、適度な縮れともっちりとした弾力と強いコシ、
そして官能的でツルツル滑らかな瑞々しい麺肌が特長として表れています。
 
付属トッピングはコリコリ食感でしっかり味付けされた薄切りメンマと、
チャーシューは以前までのバラブロックをまるまる横にスライスした丼からはみ出る半面盛ではなく、
現在は縦にスライスした一般的な喜多方スタイルの3枚に変更されています。
ただ国産豚のしっとりと軟らかい赤身と甘味ある脂身の質は変わっておらず、
食べ進む内に脂がスープに溶け出して更なるコクを与えてくれます。
熱湯湯煎すると、この肉汁と脂分が袋内に溶け出てしまうので、解凍は冷蔵庫か流水で行いましょう。
 
他の有名店のような円みや甘味のあるタイプと若干異なる、醤油感、煮干感の効いたやや関東寄りな喜多方スタイルで、ことチャーシューに関しては多くの方を唸らせる逸品だと思います。

7

2024年03月07日

スープはサラサラとした純煮干で、苦みやエグミはありませんが、煮干特有の芳醇なクセはしっかりと活かされています。
塩分濃度は約2.1%とやや濃口ながら、塩味の角を無くしたまろやかな口当たりで、
煮干の旨味と甘味にも奥行きがあり、煮干油も重みが無くあっさりとしています。
以前は長崎産の片口鰯や鯵、千葉産の真鰯などが使われていましたが、最近は千葉産の片口鰯を使っているようです。
 
麺は本店と同じ東京製麺の低加水角刃中細ストレート。
コリパツの食感で、時間の経過と共にスープを吸い上げ、煮干の風味と一体化してゆきます。
 
付属トッピングは豚肩ロースの低温調理レアチャーシューが2枚。
ジューシーな国産霜降り肉で、薄めのスライスながらむっちりとした弾力と、体温でとろける甘い脂が特長の逸品。
またスープの邪魔をしない淡い味付けとなっており、麺との相性もしっかりと考慮されています。
当然ながら湯煎は厳禁、またスープの余熱でもタンパク質の変性による肉質と風味の変化が生じるので、
レアチャを臭いと感じてしまう人は熱が入る前に早めに食べるか、ラーメンに乗せず別皿にするとよいです。
 
数年前に宅麺でも販売されていた丿貫の6号店ですね。
欲を言えば和え玉もあれば嬉しかったですが、全体的には流石のクオリティだと思います。

8

2024年02月08日

一乃胡 らーめん(ラーメン・醤油) 分厚いチャーシューも魅力

スープは鶏ガラと根菜を沸かさずにじっくりと煮出したあっさり醤油清湯。
クリアに澄んだ綺麗な黄金色で、さらりとした穏やかな鶏胴ガラの味わいの中に鰹もほんのりと香り、
薄口醤油のキリッとした塩味はやや強めの旨味と甘味が優しく和らげています。
 
麺は自家製の超多加水平打中太縮れ麺。
加水率が非常に高い佐野ラーメン特有の瑞々しく滑らかな舌触りにプリプリモチモチとした弾力とコシの強さ、
また手揉みによる不規則な縮れがスープを適度に持ち上げ、噛む場所によって異なる多彩な食感を生み出しています。
 
付属トッピングはシャキシャキとした歯触りのメンマに、チャーシューはしっかりと巻かれた厚めの豚バラロールで、
醤油の下味、赤身の適度な弾力、脂身の程良い口溶けがバランス良くまとまっています。
2食購入した内のもう1食のほうは2cm近い厚みがあったので、運が良ければ二郎級の極厚サイズに出会えるかも?
 
構成自体はシンプルで、スープも佐野ラーメンでは比較的主流のタイプですが、
その味わいは店主出自のおぐら屋の特長も踏襲しており、抜群の安定感、安心感を得られる一杯だと思います。
ごまラーメンの完成度はこのベースのクオリティあってこそですね。

9

2024年02月01日

スープはまろやかでややトロっとした豚骨醤油ベース。豚骨の臭みはなく、節と昆布も香りますが、
永福町系の特徴である平子煮干とカメリアラードの代わりに豚の背ガラと背脂が加わり、豚の主張を強めています。
またこちらには醤油返しの他に旨味がしっかりと効かされており、
塩分濃度も約2.0%と喉がピリピリくる味の濃さで、昔の東京豚骨風屋台味のようなレトロ感も醸し出しています。
 
麺も永福町系インスパイアという事で、ちよだの他のラーメンと同様に草村商店製を使用。
切刃20番手くらいの加水率やや高めな角刃縮れ中細麺で、指定時間通りに茹でるとやや軟らか目に仕上がりますが、
このプリモチな食感こそが永福町系の持ち味で、スープと絶妙に絡む絶妙の味わいを生み出すため、
永福町系の味を忠実に再現したいのであれば硬め茹では厳禁です。
過去に一度興味本位で硬めにチャレンジした事がありますが、案の定スープのノリが悪くなり失敗しました(涙)
 
付属トッピングは板海苔が2枚、厚めの鳴門巻が1枚、ゴリゴリと歯応えの強いメンマが数本、豚肩ロースチャーシューが1枚。
チャーシューは厚めのスライスで、脂身までトロリと軟らかく煮込まれており、食べ応えも充分。
 
ちよだのスタンダードな無化調テイストとは多少異なりますが、草村商店の麺など永福町系のエッセンス自体は残されており、
豚骨と塩味と油分の濃さ的にライスとの相性も申し分ありません。
ネギも合いますので、白ネギ青ネギどちらでもお好きな方はお好きなだけ用意しておきましょう。
 
地方の方や若い方にはどうか分かりませんが、東京育ちのオッサンにとっては郷愁の味なんじゃないかなと思います。
私は大好きですね。

7

2024年01月25日

スープはアニマルオンリーで、メインは豚鶏ですが、その中で牛骨がさりげなく香る絶妙な存在感を見せています。
濃厚な乳化タイプで、長時間煮込まれて溶け出た骨特有の香り、ゼラチン質のまったりねっとりとした舌触り、
そして豚骨の風味が醤油の角を削り、旨味に奥行きを与えています。
 
麺は国産小麦3種類の石臼挽き全粒粉を使用した自家製多加水角刃極太ストレートで、生卵も多く配合されており、瑞々しい濃厚な甘味、
春よ恋特有のしなやかなアシの長さ、チクゴイズミ特有のムッチリふんわりとしたグラマラスな柔らかい弾力と全粒粉の芳香が噛むほどに弾けます。
塩だけでも美味しく頂ける絶品で、ほんの少々塗るだけで塩味の対比効果により麺の甘みが一層引き立ちます。
またレモンなどの柑橘類を味変に使う場合は麺に直接絞って頂くとよいです。
ちなみに石臼挽きはラーメン界では佐野実さんが取り入れた事でも有名で、摩擦熱を抑える事で小麦の風味を損なわず挽けるというメリットがあります。
 
付属トッピングはゴリシャキ食感の太メンマが3本、豚肩ロースを炭火で吊るし焼きした後にタレで煮込んだチャーシューが2枚。
低温調理レアチャは付いていなかったので、製造ロットによって変更があるかもしれません。
いずれにせよチャーシューは湯煎にかけず流水解凍して、炭火焼に関しては手間がなければガスバーナーで表面を軽く焼くか、
若しくはガスコンロで軽く炙ると、炭火の香りが立つと共に甘い脂のサシが程良く溶けて、再現度が更に高くなります。
 
麺は見た目のゴツさに反して硬さや強烈なコシなどはなく、
薄力粉、中力粉、強力粉の独自配合により生み出された官能的な柔らかさとしなやかさ、
そして麺自体の甘味が他とは一線を画す特長として表れていますので、
指定時間通りしっかり茹でて、しっかり噛んで、その口当たりと醇正な風味を余すこと無く味わいましょう。
また熱盛は麺の風味も食感も全てが損なわれるのでお勧め出来ません。実店舗でも不可です。スープが冷めたら自宅ならレンチンで解決出来ます。
 
他の方もレビューされている通り、麺が主役と言っても過言ではない珠玉の逸品ですが、スープもチャーシューもクオリティは抜群。
ひら井は接客も素晴らしく、チャーシュー丼も極上なので、機会があれば実店舗で実物の味を体感する事をお勧めします。

10

2024年01月25日

スープは店主出自である麺堂稲葉譲りのトロトロ粒々な鶏ポタ系鶏白湯がベースで、
鶏や煮干由来のイノシン酸の旨味と貝由来のコハク酸の旨味が両立しており、味にコントラストを持たせています。
ちなみに貝はハマグリではなくホンビノス(白ハマグリ)ですね。
またカエシの醤油には角が無く、スープに旨味とまろみと深いコクを持たせたいます。
 
麺はスクエア型の多加水角刃太ストレート。麺堂稲葉と同じ磯屋商店製で、瑞々しいツルモチ食感が楽しめます。
色味的も風味的も食感的にも塩つけとは違う麺のように感じましたが、こちらは醤油に合わせて麺の主張を抑え目にしているのかな?
 
付属トッピングはInスープの太メンマと、スープと別パックで豚肩ロースと鶏胸肉のレアチャーシューが1枚ずつ。
チャーシューはどちらも塩と胡椒のみのシンプルな味付けで、
芯温を管理して低温加熱の安全面をしっかり考慮しているのが分かる意識の高い仕上がり。
またレモン果汁は鶏とも二枚貝とも相性が良く、酸味のキレが味に一本筋を通してくれるので、味変にお勧めです。
 
イズムは宅麺で初めて頂いて感銘を受けましたが、塩に続き醤油も絶品ですね。
実店舗にもまだ行けていないので、他のメニューも宅麺でジャンジャン出して欲しいです(笑)

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