元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています。
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています。
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に。
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です。
・プラチナ会員ですが抽選販売は直近29回中26回落選、新商品は全滅で毎回先着販売で買っています。
・麺が解れない原因は強く固めているからではなく、打ち粉が少ないか、配送時の結露による麺表面の糊化が考えられます。コツとしては思い切って麺を取り出してレンチンし、軽く解して茹で直すと解決出来る場合があります。

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2025年04月23日

スープは濁りのないアッサリとした非乳化豚骨醤油がベースで、そこに大量の液状背脂と固形背脂と辣油がコッテリと浮かべられています。
塩分濃度は約2.5%と高い上、糖分と旨調も多く、油分も液状油だけで約120cc近くあるので、ガラ濃度の割にインパクトは強烈です。
 
麺はスクエア型の角刃太縮れタイプ。
噛み応え満点の太さとブリブリモチモチな弾力で、アブラギッシュなスープに負けておらず、そのアブラ達をごっそりと持ち上げてきます。
 
付属トッピングはInスープで、豚挽肉とざく切り玉葱がたっぷりと沈んでいますが、この玉葱の甘味と食感が非常に良い仕事をしています。
花椒は市販の小袋が2p付いてきますが、香りも痺れも弱く、また辣油の辛味も控え目なので、強い刺激を求める方は花椒も唐辛子も追加分を用意しておいたほうがよいです。
 
また説明書きにもある通り、ごっつの亀戸式タンタンメンはモヤシとニラを入れることで初めて完成するので、茹でモヤシと刻み生ニラは必ず乗せましょう。
特に挽肉と玉葱はモヤシとニラの為にあるような具材で、塩味も油も醤油や味噌同様にモヤシ有りきの前提で多くされているので、
この2つを追加しないと塩辛さと油っぽさばかりが突出した、バランスの悪い未完成品となってしまいます。
 
亀戸式タンタンメンには厳格な定義といったものはなく、お店によって独自のスタイルで提供されているそうですが、どのお店でも刻んだ生ニラはマストでトッピングされているようです。
ごっつの亀戸タンタンはごっつらしくショッパーで超オイリーですが、食べている内に麺の小麦と挽肉と野菜と油分が溶け合い、味わいが次第にまろやかになっていくのも特徴的です。
ただニラは画像ほど乗せなくても大丈夫なので、自分好みの量だけ刻んでトッピングしましょう。(多く乗せりゃいいってものでもないです。クサいので)

3

2025年04月23日

スープは商品名通りの無化調純ニボ。セメント系とは異なり、鶏などの動物類は一切使われておらず、
醤油返しには他の旨味成分も重ねられてはいるものの、出汁自体は煮干と水のみで炊かれています。
丼一杯あたり約150gもの煮干が使われているらしく、一晩かけて水出しを行った後にじっくりと火入れをするなど徹底した温度管理が行われているそうで、
煮干本来の苦味とクセも意図的に抽出させた、背黒のパンチと白口の甘味による芳醇な味わいが特徴的。
濁りはあるものの口当たりはさらりとしており、塩分濃度は約2.0%と高めながらやや多めの煮干油も相まって、塩辛さのない濃厚かつまろやかな味わいへとまとまっています。
 
麺は菅野製麺所の低加水角刃細ストレート。しなやかでパツンと歯切れの良いコリコリ食感で、煮干系では定番の組み合わせ。
指定時間通りに茹で上げる事でやや硬めに仕上がりますが、片手鍋を使った1リットル程度の少ない湯量だと茹で上がるまでに再沸騰せず、デンプンのα化が不十分となるので、
本商品に限らず冷凍通販で作るラーメンの茹で湯は最低でも2リットル以上は用意しましょう。家庭調理なら多くとも3リットルあれば充分です。
 
付属トッピングは低温調理のレアチャーシュー2種で、豚肩ローススライスと鶏むねスライスが1枚ずつ。
どちらもシンプルな塩味で、しっとり軟らかく、鶏のほうは胡椒を効かせたスパイシー仕立て。
なお玉葱を追加する場合は、刻んだ後に水に晒して辛味を抜き、余分な水気をしっかり切っておく事がより美味しく頂く重要なポイントです。
私は今回朝採れの新鮮な白子の新玉葱を農家さんから頂いたので、水に晒さずそのまま使いましたが、旬の新玉葱は瑞々しく辛味も少ないので、煮干ラーメンにもお勧めです。
 
児ノ木はニボラーであれば誰もが訪れた事のあるであろうレベルの超有名店で、冷凍通販でもその濃厚かつ繊細な味わいが楽しめると思いますが、
スープの温度を上げすぎると風味が飛び、せっかくの味わいを損ねてしまうので、調理の際は湯煎のかけ過ぎ、熱し過ぎにくれぐれも注意しましょう。

4

2025年04月16日

麺は平打の太ストレートで、幅広ですが麺帯は薄くピロピロとしています。
中華麺ではありますが、タリアテッレのようなパスタ感というか、どちらかというとヌイユを意識したようなイメージで、
滑らかでコシも強くモチモチとした弾力性があります。
 
まずはこの麺と別パックのガーリックオイルを和えるところから本品の調理はスタートします。
この時点でトリュフが香りますが、ニンニクの風味はそれを上回る強さで、
スープをかける前の油麺の状態で数本食べておくとよりニンニクとトリュフを堪能出来ると思います。
 
スープは白濁したクリーミーな動物系で、牛と共に豚の風味も分かりやすく出ていますが、臭みは一切ありません。
またバルサミコの甘味酸味や紹興酒の風味など、カエシの構成が以前販売されていた八咫烏式二郎系に似ており、塩味も含め全体的に味はやや濃い目です。
こちらを麺にかけるのが第二工程です。
 
付属トッピングは牛ほほ肉の煮込みとフォアグラが一緒にパックされています。
ブイヨン感もあるソースはトリュフの香りが立っており、フルーティな甘味酸味の効いた濃い味付け。
牛頬は冷凍の鮮度的な臭みが多少気になりましたが、ほろりと程々に軟らかく煮込まれています。
フォアグラも風味が落ち気味な上やや淡白で濃厚さに欠けますが、保存状態的にも致し方ないかもしれません。
 
こちらを綺麗に盛り付けるのが最終工程ですが、麺の上に直接乗せるとソースの味がスープへ一気に干渉するため、ほうれん草のソテーなどを中間に敷いたほうがよいです。
調理が難しい場合は別皿盛りにする事で、味を見ながらスープに少しずつ加えたり、加えずに別々に頂くなど、好みに合わせた食べ方を自分でチョイス出来ます。
 
麺が終わった後は残ったスープにパンを添えたりライスでリゾット風にするのがお勧めされています。
どちらも試してみましたが、この味の濃さだとブルスケッタもガーリックライスも当然マッチします。
 
まずは麺とオイルを和え、次にスープを注ぎ、最後にトッピングを施す事で、段階的に味と風味が一つの形として作られてゆきますが、
全体的に味が濃いので、牛頬ソースとスープが融合した完成形まで進むと味がかなり濃厚になります。
麺はスープへ入れずに和え玉つけ麺スタイルにしたほうが、スープとの絡みを自分で調節できる分食べやすかったかもしれません。
 
所謂「牛頰肉のロッシーニ風」というフランス料理をラーメンに落とし込んだ形で、麺、スープ、具材の個々をみるとそれぞれ美味しいのですが、
全てをまとめたラーメン一杯として考えると、やや一体感を欠いてしまったような印象です。
 
使われている食材が食材な上、何より調理技術も多少求められる内容なので、料理や盛り付けが得意ではない方にはハードルがやや高いかもしれず、
4,320円+送料の一杯約5,500円という超ハイコスト商品である事も鑑みると、
冷凍ではなく実店舗で作りたてを頂くべきメニューだったのかなというのが率直な感想です。(本末転倒ですが)

11

2025年04月16日

スープは無化調のニボニボで、高濃度なドロザラのセメント系。
塩味は若干強めながらパワフルな煮干に負けないバランスの濃度で調えられており、ビターな煮干の風味、旨味、甘味がガツンとストレートに伝わってきます。
苦みやエグみも旨味の1つと捉えられるニボラー的には煮干のクセは中〜弱程度くらいだと思いますが、
そのクセ自体が苦手な方や初心者さんにはやや抵抗のあるレベル感かもしれません。
 
麺は菅野製麺所のスクエア型低加水角刃細ストレート。
ドロスープをガッチリと持ち上げ、しなやかでコリパツの食感が煮干とマッチし、麺の持つ小麦の甘味がお互いを引き立て合っています。
麺に対しスープ量が少ないため違和感を抱く方もいるかもしれませんが、近代のニボニボはこのスタイルもスタンダードの1つとして定着しています。
(煮干を大量に消費するためスープ量を多くすると安価で捌けなくなるという理由もあります)
 
和え玉は実店舗だと基本的に4種類ありますが、本品は醤油がチョイスされています。
鶏油(チーユ)の風味が効いた角のないまろやかな醤油ダレで、混ぜて油そばのように食べる、生卵に絡めてすき焼き風に食べる、
スープに浸してつけ麺のように食べるなど、自分の好みに合わせて色々な食べ方を試してみるとよいです。
 
もし煮干の苦味が不安な方は、麺を入れる前にスープをひと口飲んでみて、自分にはちょっと苦手かなと思った場合、
このつけ麺スタイルにすると鶏油でコクが増すと共に油のコーティング作用で煮干のクセが和らぐため、
通常のラーメンスタイルよりもいささか食べやすくなると思います。
 
なお本品はかけタイプなので付属トッピングは無く、必須アイテムの刻み玉葱などは事前に用意しておきましょう。
 
実店舗では煮干の種類、産地、配合を数日置きに変更するなど常連客にも飽きさせない工夫が凝らされており、
この冷凍版特濃もニボニボ中毒者なら確実に満足出来る一杯&一玉になっていると思います。

6

2025年04月09日

以前富士丸神谷本店にいらしたザキさんの独立店という事で、スープは液状油多めの微乳化富士丸スタイル。
豚の厚みと根菜の甘味に生姜の香りが効いた富士丸系ならではのあまうまな味わいで、
醤油の塩味とコクもしっかりとあり、当然ながら生卵ディップが良く合います。
 
麺は自家製の低加水角刃平打ウェーブで、富士丸らしい手揉み感のあるうねりと圧縮性のワシゴワ食感。
説明書きには「二郎系インスパイアの中では細めに製麺」とありますが、
寧ろ昔の富士丸やマルジがこの位の太さで、逆にこちらこそが富士丸元祖に近付けた製麺スタイルだったりします。
 
付属トッピングはInスープで、ホロムチの軟らかいウデ肉のブタが大迫力のドデカサイズでドーンと1塊。
ブタカスタブラはスープ同様に湯煎で解凍。ヤサイにトッピングして温サラダスタイルで頂くか、別皿に移してつけ麺スタイルで頂くかはお好みで。
ライスにかけて背徳のアブラ丼という楽しみ方もありますが、とにかくパンチのある味付けで、肉カスもたっぷり入っており、申し分ない存在感です。
 
また嬉しい事に別パックで刻みニンニクも付いてきますが、冷凍した生ニンニク特有の臭いが強く発生しており、
商品自体の袋を開ける前からニンニク臭が漏れているので、すぐ食べずに冷凍保存しておく場合はビニール袋などで二重に密閉しておくと匂い移りを防げます。
 
またヤサイは富士丸系という事で、実店舗も当然味付きのクタヤサイになっています。
説明書きにある通り、熱湯にスープやアブラを少々加えて、モヤシとキャベツを15分ほど茹でれば富士丸系らしいクタヤサイを作れますが、
油分で洗い物が大変などあれば、熱湯1Lあたりに塩を大匙1/2杯程度加えて茹でるだけでも浸透圧が発生し、味付きクタヤサイを作る事は可能です。
ただ15分茹でると実店舗レベルのバリクタになるので、そこまでクタらせたくない場合は茹で時間を5分〜10分くらいに留めておくとよいです。
 
吉田マスター在りし日の富士丸イズムを受け継ぐような、20年くらい昔の古き良きマルジの面影が思い浮かぶオールドスタイルの一杯で、
正直、現在宅麺で製造販売している富士丸よりも、こちらのほうが個人的には富士丸なイメージでした。

10

2025年04月09日

スープは同店の「豚骨ラーメン」と同じくクリーミーでまろやかな豚骨ベースで、
「豚ラーメン」がちばからインスパイアだったのに対し、こちらは乳化具合にちばからっぽさを感じさせつつも、濃厚な豚骨感が軸となっています。
ただ臭みはなく、久留米系やムテ系のガラ濃度とも別物で、塩味のエッジが立ったトロトロの豚骨スープとなっています。
 
辣油は既に加えられた状態で、大半がスープとエマルジョンしています。
ピリッとしたそれなりの辛さですが、甘辛酸のバランス的には甘味酸味が抑え目な為、
辛味をやや強くする事でまろやかな乳化豚骨にキリッとしたアクセントを与えている、という印象です。
 
麺はワイド型の角刃太ウェーブ。本来はストレート麺かと思いますが、冷凍の影響か麺線が揃っておらずやや波打っています。
ムチコリ食感で歯切れも良く、麺肌の適度な凹凸がトロトロのスープをしっかりと絡め取ります。
博多や久留米の麺とも二郎インスパの麺とも別物なので、しっかり茹でて冷水でしっかりと〆ましょう。
 
付属トッピングは1cm厚に縦スライスされたブ厚い豚バラチャーシューが1枚。
味付けは淡めで軟らかく煮られていますが、スープに浸しておくとよりトロトロにとろけます。
 
ラーメンのスープにただ甘辛酸を加えてつけ麺アレンジしたようなタイプとは訳が違う、
個性的なバランス感のある一品で、スープ量がたっぷりなのも嬉しいところですね。
麺量は約250gもありますが、まだイケるという方はお代わり用に麺や米を用意しておくとよいです。
 
あと豚骨ラーメン同様にニンニクは勝ち確です。ネギ、玉葱もお好きな方はお好きなだけ用意しておきましょう。
青菜や海苔などの家系装備や、キクラゲ、白胡麻といった博多スタイルもお勧めです。
 
 
それから宅麺さんにですが、2025/4/8時点において、店名「sclabo」で検索しても、「つけ麺」や「豚骨」で絞り込んでも本商品にヒットしないので、商品ページが正しく紐付けされているか確認したほうがよいと思います。

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