元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です
・プラチナ会員ですが抽選販売はクジ運悪く大抵先着販売で買っています
・店主へのリスペクトと、同じ飲食に携わる者として、プロの作った作品に点数など付けられないという理由で、星は基本的に全部5にしています

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2025年10月22日

タレは一般的なカレー粉を使用した感じのオーソドックスなカレー味。ピリ辛でややスパイシーですが、醤油返しも使った日本人が食べ慣れた安心感のある味付けで、旨味もしっかりと効いています。
 
麺は自家製で、富士丸の昔ながらの縦厚極太平打ウェーブ。
オーションを使った低加水の深掘り状なので、カレーのような粘度のあるタイプとは特に良く絡みます。
 
太さは「二郎系インスパイアの中では細めに製麺」とありますが、敢えて細めに製麺しているというより、昔の吉田マスターの麺と同じ太さのオールドスタイルで製麺している、というのが正しい解釈です。
 
付属トッピングはスパイスを効かせた揚げエシャロットと刻みニンニク。ブタも富士丸スタイルのウデ肉を使ったフワモチ食感な特大サイズで、味付アブラも一緒にパックされています。
 
店主おすすめトッピングは卵黄、ヤサイ、ネギ、チーズなどですが、タレ自体の塩味、甘味、旨味の塩梅が秀逸で、麺とタレのみでも濃過ぎず薄過ぎずの絶妙なバランスとなっている為、
ラーメンと違い追加は有っても無くてもお好みで。何なら初期装備のプレーンなデフォ状態でも美味しく頂けると思います。
特にカレーのスパイシーな香りと背脂のパンチをストレートに味わいたい場合は、卵、もやし、ネギなど風味に干渉する食材は逆に不要かもしれません。
 
またカレー混ぜそばと言う事で、一応追い飯も用意しておくとよいと思います。
パンもよく合いますね。丼に残ったカレーをパンに付けて頂くと、残さず美味しく食べられる上に洗い物もラクになります。
 
奇を衒った感のない、これぞカレーといったような正統派の王道カレー味ですね。
何よりマルキの麺自体が抜群に美味しいので、カレーがスタンダードでも麺と組み合わせる事でワンランクツーランク上の味にアップグレードするように感じます。

13

2025年10月01日

こちらはマネーの虎にもご出演されていた「あってりめんこうじ」の店主、小路五郎さんのご子息のお店で、「あってり」というワードでピンとくる方もいるんじゃないかなと思います。
 
ただ本品はあってり麺とは別物で、タレはブレンド醤油がベースですが、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などの旨味成分を食材と調味料から組み合わせる事により、無化調ながらも強烈な旨味の爆発が起こっています。
非常にコク深く濃厚で、また塩分濃度もかなり高く、油分も多い為、無化調とは思えないジャンク感を生み出しています。
またニンニクと生姜も効かされているので、タレ単体でみると生姜焼きのような味がイメージとして浮かぶかもしれません。
 
麺は平打の太麺で、茹で時間は2〜5分と幅広く指定されていますが、2分だとグッチリと粉の詰まった食感となり、5分に近いほどモチモチとした弾力と強いコシが生まれます。
MAX5分茹でても十分な硬さに仕上がるので、ヤワめがお好きな方はもう少し長めに茹でても良いかもしれません。汁無しや油そばの麺は軟らかく茹でたほうがタレとの絡みが向上します。
そしてタレが白っぽくトロトロに乳化するまで最低100回以上はしっかり混ぜ合わせる事で、タレがソース状に変化して麺とガッツリ絡み合い、油そば本来の真の美味しさが生まれます。
 
付属トッピングは説明書きにある通り、チャーシューブロックと鶏コンフィと牛スジのミックスとなっていますが、
タレの中に沈めて一緒にパックしてしまった為にタレの強い塩味までもが染み込んでおり、各々の具材本来の味が分かりづらくなってしまっています。
 
また全体的にも塩味が強くオイリーなので、美味しく頂く為にも必須とされている追加トッピングは不可欠です。
卵黄は味をまろやかに、ヤサイは塩味を中和し、チーズはコクを、ニンニクはパンチを、鰹粉は旨味の相乗効果を、揚げネギは食感の変化を生み出す役割を果たしてくれます。
トッピングを加える前の麺とタレと肉を混ぜただけの状態でまずは味見したところ、トッピングを加えた後に比べて塩味は尖り、
油分も重く、本来の美味しさとは程遠いアンバランスな味だったので、必須トッピング(特に卵黄とヤサイは必要最低限)の乗せ忘れには十分ご注意下さい。
 
ヤサイは店主アドバイスの通り、茹でるのではなく、しっかりと炒めて香ばしさを十分に引き出しましょう。味が濃い為、モヤシは100g(半袋)、キャベツは30gほどあっても良いかもしれません。
ニンニク醤油に関しては、一般家庭だと再仕込み醤油はないかもしれませんが、濃口醤油で代用する場合は、
醤油大さじ1に煮切った本味醂を小さじ1/4ほど加え、そこに刻んだ生ニンニク3〜4粒分和え、密封して冷蔵庫で2〜3日漬け込むとそれなりに仕上がります。
ただし生のニンニクを漬けるので常温保存は厳禁、必ず冷蔵庫で寝かせて下さい。
 
様々な食材との親和性が思った以上に高く、色々なトッピングを乗せれば乗せるだけ美味しくなる汁無し麺となっていますので、お値段分は楽しめるよう必須の具材はしっかりと準備しておきましょう。
というかせめて鰹粉と粉チーズと揚げネギくらいは付属してくれても良かったんじゃないかなと思います。
 
また店主アドバイスのタレを使った炒飯は私からもお勧めします。
炒め油もタレのオイルを使い、肉も具材として加えると、香り立つ絶品の肉炒飯が出来上がります。
炒飯にせずとも残ったタレに追い飯も最高なので、ライスはスタンバイしておきましょう。
 
ただ具材のInスープだけはやはり残念で、折角の食材への拘りもタレの塩辛さのせいで、台無しとまではいかずとも伝わりづらくなってしまった印象です。
油そば系のタレは塩分濃度が桁違いなので、チャーシューなどの具材はラーメンのようにスープと一緒にせず、個別にパックしてもらうよう店側に協力を仰いだほうがよいと思います。

13

2025年10月01日

タレはちばからの乳化スープをベースに魚介とちばから醤油を強めに加えたまろやかな甘旨味。メニュー名は油そばですが、スタイルとしては汁なしです。
魚粉はタレに予め加えられているので量の調節は利きませんが、そこまで強い主張はなく、動物系とのバランスが均等に取れています。
 
麺は自家製の平打縮れ太麺で、ツルモチの弾力とコシの強さにちばからの独自色が感じられます。ただ本品は油そばなので、タレとの絡みを良くする為にも麺は軟らか目に茹でたほうがよいです。
歩留まりが高く表面も溶けやすいので、タレも比較的乳化しやすいと思います。サボらず怠らず、心を込めてしっかりと混ぜ合わせましょう。
 
付属トッピングはInスープで、材木カットのバラ肉ブタが1枚分。実店舗製なのでふっくら軟らかく仕上がっていますが、タレを吸っているせいで味はかなり濃い目となっています。
油そば系の具材はタレの中に入れず、タレと分ける形で個別にパックして欲しいですね。
また店主アドバイスにもある通り、味が濃いのでヤサイトッピングは必須です。温玉乗せや生卵ディップも定番の食べ方としてお勧めです。
 
こちらは以前にも販売されていた同商品から肉カス脂と辛味を抜いたバージョンとなっています。ボリュームは相変わらず半端ないので、2人でシェアするとコスパも高くなると思います。

15

2025年09月24日

スープは白味噌や淡色味噌などを中心にブレンドされた、合わせ味噌ダレのコクまろ味。
じゃぐらの特徴である濃厚な豚骨感は無く、塩分濃度は約2.0%とやや高めながら、麹の甘味も主張する、マイルドで優しいあっさりあまうまな味わい。
トロトロの豚背脂がたっぷりと浮かんでいるものの、生姜も予めほんのりと効かされているため、油分のクドさは感じず、コッテリとしつつも後味は比較的スッキリとしています。
 
麺は三河屋製麺の角刃中太緩ウェーブ。リボフラビンにより黄色味を帯びていますが、純すみ系のような札幌味噌の麺とはタイプが異なり、
平均的な長さのカットとムチコリな弾力、ザクパツの歯切れの良さと噛むほどにスープと融和する小麦の甘味が特徴として表れています。
 
付属トッピングはソフトな味付けで軟らかく煮込まれた豚バラ薄スライス煮と生姜バター。
生姜バターはその名の通り生姜のキレとバターのコクが加わる味変トッピングですが、こちらは別パックなので、生姜が苦手であればトッピングから避けたり使う量を調節する事も可能です。
またナルト巻きとコーンもスープ内に沈んでいます。
 
味噌、背脂、豚肉、生姜、バター、コーンという、食べる前から美味しい味噌ラーメンである事が分かるような魅惑のラインナップですが、
ここにネギ、海苔、味玉、野菜、唐辛子、豆板醤、ニンニク、追いバター、カレー粉などのお好きな具材や調味料を足すと更に沼ります。ライスとの相性も申し分ありません。
 
生姜の作用で身体がポカポカと温まる、寒くなればなるほど恋しくなるような、老若男女に広く愛されるであろうキャッチーな味噌ラーメンですね。
また豚骨が苦手な方、純すみ系のようなパンチのあるタイプ以外を求める方にもお勧め出来る一杯なんじゃないかなと思います。

15

2025年09月17日

スープはコラーゲンもたっぷり溶け出したドロつきのある濃厚トンギョで、タイプ的にはこうじ系や六厘舎系に似たものがあります。
甘味旨味酸味は適度に効かされており、辛味は辛辛魚ほど強烈ではないにせよヒリヒリとした刺激が舌に残るので、辛いものが全くダメという方は念の為注意です。
 
麺は三河屋製麺の多加水角刃太ウェーブ。
瑞々しく艷やかで喉越し良く、グルテンの多いツルムチの強いコシが特徴的。
 
付属トッピングはInスープで、香ばしく焼き、軟らかく煮込まれたブリブリ弾力の豚バラチャーシューブロックが3ヶと、材木メンマが2本。
また別パックで魚介風味の香味油と魚粉が付いてきますので、加える量はお好みで。
 
甘味酸味からはクラシカルなエモさを漂わせつつ、店主は津田沼必勝軒〜中本の出身という事もあり、各々のエッセンスも感じられる味わいとなっています。
辛辛魚で全国的にも有名になりましたが、それもこの骨太なフィジカルの強さとベースの完成度があるからこそ成立する味なのだというのが理解出来る一品だと思います。

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2025年09月17日

スープは鶏白湯と魚介のWスープで、塩分濃度は約1.7%と濃過ぎず薄過ぎずの程良い塩梅。
鶏と魚介がバランス良く噛み合った臭みのないクリーミーな飲み口で、
しっかり乳化しつつも油分は抑えられており、ややさらりとしたあっさりまろやかな中濃タイプです。
 
麺は自社製のスクエア型角刃中太ストレート。立体感のある太めの正方形で、やや短めにカットされているのが特徴的。
茹で時間2〜3分とありますが、この太さと加水率では2分だと若干芯が残り食感がボソつきます。
3分でもグルテンの変性がやや不十分な感じで、4分を過ぎたあたりから強いコシが生まれ始め、5分弱くらい茹でると麺自体が持つ甘味と中力粉のモチモチとした弾力が活きるようになりますので、
熱湯は最低でも2リットル以上たっぷりと用意し、茹で加減は分単位で確認しつつ好みの硬さであげるようにするとよいです。
 
付属トッピングはInスープで、厚めの豚バラロールスライス、鶏ムネチャーシュー、極太メンマの3品。鶏チャはInスープのため湯煎すると火が通り、硬くなってしまうのが残念。
バラロールは実店舗のように表面を炙ると香ばしくなり、甘い脂もとろけて美味しさが倍増します。
 
鶏白湯魚介といってもパンチや濃度を求めるタイプではなく、味わいはあっさり柔らかで、口当たりや風味、旨味をじっくりと堪能するような一杯となっています。

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