元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています。
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています。
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に。
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です。
・プラチナ会員ですが抽選販売は直近29回中26回落選、新商品は全滅で毎回先着販売で買っています。
・麺が解れない原因は強く固めているからではなく、打ち粉が少ないか、配送時の結露による麺表面の糊化が考えられます。コツとしては思い切って麺を取り出してレンチンし、軽く解して茹で直すと解決出来る場合があります。

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2024年12月10日

スープは牛ゲンコツなどの牛ガラを時間をかけて低中温で炊いた牛骨醤油清湯。
コラーゲンの溶け出したまったりとした口当たりで、あっさりとした味わいの中にも深いコクが感じられます。
まろやかながら、塩分濃度は約1.8%と塩味もそこそこにキレがあり、また鳥取牛骨特有のクセは抑えられていますが、牛ならではの風味、旨味は充分に満たされています。
 
そして何より牛脂を炙ったジューシーなカエシが特徴的で、肉を焼いたり焦がしたりした際に起こるメイラード反応による香ばしさがあり、
まるで焼肉屋にいるかのようなスモーキーで食欲をそそられる美味しい香りが鼻腔をくすぐってきます。
この匂いだけでご飯が食べられそうです笑
 
麺は自家製の低加水角刃中細ストレート。
麺屋たけ田らしいツルツルとした滑らかな麺肌とムチグチの食感、小麦の甘味がスープと絶妙にマッチしています。
 
付属トッピングはInスープで、トロフワに軟らかい豚バラチャーシューの厚スライスが2枚。
実店舗では麺屋たけ田や麺処想と同じスタイルの肩ロースレアチャが使われていたので、こちらは冷凍通販仕様なのかな?
 
とにかく焼肉チックなフレーバーを堪能出来るので、残ったスープにライスと好みの具材を加えてクッパのように頂くのも楽しみの1つになるんじゃないかなと思います。

6

2024年12月10日

スープは豚、鶏、魚介の淡麗清湯ですが、カエシも化調も使わずに出汁そのもので味わうのが大きな特徴となっています。
カエシ化調不使用といえば、ラヲタ歴の長い方ならかつての桃桜林ナシナシやラーメンゼロあたりを思い浮かべるんじゃないかなと思います。
 
ただ豚や鶏など動物の生ガラからは塩味を殆ど取れないため、桃桜林の軍鶏白湯はナシナシにするとほぼ無塩状態となっていましたが、
こちらはラーメンゼロのように豚鶏以外にも魚介類が使われているため、煮干や節、昆布などの乾物から適度な塩味、豊富な旨味、そして根菜類からナチュラルな甘味が抽出されています。
 
塩分濃度約1.5%、Brix値約3.9%と穏やかな味わいで、スープ表面にコラーゲンの膜が張るまろやかさとコクもあり、
塩味が優しい分滋味溢れる食材の出汁感がダイレクトに伝わってきます。
最初は薄味に感じるかもしれませんが、食べ進む内に舌に馴染み、次第に適切な濃度として味覚が整ってゆきます。
 
麺は村上朝日製麺所の低加水角刃細ストレート。
指定の茹で時間でやや硬めのコリパツ食感に仕上がり、スープをしっかりと拾います。
終盤は軟らかくなると共に春よ恋のモチモチ感が顔を出し、スープを吸い上げる事で丼内に更なる一体感が生まれます。
 
付属トッピングは皮を香ばしく焼いた豚バラチャーシュースライスが1枚。
軟らか食感で生姜の爽やかなアクセントもありますが、チャーシューは醤油と化調で味付けが施されており、Inスープのため折角の無化調スープにやや旨味が干渉してしまっています。
 
辛すじはトロトロにとろける辛口の牛すじ煮込みで、喉にヒリつくコチュジャンの辛味と強めの甘味で味付けされており、
スープに溶かすと攻撃性のないスープが一転して刺激的でパンチのある、濃く深い味わいに変化します。
溶かす量は味を見ながらお好みで。スープに溶かさずとも、ご飯に乗せたり、おかずにしたり、酒の肴にしたりと食べ方もお好みで。
 
麺屋22ふぅふぅは宅麺でリリースされる前の11月末に惜しまれつつ閉店してしまった為、通販で頂けるのも残念ながら今回が最初で最後になるかもしれません。
名残惜しいですが、最後の一滴まで残さず噛み締めて頂きました。

5

2024年12月03日

スープは画像通りの微乳化タイプで、塩分濃度約2.7%とキレのある醤油感に強めの甘味旨味、豚骨と豚肉の太いコクが印象的。
キリっとシャープながらオイリーなまろみもあり、多めのヤサイもしっかりと受け止めてくれます。
味が濃いので生卵を使ったスキヤキ風も相性抜群です。
 
麺は松翔製麺という自社ブランド製のワイド型角刃極太乱捻れ麺で、使っている小麦粉は二郎系定番のオーションではありませんが、
灰分量の多い強力粉を使用しており、オーション感のある味・食感・色合いになっています。
タイプ的には蓮爾に近いものがあり、宅麺商品内では大山やMEN YARD FIGHTを若干スリムで大人しくしたイメージの、ウドンのように太くてゴツくてカタいパワフルな重量級。
加水率はやや低めですが、指定の8分未満で茹で上げるとα化が不十分となり、それこそ蓮爾のような芯の残るハードなボキボキ食感になるので、
最低でも8分、しっかり茹でたい場合は10分くらいかけてもよいかもしれません。
 
トッピングはInスープで、甘くてプルプルの大粒豚背脂のほか、ブタも国産ブランドのウデ肉を使用。
厚めで断面積も広く、適度な弾力があり、重量約100gと食べ応えも抜群です。
 
神奈川県内で店舗展開している資本系の二郎インスパイアで、私は実店舗未訪だったため今回初めて頂きましたが、聞いていた情報以上にインパクトがあって楽しめました。
他のメニューも気になるので、近々実店舗にも伺ってみようと思います。

6

2024年12月03日

スープはまろやかな乳化豚骨を土台に、直火焼きのスモーキーな秋刀魚が丸ごと凝縮した濃厚白湯。
秋刀魚の長所と麺を引き立てる強めの塩味&穏やかな甘味のバランス感が見事で、
秋刀魚の味と旨味と芳ばしい風味がこれでもかと詰まっており、
臭みは一切なく、苦味にならないギリギリのところを攻めたビターな味わい。
 
麺は長尺の多加水角刃細ストレート。
小麦の優しい甘味、しなやかなアシの長さ、プリコリのしっかりとした弾力、瑞々しい麺肌と、
味、食感、喉越しの全てにおいて優れた、秋刀魚との相性抜群な逸品。
細ストレート麺なのでスープもごっそりと持ち上げてくれます。
 
昆布水も節と昆布の旨味が飽和状態となりつつも雑味は出ておらず、非常に上品にまとまっており、昆布水と麺だけでも美味しく頂けます。
更に昆布水を纏わせた麺をスープに絡めるとビターな風味と塩味がマイルドになりつつアミノ酸同士が相乗効果を引き起こし、旨味が爆発します。
スープが既に尋常じゃない上にこのレベルの昆布水まで合わせるのはもう完全にオーバーキルです(笑)
 
付属トッピングはInスープで、軟らかく煮られた豚肩ロースと豚バラのチャーシュースライスが1枚ずつ。
唯一ケチが付くとすればInスープにしてしまったところですかね。チャーシューは出来れば別パックにして欲しかった。
 
秋刀魚は鮮度や調理法の良し悪しが分かりやすいデリケートな食材ですが、
その中で冷凍ながらこれだけ食材の長所を活かしたスープを作られたとなると、もう恐れ入りましたとしか言いようがございません。
1食で税込2,700円プラス送料は流石に高いかなと思っていましたが、このクオリティであればシーズン中は何度でも頂きたいくらいですね。
 
とりあえず、個人的には今年度購入した冷凍通販つけ麺の中でNo.1の傑作でした。

10

2024年11月27日

スープはトロトロに乳化した泡系鶏白湯で、実店舗ではブレンダーで泡立ててから提供されます。
コラーゲンの溶け出した滑らかなタイプで、泡立てないともったりとした重みがありますが、
泡立てる事によりまろやかでふんわり軽やかな口当たりに仕上がります。
塩分濃度は約1.9%とつけ麺としてはやや低めですが、泡状にする事で麺にしっかりと絡み、程良い塩梅に感じられるようになっています。
画像3枚目は泡立て前と後の比較ですが、泡立て後のほうが色合いが白っぽく、味わいも口当たりにも明確な違いが生まれます。
 
麺はスクエア型の多加水角刃太ストレート。
麺肌は瑞々しくモチムチの強いコシが特徴的ですが、なにより噛んだ瞬間に舌に広がる小麦の甘味が素晴らしく、
鶏白湯の旨味と相まって噛めば噛むほどにスープとの融和性を感じ取れます。
 
付属トッピングはInスープで、細切りのメンマと、
チャーシューは説明書きだとトロトロのコロコロチャーシューとありますが、
今回のロットでは小さめの薄スライス状が1枚となっていました。
また湯煎の過程でトロトロにはならず逆にやや硬くなりますが、前日から冷蔵解凍し、
湯煎前にサルベージすれば、ホロホロのやや軟らかい状態で頂く事ができます。
出来ればチャーシューはスープと別にパックしてもらえると嬉しいですね。
 
店主は本庄常勝軒、大勝軒赤ふじ、心の味製麺と勤務されたこうじグループ出身で、味にもこうじ系のエッセンスがちらほらと垣間見えます。

5

2024年11月27日

スープは豚骨、鶏ガラ、モミジといった動物系をベースに、京都白味噌、信州淡色味噌などの芳醇な味噌ダレを合わせた濃厚味噌白湯。
ドロつきのあるクリーミーなスープで、塩分濃度は約2.1%とやや高く、最初は塩味が感じられますが、
後から無化調ならではのナチュラルな旨味がブワ〜っと広がってきます。
煮干粉も別パックで付いていますが、スープのゼラチン質が強く濃厚なため、魚介に支配される事なく、程良い出汁感として機能します。
また同じく別パックの海老オイルは海老殻を焼いた風味が芳ばしく、スープを更に香り豊かに仕立ててくれます。
 
麺は自家製のスクエア型角刃太縮れ麺。エッジに円みのある縮れ麺なのでスープを持ち上げ過ぎず、
全粒粉入りのムチグチ食感が濃厚スープに負ける事なく、抜群の相性の良さをみせています。
 
付属トッピングは豚バラチャーシューの縦スライスが1枚。
箸で簡単に切れるほどに軟らかく煮込まれたトロトロの厚切りで、シンプルな味付けがまろやかなスープとマッチしています。
 
ちなみに説明書きや店主おすすめにあるタバスコチポートレイ(チポトレサルサ)は付いていないので、気になる方は事前にご用意を。
 
口当たりはこってりなのに後味はあっさり。
〆のライス投入まで余すことなく楽しめる一杯になっていると思います。

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