2025年11月18日
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全654件のレビュー中 1-25件目
2025年11月18日
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2025年11月18日
スープは牡蠣塩ラーメンの牡蠣清湯と加水率やや低めの角刃ストレート中細麺がベースとなっていますが、
本品はそこにバリエーション豊かなトッピング類が加えられた形となっています。
牡蠣アヒージョ、バラ海苔、豚肩ロースの大判レアチャーシュー、胡麻油香るメンマ、ぶどう山椒パウダーは牡蠣塩と同様ですが、
こちらは海老バター、柚子ペースト、五色あられの新たな3品が良い仕事をしており、
五色あられはプチプチの食感と鮮やかな色合いを、
小海老ペーストを使った海老バターは小海老のシャリシャリとした舌触りと香ばしい風味とバターのコクを、
柚子ペーストは塩不使用による素材そのもののフルーティな香りと仄かな苦味のみをスープに与え、
それぞれが牡蠣の風味を壊さず新しい融合と変化を生み出し、すっきりフレッシュな味わいに昇華させてくれます。
ただ山椒と海老と柚子はスープを大きく変えてしまい、一度加えると元に戻せなくなる為、山椒は麺に直接かけるようにし、
海老バターは別皿に移してスープで溶いてつけ麺風に、柚子は別添のもなか容器にセットしてスープに浮かべ、少しずつ溶かして味変に使用しました。
とにかく海老と柚子の味変が素晴らしく、どちらも牡蠣と非常に良く合います。
その分スープがもっと欲しくなりましたね、後半は割合的にトッピング数に比べてスープ量が足りなく感じました。
といっても原価的にこれ以上の増量は厳しいところでしょう笑
本品は宅麺CK製ですが、味は文句無し。忖度なしでお勧め出来る完成度だと思います。
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2025年11月18日
スープは龍介の鶏ベースにクラムチャウダーを合わせたミルキーな鶏貝白湯。
貝出汁はケミカルで、シジミ特有のごく微少な苦味成分も薄っすら感じられますが、
その分味覚に直接訴えかけてくる力強さがあり、塩味、甘味、旨味のバランスが良く、まろやかで優しい味わいとなっています。
麺は自家製の平打中細ストレート。スープに合った小麦粉の甘味とプリモチの食感で、
硬めに茹でると麺のハリと歯切れの良さがスープとのコントラストを生み、軟らかめに茹でるとスープの柔らかさとの一体感が生まれます。
其々に其々の良さがあるので、自分の好みに合わせて茹で時間を調節すると良いと思います。
付属トッピングはしっとり淡口な鶏むねレアチャーシュー2枚とカリカリ食感のベーコンビッツ。
お勧めトッピングのジャガイモ、人参、玉葱はスープに野菜のホクホクとした甘味を、クルトンはザクザクとしたアクセントを、生クリームとチーズはクリーミーなコクを与えてくれます。
黒胡椒も味を引き締めてくれますが、クラムチャウダーの隠し味としてはオイスターソースのチョイ足しがコク出しとして定番です。
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2025年11月18日
スープはゲンコツ、節、羅臼昆布などを段階別に炊いた深みのある動物魚介清湯に、江戸味噌などの赤味噌を中心に複数ブレンドした味噌ダレを使用。
塩分濃度は約2.3%と高く、そのままの素の状態だと赤味噌の塩味のキレが際立ってややシャープに感じてしまいますが、もやしを炒めてスープで煮る事により、
炒め野菜の香ばしさと甘味が溶け出して味噌の風味とコクがグッと引き立ち、塩味の角が取れてこのラーメン本来のまろやかで優しい味わいに仕上がります。
また付属の牛蒡油は説明書きにもある通り、先に丼に落としておいてからスープを注ぐ事で、
油がスープ全体に回り、牛蒡の香りがフワっと立ち上ります。
無化調のため、一般的な味噌ラーメンからイメージするような分かりやすく力強い旨味というものはありませんが、
その代わりに味噌、ガラ、乾物など各々の食材から抽出したアミノ酸と核酸の組み合わせによる、
ナチュラルな深い旨味と仄かにフルーティな甘味が、塩味の奥からじんわりと舌に伝わってきます。
札幌味噌のような「濃厚」で「パンチ」のあるタイプとは異なる、雑味のない「深み」と、芳醇な「風味」が感じられる、繊細で心落ち着く和の味となっています。
麺は自家製の多加水極太平打麺。手もみによるスープの持ち上げが良く、国産小麦ブレンドの甘味と香りが抜群で、
麺肌は瑞々しく滑らかツルツル、表面はふんわり内部はモチシコの2層構造のコシ、噛む場所によって厚みの異なる飽きない食感の変化、平打のピロピロとした官能的な啜り心地など、
麺の魅力と楽しさが散りばめられたような目を瞠る逸品です。
付属トッピングは豚肩ロースチャーシューの厚スライスが2枚。
スモーキーに吊るし焼きした焼豚タイプで、余計な水分を落とす事により肉の旨味が凝縮した、ムッチリ弾力のある格別の一品。
牛蒡チップはカリカリとした食感がアクセントとなっており、ブリッブリの豚粗挽肉はスープと一緒にパックされています。
なお唐辛子と山椒が味変として非常に良く合います。
鶉は味噌専門店の中でも特に好きなお店で、スープ、麺、トッピングの全てにおいて一切妥協しない細部への拘りや、比類なき個性の創出など、リスペクトする部分は数多くありますが、
その中でも何より麺が大好物で、最近の宅麺リリースの中では個人的に一番嬉しかった商品かもしれません笑
とにかく非常にデリケートな麺なので、お湯は2リットル以上たっぷりと沸かし、茹で始めたらいきなり解そうとはせず、
最初の2分位は完全放置、2分を過ぎたあたりで初めて軽く解すようにし、後は対流で勝手に泳がせ、指定時間通りしっかりと茹でましょう。
箸で弄れば弄るだけ麺を傷付け味も食感も劣化するので、麺にはなるべく干渉せず、
自由放任に育てる事が麺本来のポテンシャルを損ねずに茹であげるコツです。
またスープもそのまま丼にあけても実店舗の味は再現出来ないので、必ずもやしやニラなどの野菜を強火でしっかり香ばしく炒めてからスープでひと煮立ちさせ、
それから牛蒡油入りの丼に注いで、麺と野菜とトッピングを盛り付けて仕上げましょう。
そうする事でお店で提供される実物の味に近い、味噌と牛蒡と野菜の香りが立ち上る、最後まで熱々の本物の一杯に近付ける事が出来ます。
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2025年11月11日
スープはコラーゲンの溶け出したややクリーミーでまったりまろやかな口当たり。鶏油も香り良く、塩分濃度は約2.4%と家系然とした醤油のキレもありつつコク深い味わいで、
豚骨が濃厚に出てはいますが、店主出自の武道家本店のようなザラっとした重厚な豚骨濃度とはやや異なり、後味はクセがなく比較的あっさりとしています。
麺は酒井製麺のB麺で、約17センチの短尺ワイド型逆切り角刃中太ストレート。
麺の硬さはお好みで良いと思いますが、酒井の家系麺はヤワメ茹でが活きるモチムチの食感なので、ヤワメの美味しさが分かるようになると家系の境地に辿り着けると思います。
付属トッピングは大判板海苔が5枚とチャーシューが2枚。
チャーシューは直系の吊るし焼きタイプではなく、六角家系の面影を残した煮豚タイプの豚モモスライスで、あっさりとした塩味としっとりムッチリの食感。
湯煎すると繊維質が縮まりギシギシに硬くなるので、解凍は冷蔵、常温、流水のいずれかで行った方がよいです。
また青菜は付かないので、各自で事前に用意しておきましょう。
武道家本店とはやや異なる個性を感じさせつつ、ライスとの相性も抜群で、米行く前提の塩味となっていますので、米は食べられるだけ用意しておきましょう。
パンチがありつつ豚骨臭のない食べやすさもあり、幅広い層に受け入れられるであろう納得感のある家系だと思います。店内の雰囲気も良く、私も大好きなお店です。
なお酒井製麺の家系麺は冷凍だと麺同士がくっついている事が多いため、麺は前日晩からの冷蔵解凍をお勧めします。(冷凍生麺の冷蔵解凍は結露や乾燥による品質劣化を招きやすいので本来はNGです)
解凍出来たら麺同士を優しく剥がすように解し、乾燥しないよう手早くばらけさせ、解したら放置せずすぐに茹でましょう。
茹で始めたらなるべく触れず、対流で自由に泳がせてあげて下さい。茹でながら箸で解そうとすると、麺肌が傷付き、千切れたり、食感が悪化したり、伸びやすくもなるので絶対にやめましょう。
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2025年11月11日
スープは家系を意識した豚骨醤油ですが、家系の特徴的な醤油のキレは弱く、旨味とコク、野菜の甘味と香りが味のベースを担っています。
塩分濃度は約2.2%と家系基準では多少控え目で、鶏油も比較的少なく、動物臭もないライトなガラ濃度で、万人に食べやすい仕様にしているようです。
舌触りはかなりまろやかで、デンプン由来のとろみを感じますが、個人的にはこのとろみにより化調の強い旨味が舌に残ってしまう点が気になりました。
麺はワイド型のザラモチ中太緩ウェーブ。
酒井っぽさを感じる太さと17cmの短尺で、平打ではなく家系スタイルの逆切りとなっており、
失礼ながら当初抱いていたイメージと違い、ちゃんとした家系麺が使われています。
付属トッピングはトロットロにとろける軟らかい厚切りバラロールチャーシューが1枚。家系感はないものの、こちらも万人受けを狙った人気のタイプとなっています。
なお海苔と青菜は付かないので各自で事前に用意しましょう。
また行者にんにく漬けも1瓶付いてきますが、味付けは醤油よりも化調と添加物がベースで、ケミカルな旨味甘味酸味となっています。
食感は良いですが風味は抜けており、正直高い品質は望めませんが、ラーメンのトッピング以外にもそのまま肴にしたり、ご飯やお粥のお供にしたり、
炒飯やおにぎりの具材にしたり、冷奴や豚しゃぶや蒸したじゃがいもに乗せたり、ナムルや納豆に混ぜたりと色々なアレンジが可能です。
ラーメンは資本系の家系インスパイアですが、直系、クラシック系、武蔵家系といった正規の家系のトレースはしておらず、
また亜流の商店系や現在の壱系など、同じセントラルキッチンスタイルの工場スープの中でも一味違った個性を見せる事により、
他の資本系とは味の面でもターゲットの面でも差別化が図られているように感じます。
何より麺がしっかりと家系しているので、私のような年季の入ったゴリゴリのハウザーでも意外と楽しめましたが、
海苔と青菜が付かない上に送料込みで一杯4,500円弱というハワイ価格なので、コスパは低く感じてしまう方もいるかもしれません。ただ、そのインパクトも含めたマーケティングの一環なのでしょうね。
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2025年11月05日
スープは鶏豚魚介の無化調淡麗醤油清湯。ブランド鶏の丸鶏を使ったどっしりと厚みのあるベースに枯節と冬菇が芳ばしく香り、
塩分濃度は約2.3%と家系ラーメン並の強い塩味ながら、鶏油のふくよかな旨味、じんわりと広がる醤油のコクとキレが素材の長所を引き立たせています。
麺は自家製で、長めにカットされた角刃細ストレート。
強いコシと密度の高い骨のある弾力で、しなやかで滑らか且つコリコリとした歯切れの良さに、スープの塩味との対比効果で噛めば噛むほどに小麦の甘味が口内に溢れ出ます。
付属トッピングはチャーシュー2種で、脂身までトロットロに軟らかく煮込まれた豚バラスライス1枚と、芳ばしく吊るし焼きされたモッチモチの豚モモスライス1枚。
湯煎で解凍すると肉質が変化し油分や旨味が溶け出して風味が落ちますが、流水か冷蔵庫で解凍するとフレッシュな状態で戻す事が出来ます。
店主は麺の坊砦のご出身ですが、ラーメン自体は博多豚骨とは異なる神奈川淡麗系で、その中でもスープのキレ、麺のコシ、節の主張など、繊細な味わいの中にも傑出した力強さが感じられる一杯となっています。
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2025年11月05日
タレはシャバシャバの非乳化で、液状油が半分近くを占めています。
醤油ベースのコクうまタイプですが、塩分濃度が極めて高いため、ヤサイと生卵を乗せないと塩味がキツ過ぎて味のバランスが崩れます。
麺は自家製の低加水平打太麺。粉の詰まったパツンと歯切れの良い食感で、ラーメンよりも麺帯がやや薄く、表面にザラつきもあり、タレとより一層絡みやすくなっています。
茹で時間が短いと芯の残るボキボキタイプ、長いとモッチリとしたコシのあるタイプとなりますが、汁なしは長めに茹でたほうがタレと良く絡みます。
しっかり茹でてしっかり混ぜてしっかり乳化させる事が美味しく仕上げるコツで、タレを乳化させる事で麺と絡み、塩味の角が取れてまろやかな味わいとなります。
付属トッピングはブタ、味付背脂、鰹節、フライドオニオンの4種。
鰹節とフライドオニオンは一袋に混ぜて入れられている為、どちらか一方は入れたくないという人には不便かもしれません。
ブタはしっかりと巻かれたモッチリ弾力のある豚バラロールが1枚。Inスープのためタレを吸い込んでおり塩味がかなり強いです。
他の商品もですが、油そばや汁なし系のチャーシューはスープに入れず別パックにして欲しいですね。実店舗はこんなに塩辛くないのに、と毎回思ってしまいます。
なのでヤサイと全卵/卵黄は最低追加したほうがよいです。
ヤサイと生卵を加える事で塩味バランスが取れる構成となっていますが、一掴み程度の少ない野菜量では跳ね返すレベルの高塩分なので、
念の為茹でモヤシは1袋分、刻みネギもやや多めに用意しておいたほうがよいかもです。
ちなみに汁無しの作り方のコツとして、麺とタレだけを先に混ぜ合わせてからトッピングを乗せて、再度混ぜるようにすると、味にムラなく上手に仕上げる事が出来ます。
またタレはシャバい分どれだけよく混ぜても乳化しきれずに多少は液状で残ると思いますので、沢山食べられる自信のある方は追い飯と海苔も用意しておきましょう。
残ったタレにライスを投入して海苔で巻いて食べる、これこそが汁無しにおける背徳の〆の醍醐味です。
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2025年10月22日
タレは一般的なカレー粉を使用した感じのオーソドックスなカレー味。ピリ辛でややスパイシーですが、醤油返しも使った日本人が食べ慣れた安心感のある味付けで、旨味もしっかりと効いています。
麺は自家製で、富士丸の昔ながらの縦厚極太平打ウェーブ。
オーションを使った低加水の深掘り状なので、カレーのような粘度のあるタイプとは特に良く絡みます。
太さは「二郎系インスパイアの中では細めに製麺」とありますが、敢えて細めに製麺しているというより、昔の吉田マスターの麺と同じ太さのオールドスタイルで製麺している、というのが正しい解釈です。
付属トッピングはスパイスを効かせた揚げエシャロットと刻みニンニク。ブタも富士丸スタイルのウデ肉を使ったフワモチ食感な特大サイズで、味付アブラも一緒にパックされています。
店主おすすめトッピングは卵黄、ヤサイ、ネギ、チーズなどですが、タレ自体の塩味、甘味、旨味の塩梅が秀逸で、麺とタレのみでも濃過ぎず薄過ぎずの絶妙なバランスとなっている為、
ラーメンと違い追加は有っても無くてもお好みで。何なら初期装備のプレーンなデフォ状態でも美味しく頂けると思います。
特にカレーのスパイシーな香りと背脂のパンチをストレートに味わいたい場合は、卵、もやし、ネギなど風味に干渉する食材は逆に不要かもしれません。
またカレー混ぜそばと言う事で、一応追い飯も用意しておくとよいと思います。
パンもよく合いますね。丼に残ったカレーをパンに付けて頂くと、残さず美味しく食べられる上に洗い物もラクになります。
奇を衒った感のない、これぞカレーといったような正統派の王道カレー味ですね。
何よりマルキの麺自体が抜群に美味しいので、カレーがスタンダードでも麺と組み合わせる事でワンランクツーランク上の味にアップグレードするように感じます。
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2025年10月01日
こちらはマネーの虎にもご出演されていた「あってりめんこうじ」の店主、小路五郎さんのご子息のお店で、「あってり」というワードでピンとくる方もいるんじゃないかなと思います。
ただ本品はあってり麺とは別物で、タレはブレンド醤油がベースですが、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸などの旨味成分を食材と調味料から組み合わせる事により、無化調ながらも強烈な旨味の爆発が起こっています。
非常にコク深く濃厚で、また塩分濃度もかなり高く、油分も多い為、無化調とは思えないジャンク感を生み出しています。
またニンニクと生姜も効かされているので、タレ単体でみると生姜焼きのような味がイメージとして浮かぶかもしれません。
麺は平打の太麺で、茹で時間は2〜5分と幅広く指定されていますが、2分だとグッチリと粉の詰まった食感となり、5分に近いほどモチモチとした弾力と強いコシが生まれます。
MAX5分茹でても十分な硬さに仕上がるので、ヤワめがお好きな方はもう少し長めに茹でても良いかもしれません。汁無しや油そばの麺は軟らかく茹でたほうがタレとの絡みが向上します。
そしてタレが白っぽくトロトロに乳化するまで最低100回以上はしっかり混ぜ合わせる事で、タレがソース状に変化して麺とガッツリ絡み合い、油そば本来の真の美味しさが生まれます。
付属トッピングは説明書きにある通り、チャーシューブロックと鶏コンフィと牛スジのミックスとなっていますが、
タレの中に沈めて一緒にパックしてしまった為にタレの強い塩味までもが染み込んでおり、各々の具材本来の味が分かりづらくなってしまっています。
また全体的にも塩味が強くオイリーなので、美味しく頂く為にも必須とされている追加トッピングは不可欠です。
卵黄は味をまろやかに、ヤサイは塩味を中和し、チーズはコクを、ニンニクはパンチを、鰹粉は旨味の相乗効果を、揚げネギは食感の変化を生み出す役割を果たしてくれます。
トッピングを加える前の麺とタレと肉を混ぜただけの状態でまずは味見したところ、トッピングを加えた後に比べて塩味は尖り、
油分も重く、本来の美味しさとは程遠いアンバランスな味だったので、必須トッピング(特に卵黄とヤサイは必要最低限)の乗せ忘れには十分ご注意下さい。
ヤサイは店主アドバイスの通り、茹でるのではなく、しっかりと炒めて香ばしさを十分に引き出しましょう。味が濃い為、モヤシは100g(半袋)、キャベツは30gほどあっても良いかもしれません。
ニンニク醤油に関しては、一般家庭だと再仕込み醤油はないかもしれませんが、濃口醤油で代用する場合は、
醤油大さじ1に煮切った本味醂を小さじ1/4ほど加え、そこに刻んだ生ニンニク3〜4粒分和え、密封して冷蔵庫で2〜3日漬け込むとそれなりに仕上がります。
ただし生のニンニクを漬けるので常温保存は厳禁、必ず冷蔵庫で寝かせて下さい。
様々な食材との親和性が思った以上に高く、色々なトッピングを乗せれば乗せるだけ美味しくなる汁無し麺となっていますので、お値段分は楽しめるよう必須の具材はしっかりと準備しておきましょう。
というかせめて鰹粉と粉チーズと揚げネギくらいは付属してくれても良かったんじゃないかなと思います。
また店主アドバイスのタレを使った炒飯は私からもお勧めします。
炒め油もタレのオイルを使い、肉も具材として加えると、香り立つ絶品の肉炒飯が出来上がります。
炒飯にせずとも残ったタレに追い飯も最高なので、ライスはスタンバイしておきましょう。
ただ具材のInスープだけはやはり残念で、折角の食材への拘りもタレの塩辛さのせいで、台無しとまではいかずとも伝わりづらくなってしまった印象です。
油そば系のタレは塩分濃度が桁違いなので、チャーシューなどの具材はラーメンのようにスープと一緒にせず、個別にパックしてもらうよう店側に協力を仰いだほうがよいと思います。
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2025年10月01日
タレはちばからの乳化スープをベースに魚介とちばから醤油を強めに加えたまろやかな甘旨味。メニュー名は油そばですが、スタイルとしては汁なしです。
魚粉はタレに予め加えられているので量の調節は利きませんが、そこまで強い主張はなく、動物系とのバランスが均等に取れています。
麺は自家製の平打縮れ太麺で、ツルモチの弾力とコシの強さにちばからの独自色が感じられます。ただ本品は油そばなので、タレとの絡みを良くする為にも麺は軟らか目に茹でたほうがよいです。
歩留まりが高く表面も溶けやすいので、タレも比較的乳化しやすいと思います。サボらず怠らず、心を込めてしっかりと混ぜ合わせましょう。
付属トッピングはInスープで、材木カットのバラ肉ブタが1枚分。実店舗製なのでふっくら軟らかく仕上がっていますが、タレを吸っているせいで味はかなり濃い目となっています。
油そば系の具材はタレの中に入れず、タレと分ける形で個別にパックして欲しいですね。
また店主アドバイスにもある通り、味が濃いのでヤサイトッピングは必須です。温玉乗せや生卵ディップも定番の食べ方としてお勧めです。
こちらは以前にも販売されていた同商品から肉カス脂と辛味を抜いたバージョンとなっています。ボリュームは相変わらず半端ないので、2人でシェアするとコスパも高くなると思います。
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2025年09月24日
スープは白味噌や淡色味噌などを中心にブレンドされた、合わせ味噌ダレのコクまろ味。
じゃぐらの特徴である濃厚な豚骨感は無く、塩分濃度は約2.0%とやや高めながら、麹の甘味も主張する、マイルドで優しいあっさりあまうまな味わい。
トロトロの豚背脂がたっぷりと浮かんでいるものの、生姜も予めほんのりと効かされているため、油分のクドさは感じず、コッテリとしつつも後味は比較的スッキリとしています。
麺は三河屋製麺の角刃中太緩ウェーブ。リボフラビンにより黄色味を帯びていますが、純すみ系のような札幌味噌の麺とはタイプが異なり、
平均的な長さのカットとムチコリな弾力、ザクパツの歯切れの良さと噛むほどにスープと融和する小麦の甘味が特徴として表れています。
付属トッピングはソフトな味付けで軟らかく煮込まれた豚バラ薄スライス煮と生姜バター。
生姜バターはその名の通り生姜のキレとバターのコクが加わる味変トッピングですが、こちらは別パックなので、生姜が苦手であればトッピングから避けたり使う量を調節する事も可能です。
またナルト巻きとコーンもスープ内に沈んでいます。
味噌、背脂、豚肉、生姜、バター、コーンという、食べる前から美味しい味噌ラーメンである事が分かるような魅惑のラインナップですが、
ここにネギ、海苔、味玉、野菜、唐辛子、豆板醤、ニンニク、追いバター、カレー粉などのお好きな具材や調味料を足すと更に沼ります。ライスとの相性も申し分ありません。
生姜の作用で身体がポカポカと温まる、寒くなればなるほど恋しくなるような、老若男女に広く愛されるであろうキャッチーな味噌ラーメンですね。
また豚骨が苦手な方、純すみ系のようなパンチのあるタイプ以外を求める方にもお勧め出来る一杯なんじゃないかなと思います。
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2025年09月17日
スープはコラーゲンもたっぷり溶け出したドロつきのある濃厚トンギョで、タイプ的にはこうじ系や六厘舎系に似たものがあります。
甘味旨味酸味は適度に効かされており、辛味は辛辛魚ほど強烈ではないにせよヒリヒリとした刺激が舌に残るので、辛いものが全くダメという方は念の為注意です。
麺は三河屋製麺の多加水角刃太ウェーブ。
瑞々しく艷やかで喉越し良く、グルテンの多いツルムチの強いコシが特徴的。
付属トッピングはInスープで、香ばしく焼き、軟らかく煮込まれたブリブリ弾力の豚バラチャーシューブロックが3ヶと、材木メンマが2本。
また別パックで魚介風味の香味油と魚粉が付いてきますので、加える量はお好みで。
甘味酸味からはクラシカルなエモさを漂わせつつ、店主は津田沼必勝軒〜中本の出身という事もあり、各々のエッセンスも感じられる味わいとなっています。
辛辛魚で全国的にも有名になりましたが、それもこの骨太なフィジカルの強さとベースの完成度があるからこそ成立する味なのだというのが理解出来る一品だと思います。
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2025年09月17日
スープは鶏白湯と魚介のWスープで、塩分濃度は約1.7%と濃過ぎず薄過ぎずの程良い塩梅。
鶏と魚介がバランス良く噛み合った臭みのないクリーミーな飲み口で、
しっかり乳化しつつも油分は抑えられており、ややさらりとしたあっさりまろやかな中濃タイプです。
麺は自社製のスクエア型角刃中太ストレート。立体感のある太めの正方形で、やや短めにカットされているのが特徴的。
茹で時間2〜3分とありますが、この太さと加水率では2分だと若干芯が残り食感がボソつきます。
3分でもグルテンの変性がやや不十分な感じで、4分を過ぎたあたりから強いコシが生まれ始め、5分弱くらい茹でると麺自体が持つ甘味と中力粉のモチモチとした弾力が活きるようになりますので、
熱湯は最低でも2リットル以上たっぷりと用意し、茹で加減は分単位で確認しつつ好みの硬さであげるようにするとよいです。
付属トッピングはInスープで、厚めの豚バラロールスライス、鶏ムネチャーシュー、極太メンマの3品。鶏チャはInスープのため湯煎すると火が通り、硬くなってしまうのが残念。
バラロールは実店舗のように表面を炙ると香ばしくなり、甘い脂もとろけて美味しさが倍増します。
鶏白湯魚介といってもパンチや濃度を求めるタイプではなく、味わいはあっさり柔らかで、口当たりや風味、旨味をじっくりと堪能するような一杯となっています。
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2025年09月10日
スープは鶏ガラを中心に魚介のアシストを加えた無化調醤油清湯。塩分濃度は約2.3%と濃口醤油による塩味が強く、その塩味と釣り合わせるように甘味も強調されているので、味は全体的に濃いめとなっています。
あっさりとしていますがコクもあるあまうま味で、良質なA脂を使った甘味ある大粒豚背脂もたっぷりと浮かべられており、一種のトッピング具材として成立しています。
麺は自家製の多加水幅広麺。日陰のプロデュース店という事で、小麦の甘味や、もち姫を使った滑らかで官能的な舌触りとモチムチのふんわり軟らかな食感は、まさに日陰譲りといったところ。
博多うどんにインスピレーションを受けて作られた麺、というのが本質としてありますが、かんすいを使っているので当然うどんやきしめんとは異なる中華麺ならではのコシがあり、
また麺と未来よりもやはり日陰のほうがタイプ的に近く、筑後うどんのような粘りゴシも持ち合わせています。
麺と背脂の舌触りが同調しているのも面白いところですね。
なお麺には打ち粉がしっかりと使われており、茹でている間に勝手に解れてくれるため、箸などで解す必要はありません。
冷凍状態のまま2リットル以上の熱湯に入れてから1:30くらいは一切触れずに完全放置、麺が浮いてきたら軽く沈めて後は時間まで放置くらいのイメージで上手に茹でられます。
逆に麺に触れすぎると短く切れてしまったり、麺肌が傷付いて味も食感も劣化するので、下手なちょっかいは出さず、成長するまで優しく見守ってあげましょう。
カタメ茹でも厳禁です。もちふわ食感を愉しむ麺なので、2リットル以上の熱湯で指定時間を必ず守って茹でるのが最重要ポイントです。
付属トッピングは香ばしく焼かれた厚切りの豚バラチャーシュースライスが2枚。Inスープの影響か塩辛さを感じますが、脂身はトロトロに軟らかく煮込まれています。
また玉葱を乗せると燕背脂系、ネギとニンニクで環七系とありますが、そもそもスープ自体に燕背脂系の煮干感も環七系の豚骨感もないので、味的にはどちらにもならないというのが率直な感想ですが、雰囲気は近付けられると思います。
玉葱に関しては、どちらかというと燕系より竹岡式のほうがイメージ近いですかね。味が濃いので、玉葱は大玉なら1/4玉、小玉なら半玉くらいタップリ乗せても大丈夫だと思います。長ネギ&ニンニクも美味しいですが、個人の好み的には玉葱のほうが相性良く感じました。
あとブラックペッパーも抜群に合います。富山ブラックのようにたっぷりぶっかけてライスのおかずにするのもアリです。
味が濃いので溶き卵に絡めるスキヤキ風もお勧めです。
とにかく麺が個性的ですが、麺と未来、日陰、陰日向が好きな方、福岡のうどんが好きな方など、ヤワ麺の美味しさを理解出来ている方なら好みに合うと思います。
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2025年09月10日
スープは蝦夷鹿特有の白濁感と甘みが感じられますが、出汁自体は幾つかの動物類と香味野菜など諸々の要素で構成された、複合的なボーンブロスとなっています。
ゼラチン質によるまろやかな口当たりと適度なコクもあり、塩分濃度は約2.2%とカエシの醤油が強く、あっさりとしつつもフォアグラの脂による深みのある濃厚感がプラスされています。
ちなみにジビエは臭みがあるという先入観をお持ちの方もいますが、それは捕獲直後の処理技術や解体設備が整っていなかった時代の話で、
現代は捕獲後処理や施設搬送の速度、また解体及び冷凍の技術が進歩している為、鹿に関しても発情期の雄でなければ獣臭といった類はほぼ感じられないと思います。
そもそも鹿は草食動物なので、肉食動物に比べてクセは弱く、特に骨などのガラ部分であれば、鮮度が良ければ獣臭は家畜と大差ありません。
麺は平打の角刃中太ストレート。
麺帯は薄めですが、フレンチのヌイユを意識したかのような滑らかな舌触りとモッチリとした食感で、スープの吸い上げも良く、風味と旨味を余すことなく運んできます。
付属トッピングは大判の豚肩ロースチャーシューと合鴨胸ローストが1枚ずつ。どちらもカーリーパセリとローストガーリックの効いたブルギニョンソースのようなタレに漬け込まれた、甘みのある濃いめの味付け。
合鴨ローストはねっとりとした食感のブルーレア状なので、生っぽさが苦手な方はスープに沈めて熱を通したほうがよいかもしれません。
鹿骨スープといってもフレンチのブイヨン・ド・シュヴルイユとは異なるラーメン的なアプローチで仕込まれており、
鹿スープの味を知らない方だとこのスープのどこに鹿が存在しているのか自体が分からないかもしれませんが、
一般的には鹿骨出汁は牛骨出汁に似ていると例えられる事もあり、コラーゲンが豊富で甘みも強い反面、淡白であっさりとしています。
なお残ったスープのアレンジ術としては、バゲットを浸す、ライスを加えてリゾット風にする、スパゲティやマカロニを入れてスープパスタにするといった一般的な方法の他、
牛乳とコーンを加え軽く煮てポタージュにする、うどんと温玉、粉チーズ、黒胡椒でカルボナーラ風うどんにする、カレー粉を混ぜてジビエカレーにする、といった方法もお勧めです。
16
2025年09月10日
まず形としてはキーマなのですが、ドライカレータイプとは異なるトロリと汁気を残したタイプで、玉葱や煮込まれたトマトの甘みと優しい酸味がまろやかな味わいを作り上げています。
粗挽きのブリッブリな豚挽肉に加え、シマチョウは食べやすいサイズに揃えられており、ムッチムチの弾力とゼラチン化したコラーゲンのネットリとした舌触り、そして噛めば噛むほどに脂身の甘味がジューシーに溢れ出てきます。
イノシン酸のコク深い旨味も特徴的で、スパイスは素材の味を引き出す穏やかな配合となっており、辛味もマイルドに抑えられています。
ちなみに牛の腸は胃側から順にマルチョウ(小腸)、メンチャン(盲腸)、シマチョウ(大腸)、テッポウ(直腸)とあり、胃に近いほど食感が軟らかく脂も乗り、遠くなるほど弾力が強く脂が少なくなります。
ライスは深い甘味とモチモチの食感が汁気のあるキーマと相性良く、口の中でホロリと解れます。
なお塊状のため湯煎解凍は向かず、レンチンも袋のままだと端部分の加熱が先に進み硬くなる場合があるので、
可能であれば一旦耐熱用タッパーに移してから蓋をしてレンチン、途中で一度解してから再度蓋をしてレンチン、という方法をお勧めします。
こうする事で内部の加熱不足や糊化、過加熱による表面部分及び端部分の水分蒸発を防ぎ、ふっくら瑞々しい状態に仕上げる事が出来ます。
付属スパイスは肉料理と相性の良いナツメグも使われており、香りを足したい方は量を調節して加えると良いです。
チリペッパーやブラックペッパーなどは含まれていないので、辛味が苦手な方でも安心して使えます。
牛もつキーマという事で、内臓系の独特の食感に抵抗のある方だと如何ともし難いですが、臭みなどの類はなく、キーマ自体は非常に穏やかで滋味深い味わいとなっています。
とにかく素材の良さと脂身の豊かな旨味が光っており、挽肉だけでは味わえないジューシーなキーマカレーになっていると思います。私はモツ焼きとモツ煮で延々呑めるクチなので、こちらもドストライクです。
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2025年09月03日
スープはあまうまながら醤油もキレた微乳化タイプで、半分近くを液状油が占めており、アブラが多い分塩味を感じにくくなっていますが、
塩分濃度は約3.8%と海水よりも強い上、Brix値は約15.8%と糖分もかなり高いので、ヤサイがないと相当厳しい戦いになると思います。
麺はうねりの強い低加水角刃極太平打麺。特に細いような印象はありませんでしたが、インスパイア系らしい粉の詰まったグッチリ感とムチムチブリブリの強い弾力が楽しめます。
付属トッピングはInスープで、迫力サイズのウデ肉ブタがゴッツい塊でドーンと1塊+小ブロック数個。
ウデ肉特有のややギュチ食感で、箸でホロリと崩れるヤワブタではなく、豪快かつワイルドにかぶりつく肉感溢れるタイプ。
味付アブラはブタカスも程々に加えられており、ブタとあわせてヤサイがたっぷりと食べられます。
別皿に取って麺をディップする食べ方もありますが、本品はスープ自体の塩度が高く、更に塩と油をブーストするような形になるので、ヤサイのドレッシングとして使うのが無難です。
なお溶いた生卵に麺を絡めて食べるすき焼き風については、強い塩分と油分をまろやかにしてくれる為、逆にお勧めです。
俺道出身という事で、味的にもスタイル的にも富士丸を源流とした荘グループ系のフォーマットとなっています。
麺もブタもアブラもパワフルな上、俺道よりも攻めた濃口なので、食べ応えは申し分ないと思います。
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2025年09月03日
スープは豚骨100%で、メインのスープに新しいスープを継ぎ足し、長い年月をかけて仕込まれた呼び戻し式。
なので熟成した豚骨特有の匂いはありますが、豚頭は使っていないため、ビッグワンや来久軒のような強い匂いはありません。
豚のゲンコツと水だけを羽釜で炊き上げ旨味を抽出し、ラードは使わずガラのみで乳化させる事で、
コラーゲンたっぷりの、濃厚ながらあっさりとした、骨粉の沈むまろやかクリーミーなド乳化純正豚骨スープが作り上げられています。
ちなみに羽釜は釜底がカーブしている分対流が起こりやすく、強火で炊いても鍋底に当たりにくい(焦げ付きにくい)ため、スープが効率的に乳化しやすく、
久留米ラーメンやムテ系のような濃度の高い豚骨スープを仕込むお店では昔から好まれています。
カエシは薄口醤油と塩のみのシンプルな構成で、塩分濃度は約1.9%、糖分濃度は約6.9%と、刺激の少ない優しい味わいのチューニングとなっており、
また香味油も使われていない為、マイルドながら熟成された豚骨の風味と旨味をダイレクトに感じられる味わいとなっています。
湯煎が終わった直後は油分が分離しているので、開封前に最低50回以上はシェイクして、きちんと再乳化させてから丼に注ぎましょう。
麺は円形の丸刃中細ストレート。九州のラーメン=切刃28番手の極細麺という先入観を持たれがちですが、実際は博多や長浜以外の地域では寧ろ中細〜中太のほうが主流で、
本品も切刃24番手程度の中細麺となっており、佐賀ラーメンではもう少し太い中太タイプを使うお店も数多くあります。
また博多や長浜のような低加水でもなく、中加水ながらナトリウム主体のかんすいをボーメ度低めに調節しているような食感で、低加水の極細麺とは一味違ったモチプリコリバツの弾力が生み出されています。
なお佐賀ラーメンは軟らか目なのも特徴的で、いちげん実店舗でも通常はヤワメの茹で加減で提供されます。
カタメ茹では麺の構造的に合わず、独特のコシを引き出せない上にスープとの絡みも悪くなるので、カタメがお好きな方もせめて指定の茹で時間内で調節しましょう。
付属トッピングは豚モモチャーシューの薄スライスが2枚。
昔ながらの煮豚タイプで、薄切りながらも豚モモ肉特有のモチモチとした弾力と旨味が感じられます。
ちなみに佐賀ラーメンは徳島ラーメンと同じく生卵のトッピングが人気で、いちげんでは卵黄が使われていますが、佐賀ラーメンの中にはテルテルのように全卵を選べるお店もあるので、そのあたりはお好みで。
ただ卵白は約9割が水分で出来ており、スープを薄める上に温度もぬるくなり、口当たりも匂いも変えてしまうので注意しましょう。
卵黄もスープにコクを与える反面、最初からスープの中で崩してしまうとスープ全体の味が変わってしまい、
元に戻す事もリカバリーも出来なくなるので、いちげん実店舗ではレンゲの上で卵黄を崩し、麺を絡める様に食べる事をお勧めされています。
また海苔をトッピングする場合は実店舗と同様に口溶けのよい有明産を選ぶとよいです。ラーメンには乗せず別添えにし、食べる際にしっかり浸してスープを吸い込ませ、ライスと一緒に食べると軽く飛びます。
おろしニンニクも佐賀ラーメン定番の味変アイテムです。お腹に余裕のある方はマルタイ棒ラーメンで替え玉を。
但し佐賀ラーメンでは久留米ラーメンと同じ様に中太麺が使われる上、せっかくの濃厚スープも薄めてしまう為、基本的に替え玉は提供されません。
いちげんは袋麺も商品化されており、佐賀ラーメンの中でも全国的にネームバリューのあるお店ですが、
佐賀ラーメン自体が初という方も、とりあえず最初は卵黄を乗せてみて、佐賀ラーメンの人気スタイルを体験する事をお勧めします。
などと言いつつ、私は佐賀ラーメンのお店では常に卵無しで頂いています(笑)。どのお店も基本的には卵有りと無しでメニューが分かれているので、乗せるか否かは好みで良いと思います。
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2025年09月03日
スープはじゃぐら感のある味噌ブレンドで、甘味、旨味、酸味をベースとした、中濃ピリ辛のあっさりまろやかな味わい。
イメージとしては胡麻の香ばしさとブラックペッパーの効いた、ごまだれ味の冷やし中華的なテイストです。
冷やしラーメンなのでスープの湯煎は当然NG。冷蔵庫で一晩解凍するか、若しくは水を張ったボウルにパックを数分浸しておけば、手早く経済的に解凍出来る上、パックを浸しておいたボウルの水はそのまま麺洗い用の冷水としても再利用できます。
麺は多加水の角刃太縮れタイプで、冷水で締める事によりブリッブリのムッチムチな強い弾力を引き出せます。夏場は氷水でしっかりと冷やしましょう。
冷水を張ったボウルの中で麺のヌメリと粗熱を取り、水を2〜3回入れ替えて最後に氷を加えれば無駄なく上手に冷やせる上、水道代の節約にもなります。
付属トッピングはInスープでしっとり軟らかい拍子木切りチャーシューがたっぷり。胡瓜をアッシェしたキュウリソースは爽やか且つクリーミーで、瑞々しいマヨネーズのようなイメージ。こちらもスープパックと一緒に冷水か冷蔵庫で解凍しましょう。
味変にはお酢やカラシといった冷やし中華に使うような調味料が良く合います。刻み海苔、大葉、茗荷、ネギ、カットトマト、錦糸玉子なども相性よいですね。
なおスープが残ったら冷飯を入れて冷や汁風にするのが定番ですが、素麺や流水麺で替え玉というのもお勧めです。
ちなみに実店舗の味に近付けるコツとしては、
・お皿は冷凍庫で冷やしておく
・麺はしっかり茹でた後に氷水で冷たく締める
・コーンは冷凍してからトッピングする
・もやしは茹でた後に冷蔵庫か氷水にさらして冷やす
・仕上げにクラッシュアイスを散りばめる
などが挙げられます。
とにかく食器も食材もキンッキンに冷やすのが美味しく作る重要なポイントです。
14
2025年09月03日
タレは濃口の醤油ベースで、節の風味と昆布の旨味によるあまうまな味わい。刻み昆布は予めタレに加えられた状態で、すり胡麻と黒胡椒も効いており、カメリアラードが香る香味油が強いコクを与えています。
麺は角刃極太ストレート。モチプリの強い弾力で、瑞々しい甘味がタレとの相性の良さを感じさせます。
まぜそばなので、やや長めに茹でてモチモチ感を出し、タレが乳化するまでしっかり混ぜ合わせるのが美味しく作るコツです。
まずはタレと麺のみを色ムラが無くなるまで入念に混ぜ合わせ、トッピングのない状態で数本食べて刻み昆布の旨味をストレートに味わい、
その後にトッピングを乗せて更に混ぜ合わせると、タレを乳化させやすい上に1食で2段階以上の味の変化を楽しむ事が出来ます。
台湾ミンチは粒が細かくしっかり煮込まれたややジューシーな肉味噌タイプ。山椒の爽やかな痺れと香り、ピリリと鋭い唐辛子の辛味が清涼感も演出しています。
その他付属トッピングとして魚粉と刻み海苔も付いてきます。
味変用のマヨネーズ、お酢、唐辛子などはお好みで。
そして麺が終わったら追い飯やスープ割で〆るのが台湾まぜそばの醍醐味です。お店のような割スープを仕込むのは一般家庭では難しいですが、鶏ガラスープの素をお湯で薄く溶いたインスタントスープで代用するという方法もあります。
なお台湾まぜそばという事で、刻みニラの追加トッピングは必須です。タレのみだと味が濃すぎて実物の味を再現出来ないため、卵黄、玉葱、ニンニクといったその他最低限の追トピも調理開始前に準備しておきましょう。
あびすけの台湾まぜそばは魚粉が特に多く、台湾ミンチも個性的な為、はなびやこころなどのベーシックな元祖台湾まぜそばとはタイプがやや異なります。
魚粉はバランスブレイカーな調味料で、何に使っても魚粉の味しかしなくなってしまう為、使う量は好みに応じて調節するとよいです。
また油そば的な要素もあるので、作り手がどれだけ追加トッピングと味変を加えられるかで、美味しさは無限大に広がると思います。
14
2025年08月20日
スープはオマールヘッドをブランデーで焼き上げ、そこに一燈のベースである鶏スープとブーケガルニを合わせ、しっかり濾した後にトマトペーストで整えたビスク・ド・オマール風。
香ばしい海老の風味、鶏とトマトの濃厚でまろやかな口当たりと柔らかい酸味、セロリの爽やかな香りがビスク感のある味わいを作り上げています。
ビスク・ド・オマール風といえば、海老丸さんのラーメンも宅麺からリリースされていますね。
ちなみに「ビスク」とは、現代では「甲殻類を使ったポタージュ」を指すのが一般的で、ビスク自体にスープの意味が含まれているため、「ビスクスープ」というのは二重表現に当たります。
例えるなら「味噌汁スープ」や「お粥ライス」と言うのと同じ事なので、「スープ」は付けずに「ビスク」とだけ呼ぶのが正しい表現です。
麺は多加水のスクエア型角刃太ストレート。粉の詰まった非常にコシの強いガチムチの食感で食べ応えがありますが、量は茹で前で約150gとつけ麺にしては少な目です。
昆布水は綺麗な桜色をしており、海老がほんのり香るまろやかな優しい味わい。一口目はスープに浸さず、まずは麺と昆布水のみで味わってみましょう。
次に付属のバジルソルトを麺にパラっとかけて頂くと、塩との対比効果により麺の甘味がグッと引き立ちます。
ソース・ピストゥにはトマコンも加えられており、麺に絡めるとしっかりとした酸味とニンニクの風味が味にメリハリを与えてくれます。
ちなみに「ピストゥ」とは、端折って説明するとフランスのプロヴァンス地方の言語で、フランス公用語で言う「パテ」、英語で言う「ペースト」を意味します。
つまりバジルペースト(練り物)の事で、これに松の実を加えるとイタリア料理の「ペスト・アッラ・ジェノヴェーゼ」になります。
本来ソース・ピストゥにもペスト・ジェノヴェーゼにもトマトは使わず、バジルはもっと量を使うので、こちらは独自のアレンジが施されたピストゥ風のタレ、という事になります。
フライドオニオンはスープにコクと甘味、ザクザクとした食感を与えてくれますが、〆のリゾットにも使えるので、つけ麺に全部使わずに少々残しておくとよいです。
海老は有頭のバナメイが2尾。ボイル済みで殻も剥かれていますが、有頭は鮮度が落ちやすいので、冷凍でも賞味期限を守ってなる早で頂きましょう。
麺が終わったらライスをレンチンしてスープをかけ、チーズを散らして〆のリゾットが完成です。
チーズは軽く炙ると香ばしさとコクが加わるのでお勧めです。先述のフライドオニオンも好相性なので、こちらにもトッピングしましょう。
ブラックペッパーや付属のバジルソルトも味を引き締めてくれます。
なお一通り味変して麺や昆布水を浸した後のスープは色々な味が混ざり濃度も薄くなっている為、リゾットを濃厚な状態で頂きたい場合、スープは食べる前につけ麺用とリゾット用に予め分けておくとよいです。
ただ昆布水で割った後のスープも旨味甘味がブーストされており、この状態でライスを投入するとリゾットというよりサラサラの雑炊状になりますが、それはそれで文句無しに美味しく仕上がります。
様々な味変が楽しめるテーマパークのようなつけ麺で、一杯としての満足度は非常に高く、これだけの味変アイテム数なので麺が足りなく感じられますが、
各々の味変をじっくり楽しみながら頂くと、〆のリゾットまで含めて最終的には中々のボリューム感になると思います。
19
2025年08月20日
スープのベースは店主出自の蓮爾登戸店に似た、豚の肉から出汁がしっかりと出た甘口の非〜微乳化豚醤油。
そこに小エビを揚げた海老油と揚げ海老が加えられており、食欲をそそるエビの香ばしいフレーバーがスープ全体に馴染んでいます。
ただ塩分濃度は約2.9%と海水に近く、Brix値も約29.8%とフルーツ缶並の糖度な上、スープのほぼ半量を液状油が占めているため、ヤサイは最低限乗せて油分を中和させないと味がよく分からないと思います。
画像の通りスープをレンゲで掬ってもほぼアブラしか流れ込んでこないレベルなので、油量が気になる方はスープを丼に注いだ後に液状油のみ2/3ほど掬い取ってもよいかもしれません。
麺も蓮爾系ならではの自家製低加水角刃平打超極太オーション麺ですが、登戸よりも若干スリムで食感にも多少の違いがあり、芯の残ったボキボキ感はあるものの、麺外周にはモチフワの弾力も感じられます。
蓮爾系のハードな硬さがお好きな方なら4分茹でくらいが推奨出来ますが、現在のゼンゼンにはハリボーという更にカッチカチな極硬仕様もあるようですね。
付属トッピングはしっとりホロホロに煮られたウデ肉のブタが2つ。Inスープのためブタにもエビの風味が移っています。
また揚げエビもゴッソリ大量に沈んでおり、香ばしくザクザクとした食感がアクセントになっているので、サルベージしてヤサイと一緒に頂くとよいです。
「M.O(町田オリジナル)」は、二郎町田店元店主(現・らぁめん大山店主)の影島さんが、自身の出身地の名産である駿河湾の桜海老を二郎のスープに合わせて生み出した伝説のメニューで、本品もそのM.Oをリスペクトしたラーメンとなっていますが、
こちらには桜海老ではなくアキアミなどの小エビが使われており、どちらかというとM.Oというより町田二郎の系譜である蓮爾登戸店のえびラーメンのほうがイメージ的に近い気がしました。
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2025年08月20日
スープは鶏をベースとした無化調動物魚介白湯で、そこに芝麻醤をあわせたまろやかな日式担々タイプ。
町中華のケミカルな濃い旨味と異なるナチュラルな柔らかい旨味が特徴的で、塩分濃度約1.8%の若干高めな塩味、キリッとした酸味、ピリっと仄かな辛味が味わいにスッキリあっさりとしたキレを与えています。
またモミジのコラーゲンもスープ表面に膜が張るほどに溶け出しており、濃厚でネットリとした口当たりが加わっています。
湯煎をかけ過ぎると分離して復元不能となるため、指定時間以上の湯煎は避け、しっかりとシェイクしてから丼に注ぎましょう。
麺は加水率やや低めの角刃細ストレート。日式拉麺と中華白麺をかけ合わせたような自家製麺で、スープの持ち上げが良く、コリパツの歯切れの良さとしなやかなコシを持ち合わせています。
付属トッピングはチャーシュー1枚、炸醤、赤唐辛子、花椒の4種。
チャーシューはやや厚めの豚バラスライスで、箸で持ってもギリギリ崩れないくらいの軟らかさと程良い塩味旨味の味付け。
炸醤は豚の粗挽肉を使ったあまうま味で、炸醤自体にもシビカラの麻辣味が施されており、スープに溶かすとコクがグッと深まります。
花椒は自家挽きのようでやや粗く、痺れの強い熟した赤花椒ではなく、フレッシュで爽やかな香りの青花椒が使われています。
赤花椒ほどの麻味ではないものの、花椒に慣れていない方は少しずつ足して量を調節するとよいです。
赤唐辛子も強い辛味ではないので、激辛好きの方には物足りないかもしれません。
スープ量はたっぷりなので、沢山食べたい方は雑炊用のライスや替え玉も用意しておくとよいです。
無化調の担々麺なのでジャンク趣向にはパンチ不足に感じるかもしれませんが、職人観点だと担々麺を無化調でこれほどのクリアな旨味に仕上げる技術に作り手の労力を感じます笑
17
2025年08月20日
タレはクリアな醤油ベースで、豚背脂や鶏油に生姜の香りを移した香味油のまろやかな味わい。
醤油返しにも香味油にも煮干が効いていますが、ドロドロとした粘度はなくサラサラとしており、煮干をガツンと効かせたタイプではなく、風味と旨味のみを濃密かつ上品に抽出しています。
また苦味やエグみなどもなく、煮干のクセは背脂の旨味甘味が包み込んでいますが、こちらの冷凍版では豚背脂は液状と粒状がタレに予め加えられた味付アブラ状態となっており、オイリーでパンチが強く効いています。
麺は三河屋製麺の角刃太麺。緩く縮れの入ったスクエア型で、粉の詰まったムチグチ食感。タレの吸い上げが良く、手早く混ぜ終えないとムラになるので注意です。
なお本品は油そばなので、タレが乳化し汁気が無くなるまでしっかり入念に混ぜ合わせるのが美味しく頂くコツです。
先に麺とタレだけを混ぜ合わせ、汁気が無くなってから他のトッピングを加えて再度混ぜるようにすると、混ぜムラも出ず効率良く上手に仕上がります。
付属トッピングは煮干粉と、厚めにスライスされた低温調理のレアチャーシューが2枚。
しっとり瑞々しい鶏胸肉と軟らかくも弾力のある豚肩ロースが1 枚ずつで、拍子木切りにすると麺に絡みやすく、卵黄と和える事でユッケのような味わいになります。
なので卵黄は必須で追トピしましょう。刻み玉葱とカイワレも多めに入れるとよりあっさりと頂けます。
追トピ無しだと油分が強く主張し、商品本来のバランス感が崩れてしまうため、最低でも卵黄、玉葱の2つだけは加えたほうがよいです。
その他好みに応じて、お酢、ラー油、ネギ、海苔、胡麻、メンマなど加えて、自分なりの一杯に仕上げるとよいと思います。
こちらは宅麺でも販売されている人気店、つきひ@亀戸のプロデュースした油そばとなっており、つきひらしい煮干の風味と旨味が凝縮した味わいとなっています。
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スープは荘グループ系の富士丸インスパイアですが、コンディションはほぼ非乳化状で、塩分濃度は約4.4%という海水をも遥かに凌ぐ超絶高塩分なのですが、
スープのほぼ半量が液体油で占められているため、この強烈な高塩分さえも味覚に感じにくいというトラップになっています。
味が薄いと感じたら、それは油ばかり口にしている状態なので、麺を入れる前にも後にもスープを丼の底からしっかりと混ぜてから頂いたほうがよいです。
麺は加水率低めのワイド型角刃太ウェーブ。
俺道は久々に頂きましたが、カットが深掘りの逆切りになっており、熟成度含め以前に比べて一昔前の富士丸麺にグッと近付いたイメージ。
付属トッピングはブタ1枚と味付背脂が3種。
ブタは約1cm厚の大判ウデ肉で、噛み応えのあるしっかりとした食感に、二郎インスパの中では比較的やや薄めの味付け。
味付背脂は醤油味、トマト味、カレー味の3タイプ。ブタカスも微量ながら其々に含まれています。
使い方は色々で、ヤサイにかけたり、つけ麺風に別皿にするなど、食べ方はお好みで。
醤油アブラは通常の味付カスアブラで、ブタも一緒に入れられており、スープとは別にパックされています。
トマトアブラは醤油味にトマコンとトマトピュレを加え、トマトの風味と甘味、旨味、仄かな酸味を効かせてあり、3種の中で1番さっぱりとしています。
カレーアブラは醤油味に一般的なカレーパウダーを混ぜた感じの、ごく普通のカレー風味でした。
液体油に固形脂を上乗せしたアブラまみれになるトッピングで、味云々というよりも、とにかくひたすら大量の油と塩分を口にし続ける荒業になると思います。
俺道実店舗製のため、容赦や手加減といった概念が良くも悪くもブっ飛んでいますね笑