「元料理人で現コンサルなラヲタ」全ての宅麺レビュー

全607件のレビュー中 1-25件目


2025年06月11日

本品はよしかわの出汁にど・みその味噌ダレを合わせたコラボ味噌ラーメンという事で、
まずスープのベースはよしかわの限定で出されていた「地蛤と帆立の潮そば」のようなアニマルオフ&貝オンリーの構成で、
ハマグリとアサリとホタテによる甘味&コハク酸の旨味がギュギュッと凝縮した、上品でクリアな和出汁となっています。
 
そこに仙台味噌や信州味噌などの辛口味噌をベースに複数をブレンドしたど・みその味噌ダレを合わせる事で、
グルタミン酸とコハク酸による旨味の多重構造を作り上げています。
 
塩分濃度は約1.9%とやや高めながらも塩味の角がなくまろやかで、優しくあっさりとした飲み口になっていますが、
とにかく旨味がブ厚いためにあっさりながらもフルボディのような強いコクと深みのある味わいに仕上がっています。
 
麺は熟成感のある手打ち式多加水角刃平打縮れ太麺。ど・みそでは浅草開化楼の麺で提供されたようですが、本品で使われているのはよしかわで提供された自家製麺で、
悩ましいムチモチのコシ、ツルピロに滑らかで瑞々しい官能的な舌触り、そして麺自体の旨味が攻撃性のない味噌スープと絶妙にマッチした、非常に秀抜な逸品となっています。この麺ヤバいですね。
 
付属トッピングには殻付き蛤と浅蜊の剥き身があり、ハマグリは大粒でブリッブリな肉厚の紛れもない地蛤。
煮汁と一緒に冷凍されているので、チラシに書かれている調理方法に倣って解凍し、パック内の煮汁から蛤と浅蜊だけを取り出してトッピングしましょう。
煮汁はスープに足すと二枚貝の旨味がグッとアップし、かつ塩味も抑えられるというスープ割り用にも使えるほか、そのまま温めて塩をひとつまみ加え、三つ葉を飾れば潮汁としても美味しく頂けます。
 
またあさり牡蠣バターは牡蠣と浅蜊をアッシェしてあり、スープに溶かすと牡蠣の風味と乳脂肪のコクが加わる味変アイテムとなっています。
 
よしかわは地元にもあるので実店舗でも頂いてきましたが、二枚貝の冷凍による影響と、あさり牡蠣バターの仕様と量には実物との違いをやや感じたものの、麺とスープは実店舗同様に素晴らしく、
個人的には味噌ラーメンの枠としてもラーメン全体の大枠としてもかなりのヒット作で、改めてよしかわは名店だなぁとしみじみ思いました。

9

2025年06月11日

スープは魚介オンリーでアニマルオフの無化調醤油清湯。
節と煮干と濃口醤油の芳ばしさやセロリの清涼感など芳醇な香りが特徴的で、表面には風味豊かな鶏油と豚背脂が適度に浮いています。
 
醤油はすっきりとした適度なキレ感もありつつ深いコクを感じる角のない円みがあるため、塩分濃度は約2.3%と高めながらも、
旨味、甘味、酸味、油分も含め全てがバランス良く組み立てられており、あっさりとしつつどっしりとした厚みも感じられます。
ここに焦がしネギの苦味が加わると、5つの基本味による味の相互作用が見事に生まれます。
 
麺は自家製の中加水スクエア型角刃細ストレート。
麺肌は滑らかで、コシ、ハリ、ノビのある食感に加え、麺自体の旨味やスープの持ち上げも申し分なく、
時間経過とともにスープを吸い上げ、味わいがより深く、ふんわりもっちり優しい弾力へと変化してゆきます。
 
付属トッピングのメンマは風味が素晴らしく、甘味酸味のバランスも絶妙。
食感も万人受けのコリコリ歯応えのあるものとは違い、熟成感ある味わい、風味、舌触りもしっかりと楽しめるミディアム食感な仕上がり。
 
チャーシューは吊るし焼きされた霜降りの内ももスライス焼豚が2枚で、醤油麹の奥行きある甘みとスモーキーな香りが楽しめる逸品。
きめ細かいしっとり柔らかな肉質で、脂身は甘く口内でトロリと溶け、赤身は熟成された濃厚な旨味が存分に詰まっています。
解凍は流水、ぬるま湯、冷蔵が望ましく、熱湯湯煎すると肉汁が抜けて失敗するので注意です。
 
焦がしネギはほんのりビターな苦みと香りがアクセントになりますが、味変として少しずつ加えると、じっくり、より長く味の変化を楽しむ事が出来ます。
 
所謂「神奈川淡麗系」と呼ばれるジャンルで、店主は麺や食堂、麺や維新といった神奈川淡麗系の名店出身という事もあり、ネオクラ系とはタイプの違う淡麗系ならではのクリアな味わいが特長です。
寒川移転で東京からは更に遠くなってしまいますが、寒川は人気店がひしめき合っているので、今から最新の訪問ルートを考えてワクワクしています。
新店舗で更にアップデートされた鴇の宅麺リリースにも期待持てますかね?笑

13

2025年06月11日

スープは画像から分かる通りの微乳化タイプ。乳化好きにも非乳化好きにも合うように調整しているらしく、
まさに非乳化とド乳化の中間点といった具合の綺麗な微乳化で、液状背脂もたっぷりと表面を覆っており、豚肉出汁もしっかりと出ています。
 
キレとまろやかさを併せ持った味わいですが、グルも大量に使われていて、塩分濃度は約3.9%と海水を超える超高度で、糖分濃度も約23.4%と強烈な高さとなっている為、
舌が鈍っていない方ならヤサイを乗せないと食べ進むのは流石に厳しいと思います。というかナトリウムの過剰摂取を防ぐ為にも乗せたほうがよいです。
 
麺は自家製の平打極太縮れ麺。インスパ系にありがちなワシゴワの硬いタイプではなく、二郎直系のロット後半っぽい、ちょいヤワのモチプリ食感なあたりからも二郎愛を感じます笑
スープ量はやや少なめですが、麺量が多いので、結果として丼に溢れんばかりのボリュームとなります。解れやすいよう平たくパックされている気遣いも好感度↑ですね。
 
ちなみにシャークという小麦粉はオーションと同じく強力粉ですが、ミネラルもタンパクもオーションより含有率がやや高く、より色濃くグルテン形成も強くなるのが特徴的です。
そのため加水率をあまり低くしてしまうと食感が悪くなってしまうので、二郎っぽいオーション感も出しつつ、
モッチリとした特有の食感も引き出すよう、適度に加水を増やして独自に製麺されているように感じます。
 
付属トッピングのブタはスープと別パックで、約2cm幅、合計約130gものブ厚いウデスライスが2枚。
国産ブランド肉が使われており、赤身と脂身の割合が秀逸で、味付けも良く、しっとりジューシーでフンワリ柔らかながら適度な噛み応えも残されています。
二郎及び二郎インスパ系ではチャーシューの事を「ブタ」と呼びますが、こちらのお店はワインバル系列という事で、ブタというよりも豚料理という表現が適切なくらいの上質な逸品になっていると思います。
 
アブラは富士丸タイプの味付カスアブラ。甘味のあるトロトロの豚背脂と適度に混ざった解しブタと濃い目のタレで、ヤサイのドレッシングとしてもつけ麺スタイルとしても重宝します。
 
長次郎は5年くらい前に実店舗へ伺っており、当時のスタイルとしてはヒバジリスペクトだったのですが、現在はそこまで似ている訳でもなく、
スープも麺も昔に比べてヒバジ感が抜け、オリジナリティに磨きがかかった印象を受けました。
 
ブッチャーズのほうは数か月前にお邪魔したばかりですが、味にせよ接客にせよ冷凍の包装方法にせよ、どちらのラーメンからもカスタマーファーストのマインドが伝わる、ホスピタリティの高いハイセンスなインスパだと思います。
絶品なのはブタに限らず、麺、スープ、アブラ、商品管理の全てにおいて満遍なく素晴らしかったです。

14

2025年06月11日

スープは丸鶏をベースとした動物魚介醤油白湯。
コラーゲンによるとろりと粘度のあるクリーミーな口当たりで、丼底に沈むガラと魚粉のザラつきもありますが、
丸鶏の濃厚でふくよかな旨味と醤油返しの塩味甘味に魚介のアシストが加わり、そこに鶏油の香ばしい風味が回った、攻撃性のないまろやかな味わいとなっています。
また柚子ピールもアクセントとなっており、舌にヒットする毎にフルーティな清涼感を与えてくれる味変として機能してくれます。
 
麺は村上朝日のスクエア型多加水角刃太ストレート。
超多加水ならではの瑞々しさとモチフワの優しい弾力で、麺表面の適度な凹凸がフックとなりスープを持ち上げてきます。
麺自体の甘味も充分で、噛むほどに口内でスープとの融和性が増してゆく過程を実感出来ます。
 
付属トッピングはInスープで、1cm厚に縦スライスされた豚バラチャーシュー2枚と拍子木メンマ2本。
チャーシューは表面を香ばしく焼き、噛み応えを残し、八角をほんのり効かせた甘めの味付け。実店舗だとレアチャだったので、こちらは通販仕様なのかな?
メンマはピリ辛でコリシャキの歯触り。いずれのトッピングも大きさと食感の強さにより、全体的に満足度の高いボリュームに繋がっているように感じます。
 
鶏ベースのつけ麺といっても宅麺ラインナップの風雲児とはタイプが異なり、味の系統としては一燈にベクトルが近いかもしれませんが、それらともまた一味違うスープと麺の組み合わせとなっており、
どちらかというと出自のTETSUよりも和利道っぽさが垣間見えるイメージで、濃厚ながらクドさはなく、後味はあっさり。
酸味は極力抑えられているので、甘酸っぱいタイプが苦手な方でも特に問題なく頂けると思います。
 
また実店舗では鶏皮揚げが付いてくるので、作れる方は事前に用意しておくとよいです。これが非常に面白い味変として機能します。

7

2025年06月11日

スープは煮干、節、昆布、二枚貝などの魚介オンリーで構成されていますが、魚介特有の臭みなどはなく、表面を覆うタップリのラードと相まって、あっさりながらもコクのあるまとまった風味と口当たりとなっています。
塩分濃度は約2.3%と高いですが、八咫烏の真骨頂とも言える和洋中を組み合わせたまろやかなカエシにより、塩味、酸味、旨味、甘味のバランスに優れた味わいにまとまっています。
同店の塩と比較すると、醤油のほうがオイル感とカエシのリキュール風味が強く、濃口醤油も相まってより深い厚みを感じられると思います。
 
麺は全粒粉を使ったスクエア型の低加水角刃細ストレート。
日本蕎麦も連想させるようなザラコリの食感で、全粒粉特有の香ばしい風味が強く、
食べ進める内にスープにも麺の旨味と風味が溶け出し、前半と後半でラーメンの表情が変化します。
 
付属トッピングはinスープで、ホロリと軟らかい豚肩ロースチャーシュースライスが1枚と、皮をこんがりと焼き上げたプリプリ食感の大粒鶏もも肉が1個。味付けはどちらもシンプルな醤油味となっています。
また別パックで星型にくり抜かれた鳴門巻きが付いてきます。
 
八咫烏は個人的にカエシの使い方が好きで、麺との相性も含め非常に個性豊かな逸品になっていると思います。

6

2025年06月11日

スープは煮干、節、昆布、二枚貝などの魚介オンリーで構成されていますが、魚介特有の臭みなどはなく、表面を覆うタップリのラードと相まって、あっさりながらもコクのあるまとまった風味と口当たりとなっています。
塩分濃度は約2.2%と高いですが、八咫烏の真骨頂とも言える和洋中を組み合わせたまろやかなカエシにより、塩味、酸味、旨味、甘味のバランスに優れた味わいにまとまっています。
同店の醤油と比較すると、塩のほうがカエシの旨味がまろやかで、オイル感がやや軽く、キレやカドのない、すっきりクリアな後味が楽しめます。
 
麺は全粒粉を使ったスクエア型の低加水角刃細ストレート。
日本蕎麦を連想させるようなザラコリの食感で、全粒粉特有の香ばしい風味が強く、
食べ進める内にスープにも麺の旨味と風味が溶け出し、前半と後半でラーメンの表情が変化します。
 
付属トッピングはinスープで、ホロリと軟らかい豚肩ロースチャーシュースライスが1枚と、皮をこんがりと焼き上げたプリプリ食感の大粒鶏もも肉が1個。味付けはどちらもシンプルな醤油味となっています。
また別パックで星型にくり抜かれた鳴門巻きが付いてきます。
 
八咫烏は個人的にカエシの使い方が好きで、麺との相性も含め非常に個性豊かな逸品になっていると思います。

5

2025年05月28日

わいずのセカンドブランドのお店ですが、本品は一昨年に閉店した歴史的名店、丸長中華そば店(荻窪丸長)のインスパイアメニューという事で、スープは動物と魚介のサラサラとした甘辛酸の醤油清湯。
醤油の塩味と深み、鶏豚の旨味と厚み、節煮干の風味、豚挽肉の肉感、背脂と鶏油のコクが交わったパワフル味わいで、
更に大量のトッピングも加わる事により、スープ量の少なさを感じさせないボリュームと食べ応えになっています。
 
色合いは再仕込醤油による黒味が強く、唐辛子と胡椒のピリピリとした辛味が効いていますが、荻窪丸長感をもっと出したい方は白胡椒を5振りほど追加しましょう。
ちなみに黒い粒々は黒胡椒ではなく焦がし唐辛子によるもので、胡椒はホワイトペッパーなどのブレンドスパイスが使われています。
 
化調もガッツリ投入されており、塩分濃度は約2.1%とつけ麺では概ね平均的ですが、糖分濃度は約25.3%と非常に高く、
酸味もしっかり効いているので、昔ながらの甘酸っぱいつけ麺が苦手な方は注意です。
 
 
麺はスクエア型の多加水角刃太麺。荻窪丸長は自家製麺でしたが、こちらは菅野製麺所から卸しているようです。
荻窪丸長の瑞々しいソフトなタイプとは一味違う現代的なコシの強いムチプリの弾力で、カットも荻窪丸長より短く2/3くらいの長さ。
かなりの拘りが伝わる特注仕様なのですが、冷凍による折り目のクセが付いているため、通販での再現度は今ひとつ。
 
ただ9分〜9分半くらいしっかり茹でると荻窪丸長を彷彿とさせるような小麦の甘味が引き立つツルモチ食感に仕上がるので、硬さより味を重視する方は長め茹で推奨です。
ちなみに荻窪丸長は10〜15分くらい茹でていたので、本家や東池袋大勝軒のあのヤワフワ麺が好きだったというガチ勢の方は何も恐れずに10分以上茹でましょう笑
 
 
付属トッピングは短冊状のメンマとチャーシューがどっさり。
メンマは本家の軟らか食感と異なる硬め仕様。チャーシューはギュチ豚ですが脂身のバランスが良く、スープに沈めておくと次第に軟らかくなります。
個別パックの刻み海苔はざる蕎麦のように麺に飾りましょう。
あと輪切りの長ネギは荻窪丸長の味を作る上で決して欠かせない必須トッピングです。長ネギが有ると無いとでは完成度に雲泥の差が生まれるので、多少なりとも用意したほうがよいです。
 
 
確かに荻窪丸長スタイルを踏襲したレプリカとなっていますが、ガラは本家よりも濃厚に出ており、完全再現を目指したというよりは、作り手の好みも反映された喜富式リメイクという見方のほうがイメージ的に近い気がします。
 
ただ甘味酸味のバランスは本家に忠実で、冷めても美味しいのがつけそば本来の姿であり、だからこそ麺は冷たく締め、スープはぬるい状態でも美味しく頂けるように甘味酸味で味を調整したのが丸長や大勝軒の味なのですが、
自宅ならそこまで堅くならず、スープが冷めるのが嫌でしたら普通にレンチンすればよいと思います。ただし加熱し過ぎると酸味が飛んで甘味だけが残るので気をつけましょう。
 
自分好みにお酢を垂らすのもよいですし、喜富実店舗には黒七味も用意されています。またおろしニンニクは丸長の卓上にもあった抜群に合う味変アイテムで、とてもお勧めです。

13

2025年05月21日

欧風カレーは小麦粉をバターで深茶色になるまで弱火でじっくり炒めたルーブロン(ブラウンルー)に、牛や鶏などのフォン、魚のフュメなどを合わせたソースをベースとしているのが大きな特徴となっています。
 
ガヴィアルのビーフカレーは出自のボンディと同じくフォンを使い、そこに玉葱、リンゴ、チャツネなどのまろやかな甘み、
継ぎ足しによる熟成感のあるコクと旨味、ブラウンルーと乳脂肪のドロっと滑らかな口当たり、
クローブ、カルダモン、コリアンダー、フェンネル、シナモン、チリといった多種のスパイスによる爽やかで甘美なフレーバーと穏やかな辛みが加わった、深みのある芳醇な味わいに仕上げられています。
欧風カレー初体験の方は甘口に感じるかもしれませんが、このフルーティな甘みもボンディ系欧風カレーの個性の1つとも言えます。
 
具材には牛の肩バラ肉をソースで煮込んだものが大きめの角切りで5〜6個ゴロゴロと入っています。
しっとりふっくら軟らかく、香りも端正で、味染みも抜群。
またガルニの福神漬とらっきょう漬けも付いてきます。
 
ライスは実店舗ではバターとブイヨンが使われていますが、こちらはマーガリンなので、口当たりの軽さと風味に微妙な違いが見受けられます。
解凍は袋に切れ目を入れてレンチンでもOKですが、本商品に限らず冷凍ライスはレンチンだと端部分が硬くなる場合があるので、ふんわり仕上げたい場合は袋に切れ目を入れずにそのまま湯煎がお勧めです。
温め終わったら皿に移し、熱い内に優しくデリケートに解しておくと、お米がダマにならずふっくらと仕上がります。
 
カレールーによる日本文化のカレーライスも、ルーツを辿ればカレー粉とルー及びブールマニエを合わせたイギリス式カレー(ヨーロッパ風カレー)が原型と言えますが、
ガヴィアルなどボンディ系の欧風カレーはそれらのタイプとも昔ながらの洋食屋のカレーともやや異なり、フレンチのフォンやブイヨンを取り入れるなど、洋食の技術を用いてアレンジされた独自のスタイルとなっています。
 
私の地元には欧風カレーの聖地であるインディラや、同系のボンディ・アルカディア、ラ・ファミーユなどがあり、大学近辺のガヴィアル、ボンディ、ペルソナ、プティフ・ア・ラ・カンパーニュにも足繁く通っていたので、
ボンディ系の欧風カレーは好物というか地元の味というか、妙な固定観念もあったりします。
なので作る際にはメークインにバターを添え、ライスの上にはゴーダチーズを散らして、欧風カレースタイルをしっかりと再現して楽しんで欲しい、という気持ちはあります笑

5

2025年05月21日

カシミールカレーはデリーのカレーメニューで最も辛く、辛味をストレートに感じられるようトロみをなくし、シャバシャバのスープ状にしているのが特徴です。
辛さの他にも、ブイヨンの深いコクと旨味、フルーティな甘味と酸味、クミン、カルダモン、コリアンダー、クローブ、シナモン、アドワラッスンなどのスパイスによる爽やかな香り、
チリの鋭くキレのある刺すような刺激など、多数の構成要素による緻密な計算によって味が作りあげられています。
また艷やかで黒みを帯びた色合いをしていますが、こちらは金沢カレーと同じようにカラメルと玉葱などで色味が付けられています。
 
ライスは辛口のカレーと相性の良い甘味の強いジャポニカ米を使用し、シャバシャバのカレーに合わせてやや硬めに炊かれています。
画像5枚目のような耐熱容器に入っているので、そのままレンチン解凍でOKです。
 
具材は黒胡椒の効いたスパイシーな牛のトモバラ肉が大きなぶつ切りで4〜5個ほど別パックに入っており、赤身は噛み応えを残しつつ脂身はトロトロに軟らかく煮込まれています。
カレーに加える際、パック内に油分が溜まっているので、封を開けて直接流し込まずに、油が入らないよう具材だけ移すようにしましょう。
残った牛脂は捨てずに冷凍保存しておけば、スープや自作のカレー、パスタソースや炒め物など、色々な料理に再利用出来ます。
 
またマサラもたっぷり付いてくるので、よりスパイシーにキメたい方はお好きな量をお好みで。
 
デリーは銀座店へ偶にお邪魔しており、以前はオフィスの近くにあったミッドタウン店にもランチに寄ったりしていましたが、
当時はビーフニハリのホットがお気に入りで、ムシャクシャしている時はカシミールのベリーベリーホットを頼み涙を流しながら悶えていたので、個人的にはマサラよりもホット用スパイスを付けてくれたら嬉しかったです笑
 
デリーは全国的に有名な老舗ブランドで、暖簾分けされたお店やレトルト販売もあり、カシミールカレーも何らかの形で食べられた方も多くいると思いますが、初見の方はシャバシャバのスープ状と強い辛さにちょっとした驚きがあるかもです。
実店舗のようにふかしたジャガイモをカレーに加えると舌の逃げ場が出来るので、辛さが心配な方はイモやヨーグルトも用意しておくとよいです。

6

2025年05月14日

カレーはカルダモン、シナモン、クローブ、生姜などのスパイスによる爽やかでスウィートな香り、トマトと玉葱の優しい甘味がサラサラの口当たりと共に口内へ運ばれてきます。
豚バラの脂分でややオイリーですが、辛味は微弱で、野菜のまろやかな旨味とトマトのフルーティな酸味により、全体的にソフトな味わいとなっています。
 
具の豚バラ肉は一般的なポークビンダルーのようなワインビネガーや穀物酢ではなく黒酢で漬け込まれており、食感はもっちり軟らかく、刺激のないマイルドな酸味とコクのある味わいとなっています。
私も豚肉や羊肉のマリネに黒酢をよく使うので、このポークビンダルーは個人的にも好みです。
 
ライスはジャポニカ米で、ホロホロとした歯ごたえを残しつつ、モッチリと炊かれた5分精米。
白米よりも栄養価と食物繊維が豊富で、噛むほどに甘味が出るので、しっかり噛んで消化良く頂きましょう。
なお袋に切れ目を入れてレンチンでも解凍可能ですが、本商品に限らず冷凍ライスはレンチンだと端部分が硬くなる場合があるので、ふんわり仕上げたい場合は袋に切れ目を入れずにそのまま湯煎がお勧めです。
 
プリプリに軟らかく煮込まれた黒酢の豚角肉が存在感を発揮していますが、カレー自体も刺激を抑えた素材重視のナチュラルな味付けで、
マクロビにも通ずるような健康的な一皿になっていると思います。私は大好きです。

7

2025年05月07日

カレーはサラサラのスープカレーで、コラーゲンの溶け出した鶏の旨味と玉葱の甘味、鮮烈なクミンの香り、
たっぷりと泳ぐカスリメティ(カレーを彩る青い葉)やカルダモンの甘い香り、スッキリとした辛味などがスパイシーで優美な味わいを作り出しています。
 
具材にはホロリと煮込まれつつ肉汁も残した鶏手羽元が2本入っており、皮はトロプリに軟らかく、コリコリの軟骨部分も部分的にゼラチン化が進んでいます。
そのままかぶりつくか、ほぐしてスープと和えるかはお好みで。
 
ライスはジャポニカ米のターメリックライスで、こちらにもクミンシード(細長い粒々の種)が使われており、カレーと合わせる事でよりスパイス感が高まります。
量も250g強と茶碗約2杯分のボリュームで、袋に切れ目を入れてレンチンでも解凍可能ですが、本商品に限らず冷凍ライスはレンチンだと端部分が硬くなる場合があるので、ふんわり仕上げたい場合は袋に切れ目を入れずにそのまま湯煎がお勧めです。
 
おすすめトッピングのパクチーは相性抜群なので、お好きな方は必須で用意しましょう。
ししとうに関しては個人的に辛味がもう少々欲しかったので、プリッキーヌとミックスしたものをナンプラーに漬けて添え物にしました。
 
スープカレーといっても北海道とは一味違う独創的な味わいで、鶏の旨味と鮮烈なスパイスの香りをたっぷりのボリューム感で楽しめる一品となっています。

7

2025年05月07日

カレーは生クリームとヨーグルト、ギーの効いたクリーミーな口当たり。
まろやかな酸味とコクのある味わいで、ターメリックとフェヌグリークの効いた甘美な香りが立ち、辛味は抑えられています。
またタンドールで香ばしくふっくら焼かれた鶏もも肉のチキンティッカもゴロゴロと入っており、スモーキーなフレーバーがカレーにも効果的に移っています。
 
チーズクルチャは直系16〜7cm位のサイズ感で、カリッとふんわり焼かれており、中からはとろっと蕩けるチーズがたっぷりと溢れ出てきます。
解凍は説明書きの通りレンチンで問題ありませんが、解凍後に油を塗っていないフライパンに乗せ、
蓋をして両面を軽く焼くと、焼きたてのようなカリフワ食感にリベイク出来ます。
ただし加熱し過ぎると水分が抜けてパサつくので注意です。
 
また野生黒蜂蜜というインド産のハチミツが付いてきますが、こちらはヒンドゥー教の聖木と云われる、柑橘系の香りが特徴的な「ハナモツヤクノキ」の花蜜などが主原料とされています。
濃厚なコクとフルーティな風味が特徴的で、ピッツァのようにクルチャにかけて頂く以外にも、ミルクティーに加えたり、ヨーグルトやアイスクリームにかけるなど、色々な楽しみ方が出来ます。
私はゴルゴンゾーラにワイルドペッパーも合わせ、バローロのお供にしました。
 
また下北半島の農家さんから送って頂いた天然物の行者にんにくをチャトニにして添えてみたりもしましたが、完全にクルチャとチキンティッカで一杯呑むモードになりました笑
 
なおチラシの調理方法の欄に、「カレーは予め冷蔵解凍または流水解凍」と書かれています。
こちらのカレーは乳成分が多く含まれており、冷凍のまま長時間湯煎すると乳成分が分離する恐れがありますが、予め冷蔵or流水で解凍のうえ短時間で湯煎を行えば、分離をほぼ確実に防ぐ事が出来ます。
一旦分離すると味も風味もガタ落ちしてしまうので、調理前の事前解凍は必ず行いましょう。

9

2025年05月07日

スープは地鶏をベースに魚介や椎茸なども使った旨味の多層構造となっており、ブレンド醤油のカエシによるキレとコクや爽やかな酸味も加わった、
スッキリあっさりとした無化調の淡麗醤油清湯となっています。
塩分濃度は約2.4%、Brix値は約7.9%と、甘味よりも塩味と酸味を主軸とした構成で、後に旨味を追撃する昆布水とのバランスを考えられたチューニングにされているようです。
 
麺は隣町にある心の味食品の多加水角刃平打中太ストレートを使用。
瑞々しいツルツルの麺肌とアシのあるしなやかなノビ、プリモチのしっかりとしたコシの強さが特徴的。
昆布水つけ麺ではオーソドックスな細さで、スープや昆布水と抜群の絡みをみせます。
 
昆布水はガゴメ昆布のフコイダンによるトロみが強いタイプで、麺をスープに浸さずそのままや塩でも美味しく頂けますが、
塩を使うなら岩塩ではなく、天日塩や藻塩など海の塩のほうが海産物同士で相性が良く、素材をより引き立てられます。
 
なおお店のお勧めだと、最初は麺だけで頂き、次に麺をスープに1/3ほど浸して頂くと、昆布のとろみ成分が分離せずに頂けますよと案内されましたが、
実店舗では昆布水は別容器で提供されたので、最初から麺に入れずに好みのタイミングで好みの量を足し、スープ割用に残しておくという食べ方もよいと思います。
 
最初から全がけすると、粘りが強く麺にガッツリ絡むため、スープに割れるだけの十分な量が残らないかもしれないので、スープ割をしっかり楽しみたい場合は別容器にしたほうがよいです。
個人的には塩、山葵、柑橘を麺に直接かけて、別容器の昆布水に少々つけて啜る食べ方がお気に入りです。
 
付属トッピングは表面を香ばしく焼かれた豚肩ロースの低温調理レアチャーシュースライスが2枚と、老抽王で黒く染まったゴリゴリ食感のあまうま極太黒メンマが2本。
どちらも重ねてパックされていたため、チャーシューにメンマの色と味が移っていまっていたのが残念。
 
店主はほん田や篠はら、またキング製麺など小池グループでも経験を積まれたそうですが、メニューは醤油らぁ麺と昆布水つけ麺を二枚看板にするなど昆布水にも大きく注力されているそうで、
食後の胃もたれや不快感などが全くなく、毎日でも食べられそうな、まさに「ととのう一杯」になっていると思います。

14

2025年05月07日

スープは生醤油のキレやコクと鶏油のまろやかな風味旨味が活きた、透明感のある鶏水系淡麗醤油清湯。
高野の鶏の中華そばがベースとなっていますが、塩分濃度は約1.8%と高野よりも低い反面、糖分濃度は約9.1%と高野よりも高めで、より万人に親しみやすい甘高塩低のバランス感となっています。
 
麺は三河屋製麺のスクエア型角刃中細ストレート。瑞々しくしなやかでスープの吸い上げも良く、序盤はプリコリの強い弾力ながら、後半は一体感の増したモチフワの食感に変化します。
 
付属トッピングは香ばしくローストされたしっとり合鴨ロースチャーシュースライスが3枚と、茎と穂先の繋がったノーカット太メンマが1本。
またラーメン赤猫とのコラボグッズも付いてきます。
 
高野実店舗とは異なる小麦粉や食材、また化調も組み合わせて構成されてはいるものの、スープにせよ麺にせよそれらを感じさせないハイクオリティに仕上がっており、
とりあえず今まで販売されてきた宅麺CK製のコラボイベント商品の中では、完成度という面では間違いなくNo.1なんじゃないかなと思います。

17

2025年05月07日

スープは生醤油のキレやコクと鶏油のまろやかな風味旨味が活きた、透明感のある鶏水系淡麗醤油清湯。
高野の鶏の中華そばがベースとなっていますが、塩分濃度は約1.8%と高野よりも低い反面、糖分濃度は約9.1%と高野よりも高めで、より万人に親しみやすい甘高塩低のバランス感となっています。
 
麺は三河屋製麺のスクエア型角刃中細ストレート。瑞々しくしなやかでスープの吸い上げも良く、序盤はプリコリの強い弾力ながら、後半は一体感の増したモチフワの食感に変化します。
 
付属トッピングは香ばしくローストされたしっとり合鴨ロースチャーシュースライスが3枚と、茎と穂先の繋がったノーカット太メンマが1本。
またラーメン赤猫とのコラボグッズも付いてきます。
 
高野実店舗とは異なる小麦粉や食材、また化調も組み合わせて構成されてはいるものの、スープにせよ麺にせよそれらを感じさせないハイクオリティに仕上がっており、
とりあえず今まで販売されてきた宅麺CK製のコラボイベント商品の中では、完成度という面では間違いなくNo.1なんじゃないかなと思います。

15

2025年04月30日

まずツキノワグマ肉という事でインパクトがあると思いますが、ツキノワグマは植物を多く食べる為に思いのほか肉に臭みはなく、冬季は脂も乗っており、脂身にまろやかな甘味があるのも特徴的です。
野生味も少なく、クミン、マスタード、クローブなどのスパイスを巧妙に使い、熊肉特有の風味を逆に活かしているように感じます。
日本で一般的なトロリとしたキーマカレーとは異なり、粘度のないサラリとしたタイプで、
ブリブリとした挽肉の食感も心地良く、青唐辛子のスッキリとした若い辛味が食べ進む内にじんわりと口内に広がります。
また塩味を最小限に抑え、肉と野菜の旨味甘味を最大限に引き出すなど、素材の持ち味を第一に考えられた、高タンパク無化調の有機キーマカレーとなっています。
 
ライスはジャポニカ米で、熊肉キーマの食感と合わせて、やや硬めに炊かれています。
カレーは湯煎ですが、こちらはパックに切れ目を入れて、袋のまま500Wで5分レンチンするカンタン調理。
ラーメンと違って麺を茹でる工程がない分、普段料理をしない方でも失敗なく作れるのがよいですね。
 
またクミンベースのマサラが1袋付いてくるので、もう少しスパイス感が欲しい方や、若しくは熊肉の味がどうしても苦手だったという方は、こちらを混ぜると独特の風味を多少和らげる事が出来ますが、
逆にその独特の風味をそのまま味わいたい方は、一切使わないか、使うにしても量を調節するとよいです。
 
ちなみに私は熊肉という事で、下北半島の農家さんから送って頂いた天然物の行者にんにくをアチャールにして添えてみました。
ただ行者にんにくはヒグマ肉と鍋にしたほうが合いますね笑
なお店主からは付け合わせナシで熊肉そのものを味わうようにお勧めされています。
 
地元にマタギのお店があったので、ツキノワグマ肉も何度か頂いた事はありますが、このような形のキーマカレーで頂いたのは初めてでした。
むかーし横濱カレーミュージアムで売っていたクマカレーの味が中々強烈だったので、今回も別の意味でワクワクしていましたが、
逆の意味で期待を裏切られる、実に滋味深いナチュラルで優しい味わいの絶品キーマとなっていました。
また味だけではなく食べ手の健康面も考えられた滋養強壮の薬膳カレーとしての一面も持っており、
ジビエがお好きな方は勿論、ジビエに挑戦してみたいという初心者の入門編としてもお勧め出来る一皿だと思います。

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2025年04月30日

店主は元蓮爾登戸店店主という事で、スープは登戸店のような液状油タップリの微乳化豚醤油がベースとなっており、そこにトムヤムペーストが加えられています。
元のスープがかなりの濃口な上、更にトムヤムペーストが上乗せされている為、塩分濃度は約3.0%と海水に近く、
糖分濃度は約29.1%とフルーツ缶のシロップ並で、ヤサイ無しで食べるには到底ムチャなレベルの塩味甘味となっています。
ただトムヤムペーストのキリッとした酸味、フルーティな香り、爽やかな辛味により、油分の重さは些か中和され、後味は比較的スッキリとしています。
 
麺も蓮爾ばりの超々極太麺。ケーブルのようにパンプアップされたゴツゴツのマッチョサイズで、指定時間通りに茹でても麺内部までα化せず、白く芯の残った蓮爾のようなボキボキ状態となりますが、
だからといって更に茹で続けると表面がデロデロに溶けてゆくので、茹で時間は10〜18分程度に留め、この麺は芯が残るものと思って楽しみましょう。
 
付属トッピングはホロトロに軟らかく煮込まれたブタブロックが2つ。
部位はウデバラミックスで、こちらも超濃口となっており、麺やスープに負けないインパクトを残しています。
ウデのほうはプルドポークのように崩れていましたが、その分余すことなく味が染み込んでおり、ヤサイをたっぷりと食べられます。
 
宅麺ラインナップの二郎インスパ系トムヤムアレンジは豚星からも販売されていますが、豚星とは醤油の使い方などにも違いがあり、各々で異なる個性を楽しめると思います。
次はゼンゼンのトムヤムにも期待してよいですかね?笑

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2025年04月30日

スープは名古屋コーチンの丸鶏や奥久慈軍鶏のガラなどを使った鶏ベースで、鶏中心の構成からは店主出自の一燈らしさも垣間見えますが、
一燈のつけ麺ような濃厚なタイプとはまた違い、すっきりとしたクリアな淡麗系となっています。
塩分濃度は約2.4%とキレもありつつブ厚い旨味と深いコクも感じられる味わいで、牡蠣に関しては出汁を引いておらず香味油として加えられているため、
牡蠣の味わいや旨味というよりも牡蠣の風味がほんのり香るような造りとなっており、スルスルっと啜ると牡蠣が鼻にフッと抜ける感覚を楽しめます。
 
麺はとみ田でお馴染み心の味製麺のスクエア型多加水角刃太麺。カットは短めで麺肌もつるりと啜りやすく、密度の高いコシの強さと噛み応えが楽しめます。
ただ形状に関しては、本来は真っ直ぐな麺線のストレートタイプなのですが、冷凍生麺特有の曲がり癖が付いてしまっており、ウェーブが掛かっています。
 
昆布水はフコイダンによるとろみが少なくあっさりとした旨味の日高昆布から引かれており、
塩分濃度は約1.8%と一般的なラーメン以上に高い塩味が施されているため、
スープに付けずとも昆布水に浸した状態で普通に美味しく頂けます。
藻塩やレモンをかけるのもお勧めですが、私は日本蕎麦のように山葵を麺に塗るのが好きで、おろし生姜を軽く付けてもさっぱりと頂けます。
 
なお残った昆布水はスープ割に使えますが、スープも昆布水も味が濃いので、割ったところで塩味はあまり薄まりません。
ただ麺量は200g程度なので、もっと食べられる方は麺を半玉ほど用意しておいて、スープで割った後にレンチンした熱々スープに入れれば、ミニ塩ラーメンとして二杯目に突入出来ます。
 
付属トッピングは鶏むねと豚ロースのレアチャーシュースライスが1枚ずつ。豚は肩ロース肉ではなくロース肉です。
低温調理なので湯煎は厳禁。流水やぬるま湯など、豚脂の融点を超えないように30℃以下の温度で緩やかに解凍しましょう。
 
また今回改めて思ったのは、実店舗では美しいストレートの麺線が特長となっていても、通販だと無造作に丸めて冷凍するせいで、
麺に手揉みと同じ要領の軽い圧が掛かってしまい、手元に届く頃には折り目が付いていたり、不規則に曲がってしまっている、というケースが多く見られるように感じます。
ストレート麺の折り曲がりによる見た目、食感、啜り心地の違和感というのも、冷凍通販で感じている実店舗との味の違いの一つとして顕著に現れている部分でもあるので、
麺の再現性を高める冷凍方法(束ね方・畳み方など)についても、宅麺側でマニュアル化して店側と連携するなど、改めて対策を講じて頂ければと思います。

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2025年04月23日

スープは濁りのないアッサリとした非乳化豚骨醤油がベースで、そこに大量の液状背脂と固形背脂と辣油がコッテリと浮かべられています。
塩分濃度は約2.5%と高い上、糖分と旨調も多く、油分も液状油だけで約120cc近くあるので、ガラ濃度の割にインパクトは強烈です。
 
麺はスクエア型の角刃太縮れタイプ。
噛み応え満点の太さとブリブリモチモチな弾力で、アブラギッシュなスープに負けておらず、そのアブラ達をごっそりと持ち上げてきます。
 
付属トッピングはInスープで、豚挽肉とざく切り玉葱がたっぷりと沈んでいますが、この玉葱の甘味と食感が非常に良い仕事をしています。
花椒は市販の小袋が2p付いてきますが、香りも痺れも弱く、また辣油の辛味も控え目なので、強い刺激を求める方は花椒も唐辛子も追加分を用意しておいたほうがよいです。
 
また説明書きにもある通り、ごっつの亀戸式タンタンメンはモヤシとニラを入れることで初めて完成するので、茹でモヤシと刻み生ニラは必ず乗せましょう。
特に挽肉と玉葱はモヤシとニラの為にあるような具材で、塩味も油も醤油や味噌同様にモヤシ有りきの前提で多くされているので、
この2つを追加しないと塩辛さと油っぽさばかりが突出した、バランスの悪い未完成品となってしまいます。
 
亀戸式タンタンメンには厳格な定義といったものはなく、お店によって独自のスタイルで提供されているそうですが、どのお店でも刻んだ生ニラはマストでトッピングされているようです。
ごっつの亀戸タンタンはごっつらしくショッパーで超オイリーですが、食べている内に麺の小麦と挽肉と野菜と油分が溶け合い、味わいが次第にまろやかになっていくのも特徴的です。
ただニラは画像ほど乗せなくても大丈夫なので、自分好みの量だけ刻んでトッピングしましょう。(多く乗せりゃいいってものでもないです。クサいので)

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2025年04月23日

スープは商品名通りの無化調純ニボ。セメント系とは異なり、鶏などの動物類は一切使われておらず、
醤油返しには他の旨味成分も重ねられてはいるものの、出汁自体は煮干と水のみで炊かれています。
丼一杯あたり約150gもの煮干が使われているらしく、一晩かけて水出しを行った後にじっくりと火入れをするなど徹底した温度管理が行われているそうで、
煮干本来の苦味とクセも意図的に抽出させた、背黒のパンチと白口の甘味による芳醇な味わいが特徴的。
濁りはあるものの口当たりはさらりとしており、塩分濃度は約2.0%と高めながらやや多めの煮干油も相まって、塩辛さのない濃厚かつまろやかな味わいへとまとまっています。
 
麺は菅野製麺所の低加水角刃細ストレート。しなやかでパツンと歯切れの良いコリコリ食感で、煮干系では定番の組み合わせ。
指定時間通りに茹で上げる事でやや硬めに仕上がりますが、片手鍋を使った1リットル程度の少ない湯量だと茹で上がるまでに再沸騰せず、デンプンのα化が不十分となるので、
本商品に限らず冷凍通販で作るラーメンの茹で湯は最低でも2リットル以上は用意しましょう。家庭調理なら多くとも3リットルあれば充分です。
 
付属トッピングは低温調理のレアチャーシュー2種で、豚肩ローススライスと鶏むねスライスが1枚ずつ。
どちらもシンプルな塩味で、しっとり軟らかく、鶏のほうは胡椒を効かせたスパイシー仕立て。
なお玉葱を追加する場合は、刻んだ後に水に晒して辛味を抜き、余分な水気をしっかり切っておく事がより美味しく頂く重要なポイントです。
私は今回朝採れの新鮮な白子の新玉葱を農家さんから頂いたので、水に晒さずそのまま使いましたが、旬の新玉葱は瑞々しく辛味も少ないので、煮干ラーメンにもお勧めです。
 
児ノ木はニボラーであれば誰もが訪れた事のあるであろうレベルの超有名店で、冷凍通販でもその濃厚かつ繊細な味わいが楽しめると思いますが、
スープの温度を上げすぎると風味が飛び、せっかくの味わいを損ねてしまうので、調理の際は湯煎のかけ過ぎ、熱し過ぎにくれぐれも注意しましょう。

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2025年04月16日

麺は平打の太ストレートで、幅広ですが麺帯は薄くピロピロとしています。
中華麺ではありますが、タリアテッレのようなパスタ感というか、どちらかというとヌイユを意識したようなイメージで、
滑らかでコシも強くモチモチとした弾力性があります。
 
まずはこの麺と別パックのガーリックオイルを和えるところから本品の調理はスタートします。
この時点でトリュフが香りますが、ニンニクの風味はそれを上回る強さで、
スープをかける前の油麺の状態で数本食べておくとよりニンニクとトリュフを堪能出来ると思います。
 
スープは白濁したクリーミーな動物系で、牛と共に豚の風味も分かりやすく出ていますが、臭みは一切ありません。
またバルサミコの甘味酸味や紹興酒の風味など、カエシの構成が以前販売されていた八咫烏式二郎系に似ており、塩味も含め全体的に味はやや濃い目です。
こちらを麺にかけるのが第二工程です。
 
付属トッピングは牛ほほ肉の煮込みとフォアグラが一緒にパックされています。
ブイヨン感もあるソースはトリュフの香りが立っており、フルーティな甘味酸味の効いた濃い味付け。
牛頬は冷凍の鮮度的な臭みが多少気になりましたが、ほろりと程々に軟らかく煮込まれています。
フォアグラも風味が落ち気味な上やや淡白で濃厚さに欠けますが、保存状態的にも致し方ないかもしれません。
 
こちらを綺麗に盛り付けるのが最終工程ですが、麺の上に直接乗せるとソースの味がスープへ一気に干渉するため、ほうれん草のソテーなどを中間に敷いたほうがよいです。
調理が難しい場合は別皿盛りにする事で、味を見ながらスープに少しずつ加えたり、加えずに別々に頂くなど、好みに合わせた食べ方を自分でチョイス出来ます。
 
麺が終わった後は残ったスープにパンを添えたりライスでリゾット風にするのがお勧めされています。
どちらも試してみましたが、この味の濃さだとブルスケッタもガーリックライスも当然マッチします。
 
まずは麺とオイルを和え、次にスープを注ぎ、最後にトッピングを施す事で、段階的に味と風味が一つの形として作られてゆきますが、
全体的に味が濃いので、牛頬ソースとスープが融合した完成形まで進むと味がかなり濃厚になります。
麺はスープへ入れずに和え玉つけ麺スタイルにしたほうが、スープとの絡みを自分で調節できる分食べやすかったかもしれません。
 
所謂「牛頰肉のロッシーニ風」というフランス料理をラーメンに落とし込んだ形で、麺、スープ、具材の個々をみるとそれぞれ美味しいのですが、
全てをまとめたラーメン一杯として考えると、やや一体感を欠いてしまったような印象です。
 
使われている食材が食材な上、何より調理技術も多少求められる内容なので、料理や盛り付けが得意ではない方にはハードルがやや高いかもしれず、
4,320円+送料の一杯約5,500円という超ハイコスト商品である事も鑑みると、
冷凍ではなく実店舗で作りたてを頂くべきメニューだったのかなというのが率直な感想です。(本末転倒ですが)

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2025年04月16日

スープは無化調のニボニボで、高濃度なドロザラのセメント系。
塩味は若干強めながらパワフルな煮干に負けないバランスの濃度で調えられており、ビターな煮干の風味、旨味、甘味がガツンとストレートに伝わってきます。
苦みやエグみも旨味の1つと捉えられるニボラー的には煮干のクセは中〜弱程度くらいだと思いますが、
そのクセ自体が苦手な方や初心者さんにはやや抵抗のあるレベル感かもしれません。
 
麺は菅野製麺所のスクエア型低加水角刃細ストレート。
ドロスープをガッチリと持ち上げ、しなやかでコリパツの食感が煮干とマッチし、麺の持つ小麦の甘味がお互いを引き立て合っています。
麺に対しスープ量が少ないため違和感を抱く方もいるかもしれませんが、近代のニボニボはこのスタイルもスタンダードの1つとして定着しています。
(煮干を大量に消費するためスープ量を多くすると安価で捌けなくなるという理由もあります)
 
和え玉は実店舗だと基本的に4種類ありますが、本品は醤油がチョイスされています。
鶏油(チーユ)の風味が効いた角のないまろやかな醤油ダレで、混ぜて油そばのように食べる、生卵に絡めてすき焼き風に食べる、
スープに浸してつけ麺のように食べるなど、自分の好みに合わせて色々な食べ方を試してみるとよいです。
 
もし煮干の苦味が不安な方は、麺を入れる前にスープをひと口飲んでみて、自分にはちょっと苦手かなと思った場合、
このつけ麺スタイルにすると鶏油でコクが増すと共に油のコーティング作用で煮干のクセが和らぐため、
通常のラーメンスタイルよりもいささか食べやすくなると思います。
 
なお本品はかけタイプなので付属トッピングは無く、必須アイテムの刻み玉葱などは事前に用意しておきましょう。
 
実店舗では煮干の種類、産地、配合を数日置きに変更するなど常連客にも飽きさせない工夫が凝らされており、
この冷凍版特濃もニボニボ中毒者なら確実に満足出来る一杯&一玉になっていると思います。

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2025年04月09日

以前富士丸神谷本店にいらしたザキさんの独立店という事で、スープは液状油多めの微乳化富士丸スタイル。
豚の厚みと根菜の甘味に生姜の香りが効いた富士丸系ならではのあまうまな味わいで、
醤油の塩味とコクもしっかりとあり、当然ながら生卵ディップが良く合います。
 
麺は自家製の低加水角刃平打ウェーブで、富士丸らしい手揉み感のあるうねりと圧縮性のワシゴワ食感。
説明書きには「二郎系インスパイアの中では細めに製麺」とありますが、
寧ろ昔の富士丸やマルジがこの位の太さで、逆にこちらこそが富士丸元祖に近付けた製麺スタイルだったりします。
 
付属トッピングはInスープで、ホロムチの軟らかいウデ肉のブタが大迫力のドデカサイズでドーンと1塊。
ブタカスタブラはスープ同様に湯煎で解凍。ヤサイにトッピングして温サラダスタイルで頂くか、別皿に移してつけ麺スタイルで頂くかはお好みで。
ライスにかけて背徳のアブラ丼という楽しみ方もありますが、とにかくパンチのある味付けで、肉カスもたっぷり入っており、申し分ない存在感です。
 
また嬉しい事に別パックで刻みニンニクも付いてきますが、冷凍した生ニンニク特有の臭いが強く発生しており、
商品自体の袋を開ける前からニンニク臭が漏れているので、すぐ食べずに冷凍保存しておく場合はビニール袋などで二重に密閉しておくと匂い移りを防げます。
 
またヤサイは富士丸系という事で、実店舗も当然味付きのクタヤサイになっています。
説明書きにある通り、熱湯にスープやアブラを少々加えて、モヤシとキャベツを15分ほど茹でれば富士丸系らしいクタヤサイを作れますが、
油分で洗い物が大変などあれば、熱湯1Lあたりに塩を大匙1/2杯程度加えて茹でるだけでも浸透圧が発生し、味付きクタヤサイを作る事は可能です。
ただ15分茹でると実店舗レベルのバリクタになるので、そこまでクタらせたくない場合は茹で時間を5分〜10分くらいに留めておくとよいです。
 
吉田マスター在りし日の富士丸イズムを受け継ぐような、20年くらい昔の古き良きマルジの面影が思い浮かぶオールドスタイルの一杯で、
正直、現在宅麺で製造販売している富士丸よりも、こちらのほうが個人的には富士丸なイメージでした。

17

2025年04月09日

スープは同店の「豚骨ラーメン」と同じくクリーミーでまろやかな豚骨ベースで、
「豚ラーメン」がちばからインスパイアだったのに対し、こちらは乳化具合にちばからっぽさを感じさせつつも、濃厚な豚骨感が軸となっています。
ただ臭みはなく、久留米系やムテ系のガラ濃度とも別物で、塩味のエッジが立ったトロトロの豚骨スープとなっています。
 
辣油は既に加えられた状態で、大半がスープとエマルジョンしています。
ピリッとしたそれなりの辛さですが、甘辛酸のバランス的には甘味酸味が抑え目な為、
辛味をやや強くする事でまろやかな乳化豚骨にキリッとしたアクセントを与えている、という印象です。
 
麺はワイド型の角刃太ウェーブ。本来はストレート麺かと思いますが、冷凍の影響か麺線が揃っておらずやや波打っています。
ムチコリ食感で歯切れも良く、麺肌の適度な凹凸がトロトロのスープをしっかりと絡め取ります。
博多や久留米の麺とも二郎インスパの麺とも別物なので、しっかり茹でて冷水でしっかりと〆ましょう。
 
付属トッピングは1cm厚に縦スライスされたブ厚い豚バラチャーシューが1枚。
味付けは淡めで軟らかく煮られていますが、スープに浸しておくとよりトロトロにとろけます。
 
ラーメンのスープにただ甘辛酸を加えてつけ麺アレンジしたようなタイプとは訳が違う、
個性的なバランス感のある一品で、スープ量がたっぷりなのも嬉しいところですね。
麺量は約250gもありますが、まだイケるという方はお代わり用に麺や米を用意しておくとよいです。
 
あと豚骨ラーメン同様にニンニクは勝ち確です。ネギ、玉葱もお好きな方はお好きなだけ用意しておきましょう。
青菜や海苔などの家系装備や、キクラゲ、白胡麻といった博多スタイルもお勧めです。
 
 
それから宅麺さんにですが、2025/4/8時点において、店名「sclabo」で検索しても、「つけ麺」や「豚骨」で絞り込んでも本商品にヒットしないので、商品ページが正しく紐付けされているか確認したほうがよいと思います。

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2025年04月02日

スープはクリアに澄んだ無化調淡麗醤油清湯。
出自のLab Q同様に比内地鶏と新得地鶏を中心とする複数の地鶏と国産のブランド豚をベースとしていますが、
鶏の深みと重なるようにしっかりとした豚の厚みがあり、鶏油は雑味なく豊潤な風味とコクを与えてくれています。
醤油返しは生揚げ醤油特有の黒い色味で深みある香り豊かな味わいですが、塩分濃度は約1.8%と濃淡の匙加減が秀抜で、麺を活かしつつスープ単体でも完飲出来る絶妙な塩加減となっています。
 
麺はスクエア型の角刃中細ストレート。
春よ恋特等粉などの高級な北海道産小麦粉を複数ブレンドした自家製麺で、滑らかできめ細かいシルキーな麺肌、
瑞々しい質感、しなやかなアシの長さ、ふんわりもっちりとした弾力性、そして噛むほどに広がる抜群の風味と甘味。
冷凍のため実店舗のQLTには及びませんが、それでもひと口啜れば一瞬でモノの違いを感じられると思います。
 
付属トッピングは地元青森産の自然豚を使ったチャーシューとメンマの2種。
チャーシューは炭火でレア状に焼かれたモチモチ軟らかいスモーキーなモモとロースのスライスが1枚ずつで、良質な素材自体の味を引き出したシンプルな味付け。
メンマは節が穏やかに香るやや太めのシャキシャキ食感。
メンマとチャーシューが重ねてパックされている為、チャーシューにメンマの味と香りが移ってしまっていたのが残念でした。
チャーシューとメンマはセパレートにして欲しかったかも。
 
半年前に実店舗で頂いて以来のオールウェイズでしたが、出自のLab Qや飯田、FeeLあたりにも引けを取らない、淡麗系では宅麺ラインナップ内でも最上位クラスに位置する超一級品だと思います。
 
ただあのオールウェイズの新発売という事で、当然抽選販売だと思って気を抜いていたらまさかの先着販売だったので、開始時間直前になって若干焦りました(汗

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