2025年08月06日
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40代/男性
・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です
・プラチナ会員ですが抽選販売はクジ運悪く大抵先着販売で買っています
・店主へのリスペクトと、同じ飲食に携わる者として、プロの作った作品に点数など付けられないという理由で、星は基本的に全部5にしています
2025年08月06日
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スープは臭みのない豚骨醤油で、カエシの味からは二郎インスパイアを意識したカネシ緑ラベルの存在を感じますが、塩分濃度は約2.3%、Brix値は約11.1%とインスパ系の枠内では比較的やや薄口で、上品かつあっさりまろやかなあまうま味となっています。
画像で分かる通りの微乳化タイプですが、食べ進むにつれ麺のデンプンがスープに回り、乳化が進むと共にまろみが増してゆき、最終的にはクリーミーな乳化状態となります。
別パックのカラメを追加すると、そこに塩味のキレが生まれ、甘味旨味もより濃くなり、全部足すと完飲困難なレベルのインスパ系らしい強烈な濃口となります。
ちなみに二郎系の「カラメ」はヤサイの上からかけるのが一般的な使い方なので、モヤシとキャベツはたっぷりと用意しておきましょう。
麺は角刃極太平打縮れ麺。オーション配合の色合いとグルテン性を感じる直系っぽいプリモチの弾力性ですが、伸びにくさも持ち合わせており、加水率もボーメ度も二郎インスパ系の中では独自色のある配合になっていると思います。
またピロピロとした規則的な強い縮れ方も特徴的で、噛む場所による食感の違いもアクセントになっています。
付属トッピングは個別パックの刻みニンニク、味付アブラ、そしてInスープで極厚サイズのブタが2枚。
ホロギュチのウデ肉とブリブリのバラロールが1枚ずつで、どちらも筋繊維に適度な反発力があり、角煮のような軟らかフワトロタイプではありませんが、
ph調整や煮込み過ぎない事で保水と肉自体の旨味を逃しておらず、味付けも濃すぎず薄すぎずの程良い塩梅。
味付アブラも背脂の弾力を残してあり、スープ、麺、ブタ、アブラの全てが素材本来の旨味と食感を活かした調理法となっています。
5〜6年前に頂いたチヒ郎やベジ郎とは別タイプでしたが、当時のバージョンと比べたら典型的な二郎インスパのイメージに寄った印象です。
ただ個性という面では八咫烏式二郎系と同じようなアプローチに感じられ、二郎インスパ系という一般的な型にピッタリはめる事なく、独自の解釈で表現したオリジナリティの高い一杯になっていると思います。
なおトッピングは海苔、ネギ、ほうれん草、玉葱、ウズラなどの家系・商店系装備も合いそうですね。
ヤサイと味付背脂は別皿でアブラサラダにしたり、ブタはご飯に乗せてカラメをかけてチャーシュー丼にしたり、スープとカラメだけ使ってつけ麺にアレンジしたり、使い方次第で色々な楽しみ方が出来そうです。