元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です
・プラチナ会員ですが抽選販売はクジ運悪く大抵先着販売で買っています
・店主へのリスペクトと、同じ飲食に携わる者として、プロの作った作品に点数など付けられないという理由で、星は基本的に全部5にしています

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2026年01月07日

スープは大量の煮干、及び鶏ベースの動物系を炊いた醤油仕立て。
麺の強さに対して塩味はやや薄めですが、醤油感を抑える事で出汁の風味をより際立たせており、
伊藤に似た煮干感がありつつもニボニボとはしておらず、仄かなトロみと鶏油のコクに動物系のどっしりとした旨味もあり、麺に負けない力強さが感じられます。
ただ薄味と言っても塩分濃度自体は約1.8%としっかり高いので、ジャンク舌の方は醤油をドバドバ足したりしないよう注意です。
 
なおスープ量は麺量と比較してやや少なく、麺が浮島のように水面からモッコリと顔を出したようなフォルムとなりますが、
このあたりも伊藤同様に麺とスープ両者のバランスが計算された配分になっているようです。
このラーメンは麺が主役で、スープは麺の味付け役なので、スープ量がたっぷり欲しい方もここでは我慢しましょう。
 
麺は自家製の角刃手揉み太麺。
渡辺といえばこの硬めのツルボキ麺が最大の特長で、時間経過と共に麺がスープを吸い上げ、より味わい深く、
かつ食感もワシゴワのソリッド感からブリッブリのコシの強い弾力へと変化してゆくので、天地返しを繰り返しながら食べ進むようにすると麺全体が偏る事なくスープに馴染んでゆきます。
 
硬いといっても二郎系や蓮爾系の麺とは別タイプですが、もっとカタメでもよいというワイルドな方は2分位の短めに茹でて超カタ仕様を味わってみるのもよいかもしれません。
ヤワメ茹では実店舗でも対応してくれていましたが、この麺は硬いからこそ持ち味を発揮出来ると個人的には思っています。
 
なお茹で湯は3リットルほどたっぷり用意する事が最重要です。
麺量が2人分以上もある超ボリュームの為、小さい手鍋で2リットル以下の熱湯だといくら事前に沸騰させていても冷凍麺を入れた途端に温度が急激に下がり、
デンプンのα化が進まず、本来の味とは程遠い状態になってしまいます。
 
付属トッピングはチャーシューと穂先メンマの2種。
チャーシューは豚バラ肉の厚スライスで、トロフワに軟らかく、素材を活かした淡めの味付け。
穂先メンマは長太のシャキシャキ食感でほんのり甘め。麻竹の発酵臭が良いですね。
 
系統的には山形のケンチャンラーメンに近いものを感じますが、ケンチャンよりも煮干が立っており、麺もハードです。
それでも数年前に実店舗で頂いた時に比べ麺は多少スリムになった感じで、煮干も産地を変えているようで、全体的に食べやすくなったイメージがありましたが、
渡辺の麺から伝わる比類なきパワフルなインパクトは今も変わらず存分に味わえると思います。
 
とにかく麺が超大量で、噛む顎にも負荷が掛かるので、大食いでない方なら2人でシェアすれば丁度良いくらいの満腹感が得られると思います。

4

2026年01月07日

スープは真鯛のカシラとアラをオーブンで焼いてじっくりと炊き上げた鯛出汁とアサリ出汁のWスープ。
琥珀色に澄んだ清湯で、真鯛の芳醇でリッチな甘味と香ばしい風味、そしてアサリの旨味が味に奥行きとコントラストを生み出しています。
 
スープ自体はあっさりながらも塩分濃度は約2.1%とやや強めで、鯛自体の脂とラードによるこってり感も演出しており、
濃い口の潮汁のような上品な和の味にラーメンとしての要素もしっかりと加えられています。
 
また以前はアサリではなくホンビノスを使っており、ホンビノスの頃の濃厚なコハク酸の旨味に比べると現在はややキメ細かい味わいとなりましたが、
その分真鯛の風味と旨味がクッキリかつ繊細に感じられるようになった印象です。
 
麺は自家製のワイド型手揉み太縮れ麺。
切刃番手の一般基準だと極太に分類される噛み応えのある太麺で、全粒粉を多めに配合したブランの香りが特徴的。
食感的にボーメ度はやや低めに感じますがコシ自体は強く、モチプリの弾力で表面はツルツルと滑らか。
小麦粉の配合やかん水の量からも麺の香りを特に大事にしているのが伝わってきます。
 
付属トッピングはInスープで、コリコリの細切りメンマとアサリの剥き身、チャーシューの3種。
チャーシューは豚バラの厚スライスで、味付けはシンプルな醤油味。ふっくらトロトロに軟らかく煮込まれ、表面は香ばしく炙られています。
 
ただInスープのため、チャーシューとメンマの香りが魚介の風味にやや回ってしまったのが若干気になりました。
初見の方は全く問題ないと思いますが、普段から中華そばを食べ慣れている金子の常連さんだと僅かな違和感を覚えるかもしれません。
 
金子は山形市でも屈指の名店ですが、実店舗ではガッツリ系のラーメンも人気なので、そちらのリリースにも期待したいところですね。

5

2026年01月07日

スープはゲンコツ、背ガラ、頭骨を長時間炊いたまろやかな豚骨ベースですが、臭みやドロ感はなく、鶏のコラーゲンも溶け出した、まろやかでコク深い風味と口当たり。
 
カエシには甘口の濃口醤油が使われているようですが、様々な食材から旨味と甘味が抽出されており、
そこに玉ねぎ脂と焦がしニンニクの香ばしいアクセントも加わって、無化調ながらパンチ不足に陥いる事なく、ややオイリーでパワフル且つ優しい味わいにまとめ上げられています。
 
麺は中加水角刃中細ストレート。しなやかでプリモチの食感ですが、何より小麦の甘味と風味が素晴らしいですね。
博多長浜の低加水極細麺とはタイプ的に別物なので、下手に硬めにせず、2リットル以上の熱湯で指定時間通りしっかりと茹でましょう。
 
茹で湯の量が少なかったり茹で時間が短いと麺のα化が不十分となり食感がボソつく上、
モチモチとしたコシの強さも喉越しの良さも小麦の甘味も生まれず、スープとの絡みも悪くなります。
 
付属トッピングはInスープのチャーシューとキクラゲの2種。
チャーシューは脂身までプルトロに軟らかく煮込まれた豚バラ肉の厚スライス2枚で、味付けも肉質も抜群。
キクラゲは胡麻油で甘辛に炒められています。
 
 
鹿児島ラーメンは同じ九州でも長浜や久留米や熊本のラーメンと違って、「昔ながらの鹿児島ラーメン」というものが何種類かあるのが逆に特徴だったりします。
 
ただ本品を幾つかある伝統的なスタイルに個人的なイメージで当てはめてみると、
のり一のようなすっきり塩清湯系とも、さだのようなあっさり鶏白湯系とも異なり、
強いて言うなら小金太、柿の木、ふくまん、ざぼん、我流風あたりの、一般的に鹿児島ラーメンとして広くイメージされているさっぱり豚骨系のスープを、
もったりこってり濃厚に仕立てて、軸は残しつつもインパクトは強く、それでいて垢抜けさせたようなイメージでした。
 
金斗雲が進化形鹿児島ラーメンと銘打っているのに対し、こちらはブラッシュアップされた鹿児島ラーメンといった感じですかね。
 
野菜の水分と臭みにも負けないパンチがあるので、相性抜群の青ネギと茹でモヤシだけは忘れずに用意しておきましょう。
鹿児島ラーメンを完成させる上で野菜のトッピングは必要不可欠な要素となっており、特にもやしは二郎系のように若干ヘヴィな油分をリセットする役割も果たしてくれます。

6

2025年12月17日

タレはコク深い醤油ベースで、豚バラ肉の濃度の高いどっしりパワフルな風味と旨味を感じますが、獣臭はなく、塩味も化調も結構な濃口。
また液状の豚背脂もたっぷりで、醤油ダレとあわせて汁気の多いタイプとなっています。
 
麺はややうねった平打の太麺で、ツルピロの滑らかな麺肌とモッチリとした弾力。浅草開化楼だったと思いますが、数年前の麺よりもソフトな感じですね。
何にせよタレが多いのでしっかりと湯切りし、タレがトロトロに乳化するまで頑張って入念に混ぜましょう。
タレを乳化させる事でシャバシャバとした水っぽさが無くなり、シャープなキレが取れてまろやかな味わいとなります。
 
付属トッピングは魚粉のみなので、その他のトッピングは乗せたいものを事前に用意しておきましょう。
商品内のチラシに手書きの付箋で「全卵入れて下さい」と貼られている通り、生卵はマストです。
全卵を混ぜ合わせる事で醤油のキリっとした角がコーティングされ、マイルドな口当たりに仕上がります。
 
なおトッピングを乗せるのは麺とタレを混ぜ合わせた後です。
麺とタレを混ぜ合わせる前にトッピングを乗せて一緒に混ぜてしまうと、トッピングもタレを吸収し、混ぜにくく、ムラのある水っぽい味になってしまうので注意しましょう。
また麺量が多いので、丼は大きめのサイズを用意しておいたほうが作りやすいです。
 
私は全卵、白髪ネギ、刻みニンニク、魚粉、海苔の必須5品の他に、桜海老、フライドガーリック、とろろ昆布、
フライドエシャロット、博多万能ネギ、チャーシュー、紅生姜、豚背脂、金胡麻をトッピングしてみましたが、
タレが豚出汁なので、魚介類よりも肉類や野菜類のほうが豚の風味を壊さずに仕上げられると思います。
 
また麺が終わったら追い飯で2度楽しむのも混ぜそばの醍醐味です。付属トッピングが魚粉のみとコスパ的にはやや物足りなさも感じますが、
麺量は300gと2人分もあるので、追い飯まで含めて2人でシェアすると、ボリューム的にもコスパ的にも丁度良くなると思います。
 
商品名は卵かけ麺ですが、麺を冷水で締めるタイガー系のTKMとは別タイプで、また油そばとも違い、フォーマット的には二郎インスパ系混ぜそばに近いイメージですね。
塩分濃度はかなり高いので、卵がお好きな方は温泉卵を追加したり、生卵ダブルで行くのもアリです。

10

2025年12月10日

スープは豚肩ガラの柔らかい旨味とコラーゲンのとろみ、鶏ガラの風味と厚みが共存するまろやかな口当たりの豚骨醤油となっています。
 
塩分濃度は約2.5%と濃め寄りですが、カエシからは尖ったシャープさの無いクラシック系のようなすっきり穏やかなキレもあり、
武蔵家ほどのドロ感や雑味はないものの、熟成感のある旨味と豚骨臭は充分で、親鶏100%の香り高い黄金鶏油もスープに深いコクと旨味を与えています。
なお鶏油はやや多めなので、開封前に軽く振って鶏油をスープに行き渡らせてから丼に注ぎましょう。
 
麺は酒井製麺の逆切り中太家系麺ですが、以前使っていたB麺ではなく杉印になっていて、麺を確認した瞬間ハートを鷲掴みされました。
吉村家直系店などのごく一部にしか卸されない杉印は酒井の標準タイプよりも更に短く、
ふんわりプリモチとした個性的なコシがあり、カタメよりも普通かヤワメに茹でる事でポテンシャルを最大限に発揮します。
 
付属トッピングのチャーシューは直系タイプの吊るし焼きではなく、六角家系譜の豚モモ煮豚スライスが1枚。
ややギシった食感ですが、25年くらい昔の出店直後の中板橋武蔵家に似た感じで、個人的にはノスタルジックな満足感に浸れます。
解凍は湯煎だと繊維質が縮まり硬くなるので、出来れば流水が好ましいです。
 
ちなみにほうれん草や小松菜などの青菜は付かないので、必要な方は各自用意です。
あとライスもガッツリ用意しておきましょう。嬉しい事にスープ量タップリで、海苔も5枚も付けてくれています。
 
裏武蔵家はオープン時に頂いて以来ですが、その際に頂いた裏むさや定番ラーメンから感じたパンチの強さは影を潜め、
今回頂いたものは以前に比べるとマイルドな構成で、全体的なバランスが整えられており、
直系っぽさもありつつ、カエシやガラなど細かい部分で自由度が感じられる、日々進化している武蔵家系というイメージでした。
 
現在宅麺で販売されている野良裏家は裏武蔵家の2号店ですが、野良裏家は裏武蔵家とはまた違った個性が発揮されているので、食べ比べてみるのも面白いと思います。
 
 
なお説明書きにもある通り、麺は前日晩からの冷蔵解凍をお勧めします。
冷凍生麺の冷蔵解凍は結露や乾燥による品質劣化を招きやすいので本来はNGですが、
酒井製麺の家系麺は冷凍だと麺同士がくっついている事が多いため、茹でる前に解しておけば茹でミスを確実に防げます。
 
解凍出来たら麺同士を優しく剥がすように解し、乾燥しないよう手早くばらけさせ、解したら放置せずすぐに茹でましょう。
茹で始めたらなるべく触れず、対流で自由に泳がせてあげて下さい。茹でながら箸で解そうとすると、麺肌が傷付き、千切れたり、食感が悪化したり、伸びやすくもなるので絶対にやめましょう。

13

2025年12月02日

カシミールカレーはデリーのカレーメニューで最も辛く、辛味をストレートに感じられるようトロみをなくし、シャバシャバのスープ状にしているのが特徴です。
 
辛さの他にも、ブイヨンの深いコクと旨味、フルーティな甘味と酸味、クミン、カルダモン、コリアンダー、クローブ、シナモン、アドワラッスンなどのスパイスによる爽やかな香り、
チリの鋭くキレのある刺すような刺激など、多数の構成要素による緻密な計算によって味が作りあげられています。
 
また艷やかで黒みを帯びた色合いをしていますが、こちらは金沢カレーと同じようにカラメルと玉葱などで色味が付けられています。
 
ライスは辛口のカレーと相性の良い甘味の強いジャポニカ米を使用し、シャバシャバのカレーに合わせてやや硬めに炊かれています。
画像5枚目のような耐熱容器に入っているので、そのままレンチン解凍でOKです。
 
具材はホロホロと崩れるくらいに軟らかく煮込まれたゼラチン質の牛ほほ肉が大きなぶつ切りで4〜5個ほど別パックに入っています。
ただ銀座店で以前頂いた牛ほほ肉の味と違い、肉質と冷凍の関係かやや臭みが感じられた為、
気になる方は適度な大きさに解して、カレーをしっかり染み込ませてから頂くとよいです。
なお宅麺では牛バラ肉バージョンも販売されているので、そちらと食べ比べてみるのも面白いと思います。
 
またカレーに加える際、パック内に油分が溜まっているので、封を開けて直接流し込まずに、油が入らないよう具材だけ移すようにしましょう。残った油はラーメンの香味油や炒め物などに再利用出来ます。
 
その他マサラもたっぷり付いてくるので、よりスパイシーにキメたい方はお好きな量をお好みで。
シナモンが鮮烈に香るフレイバー重視のマイルドなマサラなので、これ以上辛くなる心配はありません。
 
デリーは全国的に有名な老舗ブランドで、暖簾分けされたお店やレトルト販売もあり、カシミールカレーも何らかの形で食べられた方も多くいると思いますが、初見の方はシャバシャバのスープ状と強い辛さにちょっとした驚きがあるかもです。
 
私は今回ラッシーを添えて万全の態勢で臨みましたが、実店舗のようにふかしたジャガイモをカレーに加えると、美味しい上に舌の逃げ場も出来るので、辛さ対策にもお勧めです。

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