元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています。
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています。
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に。
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です。
・プラチナ会員ですが抽選販売は直近29回中26回落選、新商品は全滅で毎回先着販売で買っています。
・麺が解れない原因は強く固めているからではなく、打ち粉が少ないか、配送時の結露による麺表面の糊化が考えられます。コツとしては思い切って麺を取り出してレンチンし、軽く解して茹で直すと解決出来る場合があります。

  • レビュー数 600
  • 役に立った数 205

2025年05月28日

わいずのセカンドブランドのお店ですが、本品は一昨年に閉店した歴史的名店、丸長中華そば店(荻窪丸長)のインスパイアメニューという事で、スープは動物と魚介のサラサラとした甘辛酸の醤油清湯。
醤油の塩味と深み、鶏豚の旨味と厚み、節煮干の風味、豚挽肉の肉感、背脂と鶏油のコクが交わったパワフル味わいで、
更に大量のトッピングも加わる事により、スープ量の少なさを感じさせないボリュームと食べ応えになっています。
 
色合いは再仕込醤油による黒味が強く、唐辛子と胡椒のピリピリとした辛味が効いていますが、荻窪丸長感をもっと出したい方は白胡椒を5振りほど追加しましょう。
ちなみに黒い粒々は黒胡椒ではなく焦がし唐辛子によるもので、胡椒はホワイトペッパーなどのブレンドスパイスが使われています。
 
化調もガッツリ投入されており、塩分濃度は約2.1%とつけ麺では概ね平均的ですが、糖分濃度は約25.3%と非常に高く、
酸味もしっかり効いているので、昔ながらの甘酸っぱいつけ麺が苦手な方は注意です。
 
 
麺はスクエア型の多加水角刃太麺。荻窪丸長は自家製麺でしたが、こちらは菅野製麺所から卸しているようです。
荻窪丸長の瑞々しいソフトなタイプとは一味違う現代的なコシの強いムチプリの弾力で、カットも荻窪丸長より短く2/3くらいの長さ。
かなりの拘りが伝わる特注仕様なのですが、冷凍による折り目のクセが付いているため、通販での再現度は今ひとつ。
 
ただ9分〜9分半くらいしっかり茹でると荻窪丸長を彷彿とさせるような小麦の甘味が引き立つツルモチ食感に仕上がるので、硬さより味を重視する方は長め茹で推奨です。
ちなみに荻窪丸長は10〜15分くらい茹でていたので、本家や東池袋大勝軒のあのヤワフワ麺が好きだったというガチ勢の方は何も恐れずに10分以上茹でましょう笑
 
 
付属トッピングは短冊状のメンマとチャーシューがどっさり。
メンマは本家の軟らか食感と異なる硬め仕様。チャーシューはギュチ豚ですが脂身のバランスが良く、スープに沈めておくと次第に軟らかくなります。
個別パックの刻み海苔はざる蕎麦のように麺に飾りましょう。
あと輪切りの長ネギは荻窪丸長の味を作る上で決して欠かせない必須トッピングです。長ネギが有ると無いとでは完成度に雲泥の差が生まれるので、多少なりとも用意したほうがよいです。
 
 
確かに荻窪丸長スタイルを踏襲したレプリカとなっていますが、ガラは本家よりも濃厚に出ており、完全再現を目指したというよりは、作り手の好みも反映された喜富式リメイクという見方のほうがイメージ的に近い気がします。
 
ただ甘味酸味のバランスは本家に忠実で、冷めても美味しいのがつけそば本来の姿であり、だからこそ麺は冷たく締め、スープはぬるい状態でも美味しく頂けるように甘味酸味で味を調整したのが丸長や大勝軒の味なのですが、
自宅ならそこまで堅くならず、スープが冷めるのが嫌でしたら普通にレンチンすればよいと思います。ただし加熱し過ぎると酸味が飛んで甘味だけが残るので気をつけましょう。
 
自分好みにお酢を垂らすのもよいですし、喜富実店舗には黒七味も用意されています。またおろしニンニクは丸長の卓上にもあった抜群に合う味変アイテムで、とてもお勧めです。

4