元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です
・プラチナ会員ですが抽選販売はクジ運悪く大抵先着販売で買っています
・店主へのリスペクトと、同じ飲食に携わる者として、プロの作った作品に点数など付けられないという理由で、星は基本的に全部5にしています

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2025年07月30日

スープは無化調の動物魚介ベース。塩分濃度は高めの約2.0%で淡口醤油ブレンドのキレがあり、馥郁とした煮干の香りが鼻孔をくすぐります。
そもそも節や動物系との旨味の組み立ても秀逸なのですが、やはりせたが屋系譜の煮干感というのが大きな特徴として表れている思います。
また少量浮かべた背脂粒の甘味も良いアクセントで、豚鶏油が旨味とパンチの後押しになっています。
なおスープ温を沸点近くまで上げると魚介の風味が飛んでしまうため、熱々にし過ぎないよう、湯煎の温度とかけ過ぎには注意しましょう。
 
麺は菅野製麺所の全粒粉入り低加水角刃細ストレート。
歯切れの良さとは異なるムチコリの弾力性で、ブランの香ばしさと舌触りがスープの煮干感と絶妙にマッチしています。
奈つやの美味しさの決め手はこの麺とスープのマッチングの妙にあると思っています。
 
付属トッピングはたまり醤油で褐色に染まった甘旨メンマ、トロトロに軟らかいバラスライス煮豚、香ばしい吊るし焼きの肩ロース焼豚、そして雲呑が2ヶ。
やや厚みのある雲呑はもち小麦を使ったトゥルントゥルンの舌触りとモッチモチの弾力で、その中には生姜の効いたジューシーな豚肉餡が詰まっています。
解凍は冷蔵で。解凍前に乱暴に扱うと皮が割れてしまい、解凍後も雲呑同士を強引に剥がそうとすると破けてしまうので、優しく丁寧に扱いましょう。
 
奈つやは味は勿論のこと、接客と雰囲気の良さも人気の所以の一つだと感じています。
ハードルの高い超人気店なので予約を取るのも大変ですが、ここは冷凍品よりも実店舗の実物を一度は頂いておく事をお勧めします。
 
あとあまり語られる事もありませんが、個人的には奈つやのメンマは全国的に見てもトップクラスの逸品だと思っています。
硬くも軟らかくもない絶妙なミディアム食感にスッキリとした甘味と旨味、深いコク。麺を待ちながらメンマを摘みつつ黒ラベルで一杯、というのが個人的な奈つやの醍醐味です笑

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