元料理人で現コンサルなラヲタ

40代/男性

・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です
・プラチナ会員ですが抽選販売はクジ運悪く大抵先着販売で買っています
・店主へのリスペクトと、同じ飲食に携わる者として、プロの作った作品に点数など付けられないという理由で、星は基本的に全部5にしています

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2025年11月11日

スープは家系を意識した豚骨醤油ですが、家系の特徴的な醤油のキレは弱く、旨味とコク、野菜の甘味と香りが味のベースを担っています。
塩分濃度は約2.2%と家系基準では多少控え目で、鶏油も比較的少なく、動物臭もないライトなガラ濃度で、万人に食べやすい仕様にしているようです。
舌触りはかなりまろやかで、デンプン由来のとろみを感じますが、個人的にはこのとろみにより化調の強い旨味が舌に残ってしまう点が気になりました。
 
麺はワイド型のザラモチ中太緩ウェーブ。
酒井っぽさを感じる太さと17cmの短尺で、平打ではなく家系スタイルの逆切りとなっており、
失礼ながら当初抱いていたイメージと違い、ちゃんとした家系麺が使われています。
 
付属トッピングはトロットロにとろける軟らかい厚切りバラロールチャーシューが1枚。家系感はないものの、こちらも万人受けを狙った人気のタイプとなっています。
なお海苔と青菜は付かないので各自で事前に用意しましょう。
 
また行者にんにく漬けも1瓶付いてきますが、味付けは醤油よりも化調と添加物がベースで、ケミカルな旨味甘味酸味となっています。
食感は良いですが風味は抜けており、正直高い品質は望めませんが、ラーメンのトッピング以外にもそのまま肴にしたり、ご飯やお粥のお供にしたり、
炒飯やおにぎりの具材にしたり、冷奴や豚しゃぶや蒸したじゃがいもに乗せたり、ナムルや納豆に混ぜたりと色々なアレンジが可能です。
 
ラーメンは資本系の家系インスパイアですが、直系、クラシック系、武蔵家系といった正規の家系のトレースはしておらず、
また亜流の商店系や現在の壱系など、同じセントラルキッチンスタイルの工場スープの中でも一味違った個性を見せる事により、
他の資本系とは味の面でもターゲットの面でも差別化が図られているように感じます。
 
何より麺がしっかりと家系しているので、私のような年季の入ったゴリゴリのハウザーでも意外と楽しめましたが、
海苔と青菜が付かない上に送料込みで一杯4,500円弱というハワイ価格なので、コスパは低く感じてしまう方もいるかもしれません。ただ、そのインパクトも含めたマーケティングの一環なのでしょうね。

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