2026年05月19日
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40代/男性
・仏伊中印料理の元シェフで、現在はコンサルティングに携わっています
・宅麺は主に製麺・スープ開発の参考用に利用しています
・麺の加水率やスープの甘い、塩っぱい、辛い等は主観ではなく、全て検査器により数値化した絶対値及び相対値を元にコメントしています。答え合わせのご参考に
・味覚検定チョコEASY・NORMAL・HARD全問正解(全問正解率1%)
・ラヲタ歴35年以上、春木屋・丸長・土佐っ子の味で育ち、家系直系・二郎直系・東池袋大勝軒直系は何周もしている元ガチ勢です
・プラチナ会員ですが抽選販売はクジ運悪く大抵先着販売で買っています
・店主へのリスペクトと、同じ飲食に携わる者として、プロの作った作品に点数など付けられないという理由で、星は基本的に全部5にしています
2026年05月19日
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鯛とアサリのWスープ、というのは同店商品の中華そばと共通していますが、
中華そばが真鯛のカシラとアラをオーブンで焼いて上澄みのみを使用した上品なあっさり非乳化一番搾りスープなのに対し、
こちらは鯛の骨までじっくり炊き上げた濃厚スープに豚背脂も浮かべて醤油カエシをキレキレにキメた、ガッツリ系のコッテリ微乳化フルボディスープとなっています。
塩分濃度も約3.3%と海水レベルに高く、甘味と旨味も塩味に合わせたバランスで整えられているため、味自体は数値通りの超ショッパー仕様ですが、
出汁と脂分も塩味に負けない濃度なので、味が塩味甘味に偏る事なく、コクと旨味の層にかなりの厚みと深みが感じられます。
魚介の風味はしっかり出ていますが臭みはなく、直感的に脳と舌が「美味しい」と判断してしまう中毒性のある味わいで、
背脂粒も上質なA脂が使用されており、トロトロに柔らかく甘味も抜群。背脂までそつなく美味しいという点も大きく評価されるべき部分だと思います。
麺は自家製のワイド型手揉み太縮れ麺。ゴツゴツとした太麺で、全粒粉を多めに配合したブラン(ふすま・小麦の外皮)の香りと強い噛み応えが特徴的。
食感的にボーメ度はやや低めに感じますがコシ自体は強く、モチプリの弾力で表面はツルツルと滑らか。
小麦粉の配合やかん水の量からも麺の香りを特に大事にしているのが伝わってきます。
濃口のスープにも負けないパワフルな麺で、スープの塩辛さとの対比効果により小麦の甘味と香りも麺を噛むほどに舌に広がり、スープの味と一体化します。
またガッツリ系という事で、硬い麺がお好きな方はやや短めに茹でて、ワシゴワのハードな食感に仕上げてみるのもお勧めです。
付属トッピングはInスープで豚バラチャーシューの厚スライスが1枚。
表面を香ばしく炙り煮込んでタレ漬けした焼煮豚タイプで、ホロホロに柔らかい食感ですが、塩辛いスープに沈められているため、味染みも結構濃い目。
ただ味がショッパーな分ヤサイも捗り、生卵にディップするスキヤキ風という食べ方とも抜群に相性が良かったりします。
またお勧め調味料のワサビはツンと鼻に抜ける刺激がスープを爽やか且つ軽やかに味変してくれます。
魚介スープなのでJ系(二郎インスパイア系)っぽさはないものの、フォーマット的にはしっかりG系(ガッツリ系)として構成されており、
追加トッピングを何も乗せない麺とスープだけの素の状態で食べてしまうと、ガッツリ感も二郎インスパ感もないただの塩辛い背脂魚介ラーメンにしかならないのですが、
ヤサイとニンニクを乗せてアブラやスープと合わせた途端、魚介なのに何故か不思議とG系の味として成立してしまうのが非常に面白いポイントです。
魚介出汁のG系はせたが屋の魚郎など全国的に見るとそこまで珍しくもありませんが、何よりもG系としての完成度自体が非常に高く、
現在の宅麺の二郎インスパ系というカテゴリー内では唯一無二といっても過言ではないような、非常に個性的で独創的でオリジナリティに溢れた秀逸な逸品だと思います。
とにかく実店舗のデフォルトトッピングであるモヤシとニンニクという必須要素を加えないとG系の味にはならないので、最低でも茹でモヤシだけは多少なりとも用意しておきましょう。
モヤシの上からスープと背脂をかければヤサイがアブラサラダとなり、美味しさが更に何段階もグレードアップします。
ちなみに乗せるヤサイの量はスープの味がかなり濃いので、モヤシは400g(2袋)以上たっぷり乗せても大丈夫です。
画像はモヤシ400g、ネギ約1/4本分程度を乗せた状態ですが、ウチの若いスタッフは残ったスープでモヤシを替え玉していました笑
もっと沢山食べたい方は600g以上乗せて山のようなマシマシ仕様にするのも良いと思います。
400g乗せて天地返しした後でもスープは完飲不能のショッパー状態だったので、常軌を逸するようなモヤシ量でもなければ味が薄まり過ぎる心配はないと思います。
ちなみに実店舗でヤサイマシマシにするとモヤシを画像の倍(約7〜800g)くらい乗せられます笑
コッテリなのにアッサリ、ギットリなのにスッキリ、濃厚なのに後味はサッパリとした間口の広い味わいで、麺量も200gとG系では比較的少な目なので、
二郎インスパ系やガッツリ系が苦手な方や普段あまり食べない方でも美味しく頂ける一杯になっているんじゃないかなと思います。
あとスープの塩辛さを利用してつけ麺スタイルで何食かに分けるというコスパの高い裏技もあります。
市販の中華麺を人数分用意しておき、金子の麺と市販の麺を別々に茹でて水で締め、スープを2〜3杯に分ければ、1食分の値段で2〜3食分のつけ麺が作れたりします。