2025年07月30日
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全625件のレビュー中 1-25件目
2025年07月30日
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2025年07月30日
スープはクリアに澄んだ、がんこでは通称「上品」と呼ばれる動物魚介の塩清湯。背黒と烏賊の煮干に昆布の濃い旨味が独特で、
塩分濃度は約2.7%と一般的なラーメンに比べて非常に高く、がんこらしいキリッとした強い塩味となっています。
がんこ系が初めての方はこの塩辛さに驚かれるかもしれませんが、このしょっぱいスープこそがんこ系の特長で、東京のニッチなラヲタ界隈では昔からカルト的な人気を博してきたのですが、
濁った牛骨ベースにカエシを加え更に塩辛くした「下品」と呼ばれる濃厚ショッパースープや、下品を上回る「悪魔」という超々ショッパーなラーメン限定の金曜日は、家元から一見ぽいお客さんに「今日は悪魔だから物凄くしょっぱいよ」と注意喚起されているシーンを西早稲田時代の店内で何度か見てきました。
麺はサッポロめんフーズの黄色味が強い角刃中細ストレート。
がんこをイメージしたボキボキのカタメ食感に仕上げるなら、茹で時間は指定よりも短い50秒程度でもよいかもです。
付属トッピングは紫蘇油、豚肩ロースチャーシュースライス2枚、魚介風味のコリコリメンマ。
紫蘇油はスープの塩味に負けないパンチがあり、青紫蘇の爽やかな香りがスープに清涼感を与えてくれます。
この紫蘇油はいきなり加えず、最初はスープを素の状態で味わい、途中から味変で量を調節しながら足してゆくとよいです。
現在の四谷実店舗では紫蘇塩を頂いた事はなく、しそ塩は町屋にあったがんこ八代目で頂いた事がありますが、本品は八代目のしそ塩とはまた別の味わいで、
宅麺CK製というのも関係しているのかがんこにしては出汁感の弱さが気になったものの、ショッパーな塩味はちゃんとがんこでした。
ちなみにご勇退されたがんこ創業者の一条家元は東京のラーメン界では大勝軒の山岸マスター、二郎の山田総帥と並ぶ昭和のカリスマで、私も30年くらい昔は牛骨がぶら下がった黒テントへ集団催眠のように吸い込まれてゆく客の一人でした笑
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2025年07月30日
スープは黒さつま鶏、みやざき地頭鶏といった銘柄鶏のガラと丸鶏をベースに、いりこや羅臼昆布などの魚介を合わせた無化調淡麗醤油清湯。
塩分濃度は約1.8%ですが、塩味の強さは感じさせず、生揚げ醤油のキレと再仕込醤油のコクと甘味、嫌味のない爽やかな酸味などが出汁の旨味と重なり、繊細かつ厚みある澄んだ味わいを作り上げています。
麺はスクエア型角刃細ストレート。はるゆたか、春よ恋、きたほなみ、さぬきの夢といった高級国産小麦をブレンドした自家製麺で、
豊かな香りと優しい甘味、シルキーな麺肌としなやかなアシの長さ、プリコリからモチフワに変化する独特の食感が特徴的です。
付属トッピングは茎と穂先の繋がったミディアム食感のメンマと、チャーシューはスチコンで中温蒸しした豚バラロールスライスに、香ばしく吊るし焼きした豚外モモ厚スライスが1枚ずつ。
いずれも素材を活かす淡い味付けで、スープに脂身が溶け出すことで味変の役割も果たしてくれます。
クリアで深みある琥珀色をしたスープは表面に芳醇な香りの鶏油がキラキラと輝き、味も見た目も非常に美しい、まさに美術品のような一杯となっています。
ラヲタなら誰もが知っている超名店なので、淡麗系がお好きな方なら外せないチョイスになると思います。
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2025年07月30日
スープは帆立と滋賀県産淡海地鶏をふんだんに使用した鶏豚魚介。
塩分濃度は約1.9%とやや高めながらも、動物出汁の濃厚な旨味、帆立と白醤油のコクのある甘味が調和する事で、塩味の強さは感じさせず、
むしろ適度に乳化したまろやかな口当たりながら、味わいは非常にあっさりとしています。
スープの表面には黄金色の帆立鶏油と和歌山産ぶどう山椒の山椒油が気高く香り、僅かな痺れがスッキリとした清涼感も与えてくれます。
また帆立鶏油に加えられた帆立干し貝柱のほぐし身もスープに沈んでおり、これもひとつの具材として成り立っています。
残すのは勿体ないので、スープ完飲は出来なくとも、帆立の身だけはレンゲで掬って頂きましょう。
麺は自家製で平打気味のワイド型角刃細ストレート。
麺肌の微細な凹凸がスープを持ち上げ、コシの強いモチムチ食感と熟成感のある旨味があっさりコクまろなスープとマッチしています。
ちなみに小麦粉は純麦と同じ「せときらら」という品種が使われていますが、こちらはアミロース含有が低めなため粘性がやや高く、しっかりとしたグルテン形成が特長で、
平打麺に瑞々しい甘みと滑らかな麺肌、モチモチの弾力、伸び知らずの強いコシを生み出しています。
付属トッピングはやや甘口で歯応えの強いゴリシャキ食感の座布団メンマが2枚と、豚肩ロースを低温調理し表面を香ばしく炭火焼きしたモッチリ軟らかジューシーなレアチャーシューが2枚。
ガラ、海産物、小麦粉、調味料といった各食材が西日本産を中心に構成されており、独創性もピカイチ。スープ、麺、トッピングの全てにおいて斬新かつ統一感のある一杯となっています。
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2025年07月23日
スープは豚骨と鶏ガラを別々の鍋で炊き上げるWスープ方式の豚骨醤油。パワフルながら重みはなく、直系よりもやや雑味の抜けた上品さも感じる味わい。
塩分濃度は約2.1%と強めの塩味にほのかな酸味も感じられる醤油のキレに、Brix値は約13.0%とガラ濃度も高く、適度に微乳化したまろやかな口当たり。何より濃厚な親鶏の鶏油が味の決め手となっています。
麺は逆切り角刃平打中太緩ウェーブ。直系店と同じ酒井製麺の杉印で、吸い上げが良く、ヤワメ茹でが活きるモチフワの食感。
長さは約14センチと一般的な中華麺の半分くらいの短さですが、スープを拾いすぎず啜りやすい、家系のコッテリスープに合わせたベストな寸法となっています。
付属トッピングは豚モモ肉のチャーシューが3枚。特注の焼釜でじっくり吊るし焼きした焼豚で、しっとりモチムチの程良い燻香を残した直系スタイル。解凍は余計な熱を通さないよう、湯煎よりも流水のほうがベターです。
また板海苔も3枚付いてくるので、ライスは欠かさず用意しておきましょう。ほうれん草などの青菜とネギは付きませんが、絶対必須なので、事前準備を忘れずに。
飛粋は都内トップクラスの家系と言われる、ラヲタなら誰でも1度はお店に行っているであろう超絶人気店ですが、
濱野家、野良裏家、裏大輝家、そして飛粋と、最近の宅麺の家系ラインナップは隆盛の一途を辿っていますね。
ちなみに注意点として、麺は前日からの冷蔵解凍をお勧めします。
冷凍生麺の冷蔵解凍は結露や乾燥による品質劣化を招きやすいので本来はNGとされていますが、冷凍した酒井製麺の家系麺は麺同士がくっついている事が多いため、
解凍後に麺を解してから茹でたほうが、いくら茹でても麺が解れないという状態を未然に防ぐ事が出来ます。
解凍のタイミングは調理前日晩、若しくは当日朝に冷蔵庫へ移し、約8〜12時間程度かけてじっくり解凍が大体の目安です。常温解凍だけは絶対にやめて下さい。
解凍出来たら麺同士を優しく剥がすように解し、乾燥しないよう手早くばらけさせ、解したら放置せずすぐに茹でましょう。
茹でている間も強引に解そうとすると簡単に千切れてしまうので、優しく丁寧に扱うのがポイントです。茹で始めたらなるべく触れず、対流で自由に泳がせてあげて下さい。
触れれば触れるほど麺が傷付き、食感が悪化して伸びやすくもなるので、茹でながら箸でちょこまか弄るような行為だけは絶対にNGです。
13
2025年07月23日
スープは豚と鶏のガラを沸かさず丁寧に炊き上げた醤油清湯。
くっきりと澄んだあっさり仕立てで、塩分濃度は約2.0%と濃口醤油の塩味もしっかりと効いています。
麺は自家製の平打中太縮れ手打ち麺。
多加水の熟成された瑞々しいブリッブリの弾力と青竹打ちによる強いコシ、ツルツルの滑らかな麺肌に手揉みによるピロピロとした不規則な縮れが特長。
麺の解凍は説明書きにある通り、調理前日からの冷蔵解凍が推奨で、茹でている間も麺には構わず、対流で自由に泳がせて下さい。
麺を解そうと箸で弄ったり混ぜたりすると、麺に傷が付いたり短く切れたりするので、余計な世話は不要です。
付属トッピングはほうれん草、ナルト1枚、有明海苔2枚、メンマ3本、チャーシュー3枚と豪華な顔ぶれ。
メンマはコク深くコリコリの食感で、チャーシューは楢炭でじっくり焼き上げた香ばしいモモスライス。湯煎だとギシギシに硬くなるので流水解凍がお勧めです。
言わずと知れたとら系総本山の元祖白河ラーメンですね。とにかく麺が命なので、解凍と茹で方には特に気を配って優しく扱いましょう。
13
2025年07月23日
スープは完全無化調で、比内地鶏、TOKYO Xなどの国産ブランド鶏豚のガラと丸鶏を使用したクリアで繊細な淡麗清湯、
醤油返しは自家火入れした生揚げ醤油をブレンド、そこに浮かべるのは丁寧に抽出した濃厚で香り高い琥珀色の鶏油。
塩分濃度は約2.2%と高いながらも強い塩味を感じさせない、カエシと鶏油の緻密なバランス感が光っています。
麺はハルユタカ、さぬきの夢など数種の国産小麦粉を使い、加水率やボーメ度など毎日の気温や湿度に合わせて微調整した、
しなやかで滑らかシルキーかつ甘味旨味の詰まった芳醇な香りのモチムチ自家製角刃細ストレート。
付属トッピングは豚ロースの低温調理レアチャーシュースライスと豚肩ロースの煮豚スライスが1 枚ずつ、そしてシンプルで雑味のないメンマが2本。
チャーシューはしっとりもっちりジューシーな食感と素材の味を損なわないよう、解凍は流水か体温以下のぬるま湯で。湯煎は絶対にNGです。
ちなみに飯田商店はより美味しく頂ける盛り付け方と食べ方があり、まず盛り付けの際には1枚目の煮豚を丼中央からやや奥に乗せ、
2枚目のレアチャーシューは手前にずらして並べます。この際、チャーシューの脂身部分を手前に向けるようにします。
頂く際は、最初にスープを手前からレンゲで掬う事で、ロース肉の脂が溶け出した最高のひと口目が味わえます。
次に麺も手前から引っ張り出して勢いよく啜る、を繰り返します。
すると食べている内にチャーシューの旨味と麺の甘味がスープに溶け出し、醤油のキレが治まって、味わいが徐々に変化してゆきます。
チャーシューを縦にずらして並べ、スープを手前から飲むのは、この味の移ろいを時間差で楽しめるようにという飯田さんの意図的な狙いがあります。(※店主著書「本物とは何か」より一部抄録)
なお調理の際は、
・麺茹での湯量(最低でも2リットル以上)
・茹で時間(絶対に指定時間厳守)
・茹で方(箸で必要以上に触れない解さない)
・スープ温度(湯煎にかけすぎない)
・具材解凍(湯煎厳禁)
には特に気をつけて下さい。
可能な限り再現して、世界最高峰の味を体感しましょう。
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2025年07月23日
スープは濃厚な豚骨魚介醤油。余分な油分と雑味のないドロドロの粘度とザラザラとした舌触りで、旨味と甘味が強く、以前に本店で頂いた時よりも煮干が主張していました。
麺は多加水の角刃極太ストレート。
中心粉を使った白味の強い麺で、しっとりとした瑞々しさ、潤いのあるツルツルの麺肌、モチモチとしたクッション性、しなやかでノビのあるコシの強さ、そして噛むほどに広がるナチュラルな甘味。
塩とスダチだけでも美味しいですが、山椒をパラっと振りかけると日本酒にもよく合います。
付属トッピングは味醂の甘味が効いたジューシーでゴリゴリ食感の極太短冊メンマが2枚、豚内モモのしっとりローストポーク、豚肩ロースの吊るし直火焼豚が1枚ずつ。
宅麺で非常に人気の高いとみ田ですが、麺は最初は半分くらいスープに付けて、麺の味、スープの味、麺とスープの組み合わされた味のそれぞれを感じるように頂くとよいです。
と実店舗でレクチャーされました笑
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2025年07月23日
タレはアブラたっぷりの醤油ベース。塩味、甘味、旨味もガツンと効いていますが、何よりも香ばしい揚げニンニクがパワフルで強烈な存在感を放っています。
麺はややワイド型の自家製角刃極太緩ウェーブ。ボーメ度高めのゴツゴツとしたコシの強い、まさに武骨で屈強な食感が魅力の逸品。
付属トッピングは別パックで、コリコリ食感と爽やかな酸味の極太メンマ2本に、サイコロカットのゴロゴロチャーシューとフライドオニオンが惜しげも無くドッサリと。フライドオニオンには粗挽きブラックペッパーも含まれています。
スープ割は魚介と酸味の効いた醤油ベースで、途中の味変に使用するため、最初は待機です。
まず、麺が茹で前で400gと3人分近くもあり、小さい丼だと混ぜるのも盛り付けるのも大変なので、なるべく大きい丼を用意しておいたほうがよいです。
そしてタレがかなりオイリーなので、混ぜ方が足りないとズッシリと重くなるため、丼底に油がなるべく残らないようキッチリ乳化するまで気合を込めて入念に混ぜましょう。
ここでしっかり混ぜておくと、塩味のカドが取れ、油分も和らぎ、口当たりも軽くまろやかな味わいに仕上がります。
トッピングを乗せるのは麺とタレだけを混ぜ終えた後がよいです。そのほうが混ぜムラが無くしっかりと乳化します。
麺の所々で色が違うのは混ぜムラのサインなので、麺の色が均一になるまで頑張って混ぜて下さい。
タレがしっかり乳化したら、付属トッピングとお好きな具材を乗せ、マヨネーズや香辛料などの調味料も追加し、更に混ぜ合わせれば出来上がりです。
アブラ滴る超ジャンクな味わいなので、ブラックペッパーのピリリとした刺激やお酢の酸味がよく合います。
また海苔がメチャクチャ好相性なので、海苔好きな方なら丼を囲うくらい大量にトッピングするのも全然アリだと思います。
麺がある程度減ってきたら、お好きなタイミングでスープ割を流し込みます。
すると節の風味と爽やかな酸味が加わり、すっきりまろやかなラーメンとして2度楽しめる仕様になっています。
他にはスープを小丼に入れてつけ麺にしたり、麺が終わった後にライスを加えおじやとして3杯目に突入するなど、色々な楽しみ方が可能です。
とにかく超油ギッシュかつ超ヘヴィなボリュームなので、アブラが大好きな大食漢でなければ単独登頂は相当ハードかもしれませんが、
2〜4人でシェアして頂くのであればかなりのハイコスパだと思います。ウチは4人シェアで胃にピッタリ収まりました。
「こんな時代だからこそ安くお腹いっぱい食べて欲しい」というすーさんの想いが詰まった漢氣溢れる一杯なのですが、想いも漢氣もちょっと溢れ過ぎているかもしれません笑
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2025年07月16日
スープはタイトル通りの淡麗貝出汁塩味。やや濁りのある清湯タイプですが、Brix値は約23.0%と高く甘口で、塩分濃度も約2.0%と全体的に濃い目です。帆立に含まれているグリシンの甘味が効いていますね。
二枚貝は生ものと貝煮干の併用により、旨味と風味がバランス良く抽出されていますが、牡蠣はむかんより抑えられているものの香りのベースを担っており、帆立、浅蜊、蛤それぞれの風味も分かりやすくハッキリと出ています。
旨味の構成的には浅蜊、牡蠣、蛤に多く含まれるコハク酸と帆立のグルタミン酸による多重構造となっていますが、
カエシにはコク出しに鶏挽肉も使われているようで、鶏のイノシン酸と帆立のグルタミン酸の旨味の相乗効果も計算に入れられています。
麺は菅野製麺所のスクエア型角刃中細ストレート。
指定の茹で時間で歯切れのよいコリモチ食感に仕上がり、絡み、吸い上げ共に良く、スープとの相性も申し分ありません。
付属トッピングは豚バラロールチャーシュスライス2枚とバラのり1p。
バラ肉の煮豚はスープへの干渉が強いので二枚貝の風味を濁してしまうかなとやや心配しましたが、食べてみるとスープの邪魔をしない淡い味付けで、肉自体の臭みもなく、相性は思いのほか悪くありません。
ただやはりこのスープにはチャーシューよりも貝の剥き身のほうが合う気がします。
本品は人気youtuberの好みを元にむかんが商品開発し、製造は外注の食品加工メーカーが行った限定商品となりますが、
味自体は完成度が高く、臭みも極力抑えられており、二枚貝がお好きな方なら十二分に楽しめる一杯になっていると思います。
販売価格はやや高いものの、原価率的にも製造コスト的にも限界じゃないですかね。(寧ろ軽く見積っても限界突破していると思います笑)
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2025年07月16日
店主はジャンプ出身という事で、スープはジャンガレ系のクリーミーな豚骨醤油。
塩分濃度は約2.8%と高めですが、背脂の溶け出したトロットロのド乳化タイプなため、甘みもあるまったりまろやかな飲み口となっています。
臭みはなく豚骨濃度も高いので、湯煎が終わったらパックをしっかり振って、充分に再乳化させてから丼に注ぎましょう。
麺は自家製の低加水角刃平打極太縮れ麺。うねりの強いモチビロ食感の暴れん坊で、茹で加減は指定時間内で好みの硬さに調節すればよいと思います。
付属トッピングのブタはInスープで、2cm厚の極厚豚バラロールが1個。ヤサイが捗る濃い口で、しっとりホロリと軟らかく煮込まれています。
また実店舗ではネギトッピングもあるのが特徴です。このタイプは青菜や海苔といった家系装備や玉葱などもよく合いますが、私は花椒とラー油でシビカラに味変するのがお気に入りです。
現在の宅麺ラインナップ内ではジャンプ、ハイマウントと同じジャンクガレッジ系譜のガッツリ系で、ド乳化タイプと言う意味では雷本店、フクロウ、ちばからあたりもお好きなら口に合うと思います。
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2025年07月09日
本品は美味しく作るのにちょっとした手間と技術を要するため、必要な調理器具と食材を事前に確認、用意しておくとよいです。
工程も麺を茹でながら肉を焼いたりするので、調理が得意な方に任せたほうがよいですが、不慣れな方でも効率良く作れる手順を本文下に記載しておきます。
まずタレは旨味の詰まった濃厚な塩ダレですが、何よりも牛脂を炙った香味油が特徴的で、
メイラード反応による香ばしさとスモーキーなフレーバーが嗅覚を刺激し、バーベキューのような魅惑的な錯覚と臨場感を演出してくれます。
麺は太さにバラつきのある自家製多加水角刃平打太縮れ麺。もち小麦を配合したモッチモチの弾力が魅力的で、凹凸のある麺肌がタレをしっかりと絡み取ります。
付属トッピングは牛肩ロースと鶏モモのスライスが計約70gとボリューム満点。
シュラスコというブラジルの串焼き料理で、ムチムチに軟らかく、表面は香ばしく、岩塩で肉の旨味が存分に引き出されています。
ご存知ない方で「シェラスコ」と間違えている方も偶にいますが、正しくは「Churrasco(英:シュラスコ/伯:シュハスコ/西:チュラスコ)」です。
こちらの表面を焼いて油そばにトッピングし、野菜なども盛り付けて完成なのですが、説明書きにもある通り、お勧めトッピングの追加が前提の味付けとなっています。
生野菜がないとオイリーさが目立つアンバランスな未完成品となりますが、生野菜をトッピングするとタレや肉と絡む事で油分を中和し、味わいがすっきりまろやかに、かつ肉の旨味と香りを十二分に引き出してくれます。
折角のパレットを野菜抜きで食べてしまうのは流石に勿体無いので、レタスなどの葉野菜だけは最低限用意したほうがよいです。
サニーレタス、玉葱、ミニトマトはどこでも手軽に手に入るので、彩り良く仕上げてハンクラ本来の味を楽しみましょう。
個人的にもパレットは2年以上前にリクエストしていたので、念願のリリースが叶いビール片手に小躍りしています(笑)
【作り方のコツ】
<用意するもの>
・水1リットル入りの鍋(タレパック湯煎用)
・水3リットル入りの鍋(麺茹で用)
・フライパン(肉焼き用)
・まな板と包丁(食材カット用)
・小皿1枚(肉準備用)
・丼1個(油そば用)
・トッピング用食材(レタス、玉葱、にんにく等)
<調理手順>
①まず肉を解凍します。湯煎だと硬くなってしまう為、翌日食べる場合は冷蔵室かチルド室で解凍、すぐ食べる場合は水を張ったボウルにパックごと浸して約15分かけて解凍。解凍出来たら封を開けて軽くバラしておきます。
②肉を解凍しながら野菜を切っておきます。レタスは食べやすいサイズに手でちぎり、玉葱はみじん切り。どちらもカット後に30分ほど水に浸すと、レタスはシャキっと仕上がり、玉葱は辛味が抜けます。
③湯煎用の鍋と麺茹で用の鍋をコンロに用意し、湯煎用の鍋にタレパックを沈めて、2つの鍋の水を同時に強火で沸かします。
④湯煎用鍋のほうが先に沸くので、タレが解凍されたら鍋から取り出し、パックの封を開けて中身を丼に移し、鍋をコンロから下ろしてフライパンを置き換えます。
⑤麺用の鍋が沸いたら麺を冷凍状態のまま投入し、同時にフライパンに油を薄く引いて強火にかけます。
麺の方は吹きこぼれないように火加減を調節し、泡が浮いてきたら吹きこぼれの原因となるので取り除いて下さい。差し水は茹でムラに繋がるので厳禁です。
また麺は無理に解さなくても勝手に中まで熱が通るので塊のまま放っておいても大丈夫ですが、鍋底にくっつかないかだけ気を付けて下さい。
⑥フライパンから煙が上がってきたら、鶏肉は皮目を下に、牛肉は重ならないように全体に敷き詰めます。
強火をキープし、表面に軽く焼き目が付いたら手早く裏返して、反対面も軽く焼きます。自信がない場合は片面だけでもOKです。
この際、焼きすぎて焦がしたり中までしっかり火を通したりすると、ジューシー感が消え、硬くなり、苦みや臭みも出てしまうので、強火でサッと表面だけ焼き、外は香ばしく、中はしっとり軟らかく仕上げるのがコツです。
肉は表面を焼いたほうが実店舗さながらの香ばしい風味を引き出せるので、軽くで良いので必ず焼きましょう。火の扱いに慣れている方ならバーナーで手早く炙るのがよいと思います。
⑦焼き目が付いたら火を止めてすぐに小皿などに移します。フライパンに乗せたままだと余熱で火が入り硬くなってしまうので、肉の世話は全てを迅速に行うのが重要なポイントです。
なお麺茹でと肉焼きの同時進行が難しそうでしたら、肉焼きを先に終わらせてから麺を茹で始めるとよいです。ただし肉のレンジ加熱は硬くなるので絶対NGです。
⑧肉を焼き終わったらここで麺を軽く解します。茹でている間に麺をちょこまか弄ると麺が切れたりデンプンが溶け出たりするので、麺にはなるべく触れずに対流で自由に泳がせるのが正しい茹で方です。
また油そばの麺は硬茹でするとタレとの絡みが悪くなるので、指定時間通りかやや長めに茹でるのがオーソドックスな調理法です。
⑨茹で上がった麺をしっかり湯切りし、タレの入った丼に移して、タレが乳化し水気が無くなるまで入念にグリグリと混ぜます。
ここで湯切りが甘かったり混ぜ方が足りなかったりすると、仕上がりが水っぽく味がぼやけてしまうので要注意です。
⑩焼き目を付けた肉と野菜を彩り鮮やかにトッピングして完成!
あとはお好みで、
・ニンニク、バターでパワフルに
・パクチー、オレガノで香り豊かに
・カレー粉、シーズニングでスパイシーに
・ナッツ、フライドガーリックでクリスピーに
・ピクルス、フルーツビネガーでスッキリ爽やかに
・ペッパー、タバスコ、マスタード、ハラペーニョで刺激的に
・締めはガーリックライスなどの追い飯でガッツリワイルドに
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2025年07月09日
スープは塩鶏清湯ですが、丸鶏の濃厚な厚みとタップリ浮かんだ鶏油がコク深く、味わいはあっさりながらもどっしりとしています。
反面、塩分濃度は約2.0%、Brix値は約5.7%とつけ麺にしては比較的薄口で、スープと昆布水の旨味で食べさせるのが特徴的です。
麺は自家製の角刃細ストレート。加水率やや低めの中加水で、昆布水つけ麺ではスタンダードな細さですが、1本1本が長めにカットされています。
ロング挽きのような風味があり、プリコリの食感で、形状もスープを一番持ち上げやすい細ストレートなため、鶏清湯の薄口具合が丁度良い塩梅となっています。
昆布水は鰹節を効かせる事で旨味の相乗効果が促されていますが、更に鶏清湯スープと合わせる事で旨味の爆発が起こります。
また店内ポップのお勧めの食べ方には、最初に麺と塩だけで頂き、次にスープに浸し、適度なタイミングでライムを絞って味の変化を楽しみ、最後に昆布水でスープ割りをする、と記されています。
なお昆布水麺を塩で頂く場合、海の物(魚介)には海の塩(海塩)、山の物(動物)には山の塩(岩塩)という料理のセオリー的なものがあり、
岩塩だと昆布に比べて主張が強い為、昆布と相性の良い海塩(天日塩・煎熬塩・藻塩など)を使ったほうがより美味しく頂けます。
私の場合、海塩はぬちまーす(沖縄産)、じねん(与論島産)、男鹿なまはげの里藻塩(男鹿半島産)、フルール・ド・セル(ゲランド産)、シリカの奇跡(ベトナム産)あたりをよく使っています。
付属トッピングはInスープで、トロトロに軟らかく煮込まれた豚バラチャーシュースライスが1枚と、塩味の強いゴリシャキメンマが2本。
チャーシューは穂紫蘇を包んで食べるのをお勧めされています。
ちなみに店主は本庄常勝軒の出身らしく、宅麺でも販売されている常勝軒のとんづけもこちらの実店舗で提供されていました。
店内も綺麗で接客も良く、メニューも豊富で、個人的にもお勧め出来る良店です。
12
2025年07月02日
スープは豚肉の出汁をベースとした二郎インスパの豚肉醤油。
本来はコラーゲンを多く含んだまろやかな乳化タイプですが、本品は湯煎直後だと乳化度の低い状態となっています。湯煎が終わったらしっかりシェイクして、充分に乳化を促してから丼に注ぎ入れましょう。
塩分濃度は約2.8%、Brix値は約19.9%と塩味も甘味も高濃度ですが、以前に比べて塩味よりも旨味の主張を強く感じます。
シェイクが足りないとキレが強く残り、まろみもベタ感も弱い再現度の低い仕上がりとなってしまいますので、乳化が確認出来るまで念入りに振るのが美味しく再現するコツです。
なお同封の作り方にも「100回位振ると断然美味しくなる」と明記されています。ただパックの持ち手部分が少なくシェイクし辛いので、火傷にはくれぐれもお気をつけ下さい。
ミトンなどの鍋つかみを両手に装着してパックを鷲掴みするとやりやすいです。
ちなみに二郎インスパによく使われている「カネシ醤油」というものは、昔のラーメン二郎直系店にのみ卸されていた醤油ブランドの事を指します。
現在の二郎直系ではカネシは使われておらず、FZという別ブランドに切り替えられた為、カネシはインスパ店にも卸されるようになりました。
ただ多く使われているのは「本醸造醤油(緑ラベル)」という、カネシはカネシでも二郎直系で使われていなかった別製品(同じメーカーの別の醤油)となるのですが、
こちらは「混合醤油(青ラベル)」という絞った醤油にアミノ酸液などの調味液を添加した旨味の強い濃口醤油で、以前の二郎直系で使われていた「ラーメン二郎専用醤油(カネシ紫ラベル)」と同じ仕様になります。
麺は自家製でオーション使用の平打極太捻れ麺。
太さはインスパ系では平均的で特に細身には感じず、NS系ならではの滑らかな口当たりで、加水率はやや低めのモチフワな食感。
麺表面のザラつきによる絡みと吸い上げの良さも特長として活かされています。
ブタは厚切りのウデスライスが2枚。
ヤサイが捗る濃い目の味染みと、適度な弾力と軟らかさを併せ持ったホロフワの食感で、食べ応えも充分。
店主はカブジ出身との事で、滑らかな麺肌や乳化スープにカブジの面影を残していると言えなくもないですが、カブジやNS系と言うよりは、カエシの構成や組み合わせに独自の個性が感じられますね。
なおスープ量も麺量も結構多く、小さい丼だとヤサイを乗せたら決壊する可能性がありますので、丼はやや大きめのサイズを用意しておくのが無難だと思います。
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2025年07月02日
スープは醤油清湯で、本品では魚介感が更に抑えられており、また鶏ガラも穏やかなため、何かに突出した風味とは異なる、全体的に穏やかな出汁感となっています。
塩分濃度は約2.3%と高めですが、醤油の主張が強い訳でもなく、塩味には丸みがあり、返しに甘味を効かせて味の骨子を作っている印象です。
麺はスクエア型の角刃中細ストレート。
三河屋の麺とはやや異なるものの、ブランを配合した香ばしい風味、コリプリの弾力、ザックリとした歯触りはびぎ屋っぽさを上手に表現出来ていると思います。
付属トッピングは豚バラロールチャーシュースライスが2枚。
熱湯湯煎するとパック内に脂や肉汁が溶け出し旨味の抜けたスカスカ状態となってしまいますが、解凍を流水か常温で行うと、トッピングした際に脂や肉汁が余すことなくスープに溶け出すため、味変の役割を効率良く果たせるようになります。
ノスの要素は確かに感じられますが、ノス感を強調したというよりは全体的な濃度を下げたようなイメージで、
ネガティブに言えばこれといった特長を特に見いだせず、ポジティブに言えば老若男女問わず無難に頂ける味、といった印象です。
びぎ屋の無化調感を表現すると、濃厚な旨味を感じる味わいというタイプからは外れてしまうので、構成的に致し方ないのかもしれません。
びぎ屋の実店舗の味をご存知の方だと、スープもチャーシューもびぎ屋の味じゃない、というシビアな評価になってしまうと思いますが、
びぎ屋実店舗の味をご存知ない、冷凍通販でしか食べた事がないという方にとっては、銘店をイメージしたラーメンをいつでも自宅で頂けるお手軽商品、として重宝するんじゃないかなと思います。
監修品といえども、ストレートスープと冷凍生麺のセットは他の宅麺商品と同じなので、インスタントの濃縮スープやチルド製品、レンチン製品などとは当然ながら比較になりません。
特に麺に関しては流石の菅野製麺所クオリティです。
ただ他の方も仰っている通り、実店舗製品との区分けはユーザーに分かりやすい形で考慮頂いたほうが良いと思います。(商品名に「宅麺ラボver」や「宅麺コラボ」など付ける等)
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2025年06月25日
麺はオーションを使用した加水率やや低めの自家製緩縮れ平打太麺。
インスパ系では平均的な太さながら、二郎直系のようなモチムチのソフトな弾力で、麺量も350gと一般的なラーメンの2杯分以上はあるため、2人でシェアしても丁度良いくらいのボリュームです。
なお塊状に冷凍されているためやや解れ辛くなっていますが、無理に解そうとして茹で直後から箸でつついたりすると麺が傷ついて短く切れたりするので、
もし固まっているなと感じたら、茹で始めから最初の5分くらいは完全放置し、5分を過ぎたあたりから軽く解すようにすると、品質を落とさず上手に茹で上げられます。
そのほか確実かつ誰でも簡単に茹でミスを防げる方法として、調理前日夜に麺だけを冷凍室からチルド室に移し、一晩かけてじっくり半解凍してから手で軽く解すやり方があります。
ただし極端に解れ辛い場合に限った手段なので、本来は冷凍状態のまま茹でるのが好ましいです。
なお冷蔵室での解凍は、結露や乾燥を招く可能性があるので、なるべく避けたほうがよいです。チルド室があれば必ずチルド室で。常温は絶対NGです。
タレはシンプルな濃口醤油ベースで、塩味、旨味、甘味の均整の取れたオーソドックスなタイプですが、
ネギとニンニクを揚げた芳ばしい風味が漂う香味油、また粗挽きブラックペッパーの刺激が独自のアクセントを生み出しています。
このタレと麺を汁気が無くなるまで混ぜ合わせ、トロトロに乳化させる工程が油そばを美味しく作る上で最も重要なポイントとなります。
油そばのタレは汁無しやまぜそばと違いスープが含まれておらず、比較的早く混ぜ終わるので、手を抜かずにしっかりと乳化させましょう。
シンプルながら、混ぜれば混ぜるほどまろやかにコクが出て美味しくなる、それが油そばという料理です。
付属トッピングは別パックで、HEROのシンボルとも言えるうずら味玉が1ヶと、ぶつ切りにされた大粒のゴロゴロブタがゴロゴロと。
ブタはバラ肉ですが、ロールチャーシューや角煮などに使われる三枚肉のほうではなく、こちらは肩バラという部位で、ホロホロに解れる肉々しい食感と濃厚な旨味が特長となっています。
実店舗では麺の下にブタを敷き、混ぜ始めると丼の底からこんにちはと顔を出すギミックになっています。
そして混ぜ進むにつれ細かく崩れて麺にガッツリ絡みつき、麺、タレ、ブタの全てが渾然一体となった状態が食べ頃です。
また本品は油そばなので、実店舗でもヤサイトッピングはありませんが、その代わりにネギトッピングは必須です。
その他ニンニク、生卵、ラー油、バター、お酢などの追加は各自で準備しましょう。後はお好きなトッピングをお好きなように乗せて、お好きなように楽しめばよいと思います。
一般家庭では難しいかもしれませんが、もし可能であればフライドガーリックや焦がしネギも用意しておきたいところです。
ちなみに実店舗には生卵に豚背脂を加えた脂生玉子という背徳感マシマシのけしからんアイテムがあります。
これは別商品の背脂を転用すれば家庭でも簡単に作れるので、もし冷凍庫に使い残した背脂が眠っていたら、これを機に封印を解いてみるのもよいかもです。
この脂生玉子に白だしを軽く垂らしてスキヤキ風に麺を絡めて頂くと軽く飛びます。
なお実店舗では冷やし油そばという限定メニューもあるように、これからの暑い季節には麺を冷水で〆て頂くのもお勧めです。
ブタは湯煎解凍、タレパックはぬるま湯解凍、麺は10分茹でてからつけ麺のように水洗いし、後はしっかりと混ぜ合わせて完成です。
ただしタレの油には豚脂がブレンドされており、温度が低すぎると固まってしまう為、麺は氷水などで冷やさず普通の水温で洗うとよいです。
麺はコリコリと締まった強いコシ、タレはホットほど絡まずキリッとしたエッジが生まれ、通常の油そばにないあっさりさっぱりとした爽やかな味わいに仕上がります。
お酢や柑橘果汁、ポン酢、生姜、マヨネーズ、刻み海苔、温泉卵、明太子などもベストマッチです。
香味油とブラックペッパーの風味、麺に隠れたゴロゴロブタ、フライドガーリックとラー油のトッピングなど、
そのスタイルは店主出自の二郎桜台駅前店を踏襲したもので、既に閉店してしまった彼の地の追憶に耽るような一杯となっています。
19
2025年06月25日
スープはクリアに澄んだ動物ベースのあっさり醤油清湯。コトコト炊いて鶏ガラと豚肉の風味をじっくりと抽出した優しい味わいで、
塩分濃度約1.9%、Brix値約5.5%と出汁自体の濃度は低めですが、ラードにまろみがあり、多めの化調で旨味がガッツリと効いています。
麺は加水率やや高めのスクエア型角刃中細緩縮れ。
ツルツル滑らかな麺肌にムチプリのソフトな弾力で、スープと程良く絡み、クセのない一体感を生み出しています。
付属トッピングは板海苔が1枚と、ジャキジャキ食感の濃口極太メンマが2本、やや厚めなスライスの燻香漂う豚ロースレアチャーシューが1枚。
チャーシューはスープに浸しておくと赤身の旨味と脂身の甘味が徐々に溶け出し、味変の役割を果たしてくれます。
ただチャーシューとメンマを重ねて冷凍している為、メンマとの高低差による圧力でチャーシューが砕けてしまっており、
またメンマの味と色もチャーシューに移っているので、パックは出来ればセパレートにして頂きたかったかも。
山形中華蕎麦というタイトルですが、米沢、赤湯、新庄とりもつ、酒田月系のような特定のご当地ラーメンを意識した感じではなく、
山形県全域で古くから親しまれている、昔ながらの「中華そば」の新旬屋スタイル、といったイメージでした。
いさご食堂っぽい雰囲気もありましたが、こちらはトッピングにも新旬屋のオリジナリティが表現されており、ネオクラ/ネオノス的な要素も感じられる一杯だと思います。
煮干しなどの魚介類や手揉みの縮れ麺が使われていないあたりにも、庄内地方や米沢、南陽、他地域だと旭川や東京等との差別化が図られているような印象です。
9
2025年06月18日
麺はひらいめん(平い麺)と呼ばれる自家製の多加水超極太平打麺。
名前の通りの平たい幅広麺ですが、きしめんのようなピロピロとした薄いものと異なり、麺帯がブ厚く、
もち小麦ブレンドによるモッチモチのコシ、滑らかなツルッツルの麺肌、瑞々しいプリップリの弾力と小麦本来の甘味が楽しめます。
また、かん水による引き締まった強いグルテンもウドンにはない特長として表れています。
茹で時間は麺カタ好きなら指定時間最短の8分くらいで上げても良いと思いますが、このタイプは二郎インスパ系の低加水ワシゴワ麺とはタイプの違う、多加水のツルモチ食感が醍醐味なので、
麺のコシと絡みを最大限に引き出すなら、指定時間よりも2〜3分長く茹でてしっかりα化させたほうが良いです。
そもそも油そばは軟めに茹でるのが基本の調理法で、硬めにすると油やタレとの絡みが低下するので注意です。
タレはブレンド醤油ベースで、刻みニンニクと魚粉の風味が効いた、香ばしくパンチのある味わい。
麺を真っ黒に染める深い黒色ですが、これはたまり醤油の色味によるもので、見た目ほどの塩味はなく、甘味と旨味が強い、ビターでコクのあるあまうま醤油味となっています。
こちらをタレの汁気が無くなるまで麺としっかり混ぜ合わせる事で、タレが乳化し、小麦の甘味旨味も溶け出して、塩味のカドが取れたまろやかな味わいに仕上がります。
逆に塩味のキレを感じた場合は混ぜ不足の状態で、タレが非乳化のシャバシャバ状だと麺にタレが絡まず味が乗らないので、
少なくともタレにトロみとツヤが出てくるまでは入念に混ぜましょう。多少時間をかけてもこの麺はそう簡単にはノビないので心配いりません。
付属トッピングは約1〜1.5cm厚の食べ応えある豚バラチャーシュー縦スライスが2枚。
軟らかく脂身も旨みが詰まっていますが、熱を通し過ぎると水分も油分も抜けてしまうため、湯煎のかけ過ぎには注意です。
あとはニンニク、ネギ、玉葱、チーズ、フライドオニオン、鰹節、魚粉、酢、ラー油、胡椒、唐辛子など、お好きなトッピングを各自追加してお好きなように楽しめば良いと思います。
生卵に関しては、濃厚に仕上げたい場合は卵黄のみ、まろやか且つ追い飯を視野に入れて汁気を残したい場合は全卵を使うとよいです。
量が多く、麺もチャーシューも噛み応えがあるので、2人でシェアしても充分なボリューム感ですが、お腹に余裕がある方は、残ったタレにライスを投入する追い飯で〆たいところです。
17
2025年06月11日
本品はよしかわの出汁にど・みその味噌ダレを合わせたコラボ味噌ラーメンという事で、
まずスープのベースはよしかわの限定で出されていた「地蛤と帆立の潮そば」のようなアニマルオフ&貝オンリーの構成で、
ハマグリとアサリとホタテによる甘味&コハク酸の旨味がギュギュッと凝縮した、上品でクリアな和出汁となっています。
そこに仙台味噌や信州味噌などの辛口味噌をベースに複数をブレンドしたど・みその味噌ダレを合わせる事で、
グルタミン酸とコハク酸による旨味の多重構造を作り上げています。
塩分濃度は約1.9%とやや高めながらも塩味の角がなくまろやかで、優しくあっさりとした飲み口になっていますが、
とにかく旨味がブ厚いためにあっさりながらもフルボディのような強いコクと深みのある味わいに仕上がっています。
麺は熟成感のある手打ち式多加水角刃平打縮れ太麺。ど・みそでは浅草開化楼の麺で提供されたようですが、本品で使われているのはよしかわで提供された自家製麺で、
悩ましいムチモチのコシ、ツルピロに滑らかで瑞々しい官能的な舌触り、そして麺自体の旨味が攻撃性のない味噌スープと絶妙にマッチした、非常に秀抜な逸品となっています。この麺ヤバいですね。
付属トッピングには殻付き蛤と浅蜊の剥き身があり、ハマグリは大粒でブリッブリな肉厚の紛れもない地蛤。
煮汁と一緒に冷凍されているので、チラシに書かれている調理方法に倣って解凍し、パック内の煮汁から蛤と浅蜊だけを取り出してトッピングしましょう。
煮汁はスープに足すと二枚貝の旨味がグッとアップし、かつ塩味も抑えられるというスープ割り用にも使えるほか、そのまま温めて塩をひとつまみ加え、三つ葉を飾れば潮汁としても美味しく頂けます。
またあさり牡蠣バターは牡蠣と浅蜊をアッシェしてあり、スープに溶かすと牡蠣の風味と乳脂肪のコクが加わる味変アイテムとなっています。
よしかわは地元にもあるので実店舗でも頂いてきましたが、二枚貝の冷凍による影響と、あさり牡蠣バターの仕様と量には実物との違いをやや感じたものの、麺とスープは実店舗同様に素晴らしく、
個人的には味噌ラーメンの枠としてもラーメン全体の大枠としてもかなりのヒット作で、改めてよしかわは名店だなぁとしみじみ思いました。
16
2025年06月11日
スープは魚介オンリーでアニマルオフの無化調醤油清湯。
節と煮干と濃口醤油の芳ばしさやセロリの清涼感など芳醇な香りが特徴的で、表面には風味豊かな鶏油と豚背脂が適度に浮いています。
醤油はすっきりとした適度なキレ感もありつつ深いコクを感じる角のない円みがあるため、塩分濃度は約2.3%と高めながらも、
旨味、甘味、酸味、油分も含め全てがバランス良く組み立てられており、あっさりとしつつどっしりとした厚みも感じられます。
ここに焦がしネギの苦味が加わると、5つの基本味による味の相互作用が見事に生まれます。
麺は自家製の中加水スクエア型角刃細ストレート。
麺肌は滑らかで、コシ、ハリ、ノビのある食感に加え、麺自体の旨味やスープの持ち上げも申し分なく、
時間経過とともにスープを吸い上げ、味わいがより深く、ふんわりもっちり優しい弾力へと変化してゆきます。
付属トッピングのメンマは風味が素晴らしく、甘味酸味のバランスも絶妙。
食感も万人受けのコリコリ歯応えのあるものとは違い、熟成感ある味わい、風味、舌触りもしっかりと楽しめるミディアム食感な仕上がり。
チャーシューは吊るし焼きされた霜降りの内ももスライス焼豚が2枚で、醤油麹の奥行きある甘みとスモーキーな香りが楽しめる逸品。
きめ細かいしっとり柔らかな肉質で、脂身は甘く口内でトロリと溶け、赤身は熟成された濃厚な旨味が存分に詰まっています。
解凍は流水、ぬるま湯、冷蔵が望ましく、熱湯湯煎すると肉汁が抜けて失敗するので注意です。
焦がしネギはほんのりビターな苦みと香りがアクセントになりますが、味変として少しずつ加えると、じっくり、より長く味の変化を楽しむ事が出来ます。
所謂「神奈川淡麗系」と呼ばれるジャンルで、店主は麺や食堂、麺や維新といった神奈川淡麗系の名店出身という事もあり、ネオクラ系とはタイプの違う淡麗系ならではのクリアな味わいが特長です。
寒川移転で東京からは更に遠くなってしまいますが、寒川は人気店がひしめき合っているので、今から最新の訪問ルートを考えてワクワクしています。
新店舗で更にアップデートされた鴇の宅麺リリースにも期待持てますかね?笑
17
2025年06月11日
スープは画像から分かる通りの微乳化タイプ。乳化好きにも非乳化好きにも合うように調整しているらしく、
まさに非乳化とド乳化の中間点といった具合の綺麗な微乳化で、液状背脂もたっぷりと表面を覆っており、豚肉出汁もしっかりと出ています。
キレとまろやかさを併せ持った味わいですが、グルも大量に使われていて、塩分濃度は約3.9%と海水を超える超高度で、糖分濃度も約23.4%と強烈な高さとなっている為、
舌が鈍っていない方ならヤサイを乗せないと食べ進むのは流石に厳しいと思います。というかナトリウムの過剰摂取を防ぐ為にも乗せたほうがよいです。
麺は自家製の平打極太縮れ麺。インスパ系にありがちなワシゴワの硬いタイプではなく、二郎直系のロット後半っぽい、ちょいヤワのモチプリ食感なあたりからも二郎愛を感じます笑
スープ量はやや少なめですが、麺量が多いので、結果として丼に溢れんばかりのボリュームとなります。解れやすいよう平たくパックされている気遣いも好感度↑ですね。
ちなみにシャークという小麦粉はオーションと同じく強力粉ですが、ミネラルもタンパクもオーションより含有率がやや高く、より色濃くグルテン形成も強くなるのが特徴的です。
そのため加水率をあまり低くしてしまうと食感が悪くなってしまうので、二郎っぽいオーション感も出しつつ、
モッチリとした特有の食感も引き出すよう、適度に加水を増やして独自に製麺されているように感じます。
付属トッピングのブタはスープと別パックで、約2cm幅、合計約130gものブ厚いウデスライスが2枚。
国産ブランド肉が使われており、赤身と脂身の割合が秀逸で、味付けも良く、しっとりジューシーでフンワリ柔らかながら適度な噛み応えも残されています。
二郎及び二郎インスパ系ではチャーシューの事を「ブタ」と呼びますが、こちらのお店はワインバル系列という事で、ブタというよりも豚料理という表現が適切なくらいの上質な逸品になっていると思います。
アブラは富士丸タイプの味付カスアブラ。甘味のあるトロトロの豚背脂と適度に混ざった解しブタと濃い目のタレで、ヤサイのドレッシングとしてもつけ麺スタイルとしても重宝します。
長次郎は5年くらい前に実店舗へ伺っており、当時のスタイルとしてはヒバジリスペクトだったのですが、現在はそこまで似ている訳でもなく、
スープも麺も昔に比べてヒバジ感が抜け、オリジナリティに磨きがかかった印象を受けました。
ブッチャーズのほうは数か月前にお邪魔したばかりですが、味にせよ接客にせよ冷凍の包装方法にせよ、どちらのラーメンからもカスタマーファーストのマインドが伝わる、ホスピタリティの高いハイセンスなインスパだと思います。
絶品なのはブタに限らず、麺、スープ、アブラ、商品管理の全てにおいて満遍なく素晴らしかったです。
24
2025年06月11日
スープは丸鶏をベースとした動物魚介醤油白湯。
コラーゲンによるとろりと粘度のあるクリーミーな口当たりで、丼底に沈むガラと魚粉のザラつきもありますが、
丸鶏の濃厚でふくよかな旨味と醤油返しの塩味甘味に魚介のアシストが加わり、そこに鶏油の香ばしい風味が回った、攻撃性のないまろやかな味わいとなっています。
また柚子ピールもアクセントとなっており、舌にヒットする毎にフルーティな清涼感を与えてくれる味変として機能してくれます。
麺は村上朝日のスクエア型多加水角刃太ストレート。
超多加水ならではの瑞々しさとモチフワの優しい弾力で、麺表面の適度な凹凸がフックとなりスープを持ち上げてきます。
麺自体の甘味も充分で、噛むほどに口内でスープとの融和性が増してゆく過程を実感出来ます。
付属トッピングはInスープで、1cm厚に縦スライスされた豚バラチャーシュー2枚と拍子木メンマ2本。
チャーシューは表面を香ばしく焼き、噛み応えを残し、八角をほんのり効かせた甘めの味付け。実店舗だとレアチャだったので、こちらは通販仕様なのかな?
メンマはピリ辛でコリシャキの歯触り。いずれのトッピングも大きさと食感の強さにより、全体的に満足度の高いボリュームに繋がっているように感じます。
鶏ベースのつけ麺といっても宅麺ラインナップの風雲児とはタイプが異なり、味の系統としては一燈にベクトルが近いかもしれませんが、それらともまた一味違うスープと麺の組み合わせとなっており、
どちらかというと出自のTETSUよりも和利道っぽさが垣間見えるイメージで、濃厚ながらクドさはなく、後味はあっさり。
酸味は極力抑えられているので、甘酸っぱいタイプが苦手な方でも特に問題なく頂けると思います。
また実店舗では鶏皮揚げが付いてくるので、作れる方は事前に用意しておくとよいです。これが非常に面白い味変として機能します。
12
2025年06月11日
スープは煮干、節、昆布、二枚貝などの魚介オンリーで構成されていますが、魚介特有の臭みなどはなく、表面を覆うタップリのラードと相まって、あっさりながらもコクのあるまとまった風味と口当たりとなっています。
塩分濃度は約2.3%と高いですが、八咫烏の真骨頂とも言える和洋中を組み合わせたまろやかなカエシにより、塩味、酸味、旨味、甘味のバランスに優れた味わいにまとまっています。
同店の塩と比較すると、醤油のほうがオイル感とカエシのリキュール風味が強く、濃口醤油も相まってより深い厚みを感じられると思います。
麺は全粒粉を使ったスクエア型の低加水角刃細ストレート。
日本蕎麦も連想させるようなザラコリの食感で、全粒粉特有の香ばしい風味が強く、
食べ進める内にスープにも麺の旨味と風味が溶け出し、前半と後半でラーメンの表情が変化します。
付属トッピングはinスープで、ホロリと軟らかい豚肩ロースチャーシュースライスが1枚と、皮をこんがりと焼き上げたプリプリ食感の大粒鶏もも肉が1個。味付けはどちらもシンプルな醤油味となっています。
また別パックで星型にくり抜かれた鳴門巻きが付いてきます。
八咫烏は個人的にカエシの使い方が好きで、麺との相性も含め非常に個性豊かな逸品になっていると思います。
12
2025年06月11日
スープは煮干、節、昆布、二枚貝などの魚介オンリーで構成されていますが、魚介特有の臭みなどはなく、表面を覆うタップリのラードと相まって、あっさりながらもコクのあるまとまった風味と口当たりとなっています。
塩分濃度は約2.2%と高いですが、八咫烏の真骨頂とも言える和洋中を組み合わせたまろやかなカエシにより、塩味、酸味、旨味、甘味のバランスに優れた味わいにまとまっています。
同店の醤油と比較すると、塩のほうがカエシの旨味がまろやかで、オイル感がやや軽く、キレやカドのない、すっきりクリアな後味が楽しめます。
麺は全粒粉を使ったスクエア型の低加水角刃細ストレート。
日本蕎麦を連想させるようなザラコリの食感で、全粒粉特有の香ばしい風味が強く、
食べ進める内にスープにも麺の旨味と風味が溶け出し、前半と後半でラーメンの表情が変化します。
付属トッピングはinスープで、ホロリと軟らかい豚肩ロースチャーシュースライスが1枚と、皮をこんがりと焼き上げたプリプリ食感の大粒鶏もも肉が1個。味付けはどちらもシンプルな醤油味となっています。
また別パックで星型にくり抜かれた鳴門巻きが付いてきます。
八咫烏は個人的にカエシの使い方が好きで、麺との相性も含め非常に個性豊かな逸品になっていると思います。
11
2025年05月28日
わいずのセカンドブランドのお店ですが、本品は一昨年に閉店した歴史的名店、丸長中華そば店(荻窪丸長)のインスパイアメニューという事で、スープは動物と魚介のサラサラとした甘辛酸の醤油清湯。
醤油の塩味と深み、鶏豚の旨味と厚み、節煮干の風味、豚挽肉の肉感、背脂と鶏油のコクが交わったパワフル味わいで、
更に大量のトッピングも加わる事により、スープ量の少なさを感じさせないボリュームと食べ応えになっています。
色合いは再仕込醤油による黒味が強く、唐辛子と胡椒のピリピリとした辛味が効いていますが、荻窪丸長感をもっと出したい方は白胡椒を5振りほど追加しましょう。
ちなみに黒い粒々は黒胡椒ではなく焦がし唐辛子によるもので、胡椒はホワイトペッパーなどのブレンドスパイスが使われています。
化調もガッツリ投入されており、塩分濃度は約2.1%とつけ麺では概ね平均的ですが、糖分濃度は約25.3%と非常に高く、
酸味もしっかり効いているので、昔ながらの甘酸っぱいつけ麺が苦手な方は注意です。
麺はスクエア型の多加水角刃太麺。荻窪丸長は自家製麺でしたが、こちらは菅野製麺所から卸しているようです。
荻窪丸長の瑞々しいソフトなタイプとは一味違う現代的なコシの強いムチプリの弾力で、カットも荻窪丸長より短く2/3くらいの長さ。
かなりの拘りが伝わる特注仕様なのですが、冷凍による折り目のクセが付いているため、通販での再現度は今ひとつ。
ただ9分〜9分半くらいしっかり茹でると荻窪丸長を彷彿とさせるような小麦の甘味が引き立つツルモチ食感に仕上がるので、硬さより味を重視する方は長め茹で推奨です。
ちなみに荻窪丸長は10〜15分くらい茹でていたので、本家や東池袋大勝軒のあのヤワフワ麺が好きだったというガチ勢の方は何も恐れずに10分以上茹でましょう笑
付属トッピングは短冊状のメンマとチャーシューがどっさり。
メンマは本家の軟らか食感と異なる硬め仕様。チャーシューはギュチ豚ですが脂身のバランスが良く、スープに沈めておくと次第に軟らかくなります。
個別パックの刻み海苔はざる蕎麦のように麺に飾りましょう。
あと輪切りの長ネギは荻窪丸長の味を作る上で決して欠かせない必須トッピングです。長ネギが有ると無いとでは完成度に雲泥の差が生まれるので、多少なりとも用意したほうがよいです。
確かに荻窪丸長スタイルを踏襲したレプリカとなっていますが、ガラは本家よりも濃厚に出ており、完全再現を目指したというよりは、作り手の好みも反映された喜富式リメイクという見方のほうがイメージ的に近い気がします。
ただ甘味酸味のバランスは本家に忠実で、冷めても美味しいのがつけそば本来の姿であり、だからこそ麺は冷たく締め、スープはぬるい状態でも美味しく頂けるように甘味酸味で味を調整したのが丸長や大勝軒の味なのですが、
自宅ならそこまで堅くならず、スープが冷めるのが嫌でしたら普通にレンチンすればよいと思います。ただし加熱し過ぎると酸味が飛んで甘味だけが残るので気をつけましょう。
自分好みにお酢を垂らすのもよいですし、喜富実店舗には黒七味も用意されています。またおろしニンニクは丸長の卓上にもあった抜群に合う味変アイテムで、とてもお勧めです。
19
スープは無化調の動物魚介ベース。塩分濃度は高めの約2.0%で淡口醤油ブレンドのキレがあり、馥郁とした煮干の香りが鼻孔をくすぐります。
そもそも節や動物系との旨味の組み立ても秀逸なのですが、やはりせたが屋系譜の煮干感というのが大きな特徴として表れている思います。
また少量浮かべた背脂粒の甘味も良いアクセントで、豚鶏油が旨味とパンチの後押しになっています。
なおスープ温を沸点近くまで上げると魚介の風味が飛んでしまうため、熱々にし過ぎないよう、湯煎の温度とかけ過ぎには注意しましょう。
麺は菅野製麺所の全粒粉入り低加水角刃細ストレート。
歯切れの良さとは異なるムチコリの弾力性で、ブランの香ばしさと舌触りがスープの煮干感と絶妙にマッチしています。
奈つやの美味しさの決め手はこの麺とスープのマッチングの妙にあると思っています。
付属トッピングはたまり醤油で褐色に染まった甘旨メンマ、トロトロに軟らかいバラスライス煮豚、香ばしい吊るし焼きの肩ロース焼豚、そして雲呑が2ヶ。
やや厚みのある雲呑はもち小麦を使ったトゥルントゥルンの舌触りとモッチモチの弾力で、その中には生姜の効いたジューシーな豚肉餡が詰まっています。
解凍は冷蔵で。解凍前に乱暴に扱うと皮が割れてしまい、解凍後も雲呑同士を強引に剥がそうとすると破けてしまうので、優しく丁寧に扱いましょう。
奈つやは味は勿論のこと、接客と雰囲気の良さも人気の所以の一つだと感じています。
ハードルの高い超人気店なので予約を取るのも大変ですが、ここは冷凍品よりも実店舗の実物を一度は頂いておく事をお勧めします。
あとあまり語られる事もありませんが、個人的には奈つやのメンマは全国的に見てもトップクラスの逸品だと思っています。
硬くも軟らかくもない絶妙なミディアム食感にスッキリとした甘味と旨味、深いコク。麺を待ちながらメンマを摘みつつ黒ラベルで一杯、というのが個人的な奈つやの醍醐味です笑