「元料理人で現コンサルなラヲタ」全ての宅麺レビュー

全500件のレビュー中 26-50件目


2023年11月16日

スープは店主出自である麺堂稲葉譲りのトロトロ粒々な鶏ポタ系鶏白湯がベースで、
鶏や煮干由来のイノシン酸の旨味と貝由来のコハク酸の旨味が両立しており、味にコントラストを持たせています。
また塩味をビシッと効かせる事で、濃厚でまろやかな中に鶏白湯と貝のシルエットをより鮮明に際立たせています。
ちなみに貝はハマグリではなくホンビノス(白ハマグリ)ですね。
 
麺はスクエア型の多加水角刃太ウェーブ。
細挽きの全粒粉がブレンドされており、甘味風味が良く、またコシもかなり強いムチコリの食感。
この麺かなり素敵ですね。麺堂稲葉と同じ磯屋商店製のようですが、
稲葉の麺とは味も形状もやや異なる、スープとの相性で独自に作られた、とても個性豊かな逸品だと思います。
磯屋商店は以前宅麺でも販売されていた鶏白湯の人気店、つけ麺弥七にも卸している老舗の名工で、個人的にも非常にお気に入りです。
 
付属トッピングはInスープの太メンマと、スープと別パックで豚肩ロースと鶏胸肉のレアチャーシューが1枚ずつ。
チャーシューはどちらも塩と胡椒のみのシンプルな味付けで、
芯温を管理して低温加熱の安全面をしっかり考慮しているのが分かる意識の高い仕上がり。
またレモン果汁は鶏とも二枚貝とも相性が良く、酸味のキレが味に一本筋を通してくれるので、味変にお勧めです。
 
麺量は200gもあるので充分なボリュームだと思いますが、とにかく後を引く美味しさだったので、
近い内に栃木巡回で一乃胡と連食に行こうかなと思っています。どちらも大満足でした。

11

2023年11月16日

スープは鶏ガラ&香味野菜の佐野ラーメンをベースに、白胡麻のペーストと胡麻油をブレンドしてあります。
ベースが清湯なので粘度はなくサラリとしたあっさり味ですが、白胡麻の香ばしさとコクもあり、口当たりはまろやか。
 
仕上げに手鍋で火入れする事によりスープと胡麻が滑らかにまとまりますが、もし調理に自信がないor面倒な方は、
耐熱ボウルに移してレンチン→軽く沸騰させた後にしっかり撹拌という方法でも一応はまとまります。
パックのまま振ってもまとまりに欠けるので、より美味しく召し上がりたい方は、説明書きにある通り火入れ推奨です。
 
麺も佐野ラーメンの特徴である青竹手打ち多加水縮れ麺。
中太〜中細の不規則な太さと手揉みによる縮れがスープに絡みつつ食感にも変化を持たせ、
もちもちの弾力とコシの強さに麺自体の瑞々しい甘味がスープの塩味と旨味をより引き立てています。
 
付属トッピングはトロトロに煮込まれた大判の豚バラロールチャーシューが1枚と、やや濃口のシャキシャキメンマ。
チャーシューは箸で持ち上げると重力で切れてしまうほど軟らかい、一般的に人気のタイプです。
 
スープも麺もベースは佐野ラーメンなのですが、白胡麻によるクリーミーで香ばしい風味が絶妙にマッチしており、
こちらのメニューは実店舗でも未食でしたが、その美味しさに思わず唸りました。
今度はお店に伺って実物を頂いてみたいと思います。

9

2023年11月16日

スープは大門ラーメンと同じ青葉インスパイア風の中濃Wスープですが、カエシは大門ラーメンが醤油ベースなのに対し、
こちらはネギ唐辛子と辣油を効かせた、辛口の味噌ベースとなっています。
唐辛子は味的に天鷹っぽいですが、量が多い分、データ上は一般的に激辛と評される強い辛さとなっています。
塩分濃度は約1.7%と大門ラーメンよりやや高めですが、青葉インスパは基本薄口なので、他の激辛ラーメンに比べると薄味に感じるかもしれません。
 
麺は大勝軒まるいちの製麺所ならではの、大勝軒ライクなモチフワ角刃中太麺。
動物魚介で一世を風靡した大勝軒の麺と青葉のスープの組み合わせという事で、
当然ながら相性は抜群ですが、その分辛味もしっかり絡んで持ち上げてきます。
                     
付属トッピングは鰹粉とInスープの豚バラ薄スライスが6枚前後といったところ。
チャーシューなどは付かないので、肉のボリュームが欲しい場合は事前に豚小間肉を茹でておくなり自身で用意しておくとよいです。
大量の魚粉は全て入れるとバランスを大きく変えてしまいますが、出汁の濃度を上げたい場合は重宝すると思います。
                      
今回も数人で分けたので、量が少ない分辛さにはなんとか耐えられましたが、皆もギリ手前くらいの辛さだったようです。
ただ人の知覚感度にも個人差がありますので、中本の辛さでさえ平気な方であれば、多分問題はないと思います。

10

2023年11月07日

つけ汁は穏やかに火入れされた濁りのない鴨の旨味、生醤油のコクとキレと芳醇な香り、たっぷりの鴨油など、
複数の旨味要素が緻密に組み合わされた、奥行きの深いやや濃口の淡麗スープとなっています。

麺は全粒粉入りの低加水角刃ストレート。力強く香り高いスープに合わせた独自配合の冷凍仕様で、
小麦の香りと甘味、プリっとした張り、コリパツの歯切れも存分に楽しめます。
麺量は190gとされていますが、茹で上げると結構な量になり、
またつけ汁もたっぷりなので、二人で分けて丁度良いボリュームになると思います。

付属トッピングは豪勢に分厚くスライスされた合鴨ロースの塊が1つ。
すっきりとした甘味に爽やかな酸味の煮汁が染み込んだ、超しっとりのムチムチ食感。
皮にも旨味がギッシリと詰まっており、宅麺商品の鴨の中では正直レベチです。
またパック内の煮汁は捨ててしまうのは勿体ないので、別途仕込んでいた鴨肉と里芋の治部煮に加えました。

松茸も厚めのスライスが贅沢にゴロゴロとスープに入っています。
開きですが風味が主張し過ぎず、醤油と組み合わさる事で、独特の馥郁とした香りを生み出しています。
その他では春菊との相性が抜群なので、可能であれば事前に用意しておく事をお勧めします。

本品はとにかく冷凍のクオリティとは思えないハイレベルなもので、
料理人としての観点からも、調理技術の面においては他との格の違いを強く感じました。
また合鴨にせよ松茸にせよ真河豚にせよ、この大きさと量はまさに大盤振る舞いで、
この内容にこの味と量であれば、2,700円という価格もコスパとしては非常に優れていると思います。
個人的には文句無しのフルマークです。

6

2023年11月07日

スープは河豚アラのふくよかな旨味とゼラチン質の溶け込んだ、まろやかな淡麗白醤油仕立。
日本酒のほんのりとした甘味もあり味わいは穏やかですが、
そこに開き松茸の優美な香りと真河豚の身から徐々に溶け出す力強い旨味が加わり、
また敢えて濁りを出した事でふぐちりとも異なる、ラーメン然とした旨味の整い方を見せています。

麺はくろ㐂スタンダードの平打中太手揉み麺。麺自体の旨味風味に加え、モチプリの弾力と、
ツルツルとした官能的な舌触りが、まったりとした河豚出汁とも絶妙な相性を見せています。

松茸は冷凍なので食感は損なわれていますが、細胞壁が破壊される事で旨味成分のグアニル酸は存分に溶け出しており、
また開きなので香りが強く、噛むほどに鼻腔と口内を松茸の風味で満たしてくれます。

真河豚は大きな塊が3つゴロゴロと入れられていますが、
湯煎中に丁度良く熱が通るよう仕込まれており、冷凍段階ではギリギリの低温加熱が施されています。
要するに購入者が指定時間通りに湯煎する事で初めて完成するような仕組みになっていて、
河豚の身がふっくらと、また旨味も詰まったフレッシュな状態で食べられるように綿密に計算されています。
冷凍通販のデメリットを逆手に取った、カスタマーファーストな労力とテクニックです。
真河豚の身は噛めば噛むほど甘味と旨味が溢れ出るので、じっくり噛んで余す事なく味わいましょう。

美味しいという答えを導き出す道筋の中に、料理人ならではの繊細な技術と、
旨味を数値化したロジックが化学的に構築されているのが解ると思いますが、
それらの全てはラーメン一杯の中に真心を込めた、黒木さん流の饗しの表現なのだと思います。

6

2023年11月01日

スープは温かいつゆに冷たい麺を潜らせて頂く「鴨せいろ」風にアレンジされた、丸鴨ベースの淡麗塩味。
ふっくらとした旨味にコクとキレもあり、あっさりながら長ネギとやや多めの鴨油が深い香りを与えています。

麺は320gと2人分のボリュームとなっており、親切に半分ずつ2玉に分けられています。
香り高い粗挽きの秋そばをブレンドした角刃中細ストレートの中華麺で、
見た目は日本蕎麦のようですが、芳醇な蕎麦の香りと同時に酒精の臭いもやや気になります。

なので、2玉を一度に茹でる場合は、3L以上の熱湯でやや長めに湯がき、水でしっかり洗うとよいです。
ただ日本蕎麦と違い鹸水も使われているので、茹で湯を蕎麦湯として嗜むのは不向きです。

麺自体には小麦と蕎麦の独特の甘味と旨味が存分に詰まっており、
プリプリでしなやかな弾力に喉越しも良く、
つけ汁との相性は勿論、藻塩や山葵だけでも非常に美味しく頂けます。

付属トッピングは合鴨ロースの厚スライスが3枚。熱湯湯煎は厳禁、氷水か冷蔵庫でゆっくり解凍しましょう。
レアながら若干パサついていますが、ほんのりとした薄塩で、素材を活かす味付けが施されています。

全体的には、諸々が冷凍通販仕様となっているようで、
正直なところ麺や鴨など実店舗レベルのクオリティは望めませんが、
それでもむかんクラスの超人気店をECで取り寄せられるのは有り難い事だと思います。

またスープも麺もたっぷりとあり、2人で分けて丁度良いボリュームなので、コスパ的にも非常に優れています。

15

2023年10月29日

2020年の絆イベント商品です。当時の一部記録より。
・新得丸鶏+比内○%?
・清湯
・鶏油上澄みの風味
・カエシ濃薄醤油キレコク
・味醂日本酒甘味少々
・酸味少々
・平打中細ストレート加水微高○%前後
・はるゆたか甘味シルキー滑らか歯切れ
・春よ恋はるきらり小麦風味強しっとりもっちり
・+しなやか、ノビ、コシ適度
・メンマ竿と穂先一本タイプ
・ローススライスチャーシュー、レアだがスープIn、低温解凍後スープ別にして加熱

0

2023年10月26日

スープは鶏のベースに節もほんのり効かせた、あっさりすっきりのあまうま醤油味。
塩分濃度は約1.5%と平均的で、糖分濃度は約9.4%と甘めになっています。
湯煎をしない冷蔵解凍の冷製ですが、あまり冷やし過ぎると鶏油が白く固まり、鶏肉の食感もより硬くなるので注意です。

麺は多加水平打縮れ太麺で、つけ麺のように麺を水で洗い、冷たく〆てから盛り付けます。
瑞々しくツルツルとした滑らかな麺肌と、モチフワで強いコシのある食感に加え、
麺自体の甘味も抜群で、噛めば噛むほどに美味しさが広がります。スープとの相性も抜群ですね。

付属トッピングは鶏肉と鶏皮の醤油煮、花車型蒲鉾(ナルト)、鶏油の3品。
鶏肉は食肉用に50日前後肥育された肉用鶏(若鶏・ブロイラー)ではなく、
鶏卵の生産用として2年前後の産卵期間を経た採卵鶏(親鶏・レイヤー)なので、
肉質の柔らかい若鶏とは異なるコリムチの強い弾力と濃厚な旨味が特長として表れています。

<ちなみに>
「冷たい肉そば」は常温くらいのぬるい親鶏出汁に親鶏肉と長ネギと田舎蕎麦を合わせた西村山郡河北町発祥のご当地そば、
「鳥中華」は和風出汁に鶏肉と天かすと中華麺を合わせた天童市発祥のご当地ラーメンで、どちらも山形県名物として知られています。

新旬屋の「冷たい鶏中華」はその2つをミックスし、冷やしラーメンの要素も組み込んだような創作メニューですが、
「冷たい肉そば」は「冷やしラーメン」とは別物で、スープには鶏油が使われており、
動物性油脂は冷やし過ぎると油分が固まってしまう為、通常は鶏油の融点をやや下回るぬるい状態で提供されます。
河北町の冷たい肉そばはぬるくて冷たくない、と言われるのにはこういった理由も含まれます。

ちなみに冷やしラーメンや冷やし中華には冷たくても油が固まらない植物性油脂が基本的に使われており、
キンキンに冷やしても美味しく食べられるように設計されています。
また蕎麦つゆには油分が殆ど無いので天かすや揚げ物の油がコク出しとしてマッチしますが、
本品には鶏油が使われているので、鳥中華のように天かすを入れると油が重なりややクドくなります。

7

2023年10月26日

タレはまろやかなド乳化豚骨で、醤油のキレとラー油の辛味が味をキリッと引き締めています。
塩分濃度はちばから油そばよりも少々低めですが、豚骨濃度はちばからよりも高く、濃厚でドロっとしています。

麺はワシモチの角刃平打縮れ太麺。麺帯の厚みはちばから麺と同じ位ですが、幅はscLaboのほうが茹で上げ後で1ミリほど細く、
麺肌もザラザラしており、側面のギザギザも深めなので、総じてちばから麺よりもタレとの絡みが良くなっています。

トッピングのゴロゴロブタは具入りスープと表示されていますが、今回届いたものはタレと別包になっていました。
別々になっているとタレやスープの味を吸わずに済むのでよいですね。

ちなみに玉葱スライスと小口ネギを和えたものはシロという実店舗のトッピングで、濃厚でオイリーな味の中に瑞々しい清涼感を与えてくれます。

フォーマットはちばから油そばと同じですが、
ちばからのラー油には八角などのスパイス感があり、麺もタレも特徴が異なるので、味的にはそこそこの違いが見受けられます。

塩味とスパイスの香りを求めるならちばから、豚骨の風味と旨味をストレートに味わいたいならscLaboかなぁというイメージですが、
タレ自体は今現在のちばから油そばよりも本品のほうが大将時代のちばから本来の味に近いものを感じます。

10

2023年10月26日

スープは鶏油多めの家系スタイルな豚骨醤油で、塩分濃度は約1.9%と家系基準ではやや低めなものの、糖分濃度は約12.6%と結構高め。
そこに付属トッピングの辛肉味噌を溶かすと更に塩味と旨味が増し、家系基準でも濃め以上の状態になります。

また鶏油と混ざり合う事で勝タンにおけるラー油の役割も果たしますが、辛味は耐え難い程でもなく、花椒も別添なので、量の調節が可能です。
このように、辛肉味噌を溶かす前と後で、箕輪家とビンギリの両方のバリエーションが味わえるような面白い仕組みとなっています。

麺はワイド型の角刃緩ウェーブ中太麺。硬めにも軟めにも適したタイプで、
舌触りは家系麺とは少々異なるものの、長さは家系スタイルで、酒井の麺とほぼ同じ短さにカットされています。

その他具材は板海苔3枚以外に付かないので、コスパの面で賛否両論あるかもしれませんが、味が濃いのでライスとの相性が良く、
肉味噌を溶かす前の家系スープと海苔、肉味噌を溶かした後のビンギリスープと海苔、
そして残った具材を乗せた肉味噌丼と海苔という、3段階のライスの食べ方を楽しむ事が出来ます。

箕輪家は亜流の家系、ビンギリの勝タンも本場勝浦市の典型的な勝タンとは違う変則タイプですが、
そのライスに合う亜種同士を組み合わせたら新種のおかず系ラーメンが爆誕したみたいな、
ある意味イノベーティブ・フュージョン的一品になっているんじゃないかなと思います。

9

2023年10月12日

スープは力強いゲンコツ&鶏ガラベースに八丁味噌と鰹を効かせた、濃厚で旨じょっぱいタイプ。
八丁味噌+鰹という事で、名古屋の味噌煮込うどんを意識したようなイメージですが、根底にはしっかりと二郎インスパ感があり、
塩分濃度も約2.9%とかなり高めで、背脂と鶏のコラーゲンも加わった、味噌煮込うどんよりもこってりとした味わいとなっています。

麺は蓮爾やMEN YARD FIGHTと同じ芯が残る超極太ボキボキ麺。
この麺は芯も噛み締めて味わうものですが、どうしても苦手な方は
圧力鍋で10分ほど加圧すれば表面を過度に溶かす事なく内部までしっかり茹で上げる事が出来ます。
ただ本品でこれをやるとほぼ味噌煮込うどんみたいになると思います(笑)

トッピングはブタが2枚。Inスープなので八丁味噌の味と色まで染み込んでいます。
ムチムチとしたバラブロックの縦スライスで、二郎町田店時代から変わらない切り方となっています。

このような感じの一杯なので、味噌煮込うどんと同じように生卵を割り入れても美味しく頂けます。
また七味唐辛子やラー油、柚子胡椒、山椒、チーズなども相性抜群です。
残ったスープに白飯と長ネギの斜め切りを加え、溶き卵を回し入れてレンチンすれば、美味しい味噌雑炊も簡単に作れます。
ただスープの塩分と糖分はかなり高めなので、その点ご留意下さい。

13

2023年10月02日

あまうまの微乳化スープ、オーション使用のワシゴワ低加水角刃平打太麺、
多めの液体アブラ、厚みのあるウデ肉ブタ、味付ブタカスアブラ。
カラメは懐かしの○二要町ショウガダレ風にアレンジしてみました。

本品は宅麺クラウドキッチンの代作商品ですが、麺量も実店舗さながらのボリュームで、
今現在の富士丸の味をしっかり模作出来ていると思います。
今後の購入権増枠にも期待したいところですね。

ちなみに富士丸のヤサイはヤサイ用スープでクタクタに煮るのでほんのり味がついていますが、
一般家庭で無難に再現調理するなら、熱湯に塩と旨味調味料を加えて、野菜がクタクタになるまで約5分ほど煮るとよいです。
お湯に塩分があると浸透圧で野菜の水分が抜けてクタりやすくなるので、塩だけでも最低限加えると調理がしやすくなります。
市販のスープの素や自作スープなどは富士丸の元の味を崩してしまうのでやめたほうがよいです。

20

2023年09月25日

あまうまの微乳化スープ、オーション使用のワシゴワ低加水角刃平打太麺、
多めの液体アブラ、厚みのあるウデ肉ブタ、別皿の味付ブタカスアブラ。
カラメは懐かしの○二要町ショウガダレ風にアレンジしてみました。

本品は宅麺クラウドキッチンの代作商品ですが、麺量も実店舗さながらのボリュームで、
今現在の富士丸の味をしっかり模作出来ていると思います。
実店舗に行けない地方の方には安定供給の期待が高まるところですね。

ちなみに富士丸のヤサイはヤサイ用スープでクタクタに煮るのでほんのり味がついていますが、
一般家庭で無難に再現調理するなら、熱湯に塩と旨味調味料を加えて、野菜がクタクタになるまで約5分ほど煮るとよいです。
お湯に塩分があると浸透圧で野菜の水分が抜けてクタりやすくなるので、塩だけでも最低限加えると調理がしやすくなります。
市販のスープの素や自作スープなどは富士丸の元の味を崩してしまうのでやめたほうがよいです。

10

2023年09月25日

タレは富士丸の醤油返しがベースで、スープは使われておらず、ブタとアブラが予め加わっています。
タレの量は中程度で、あまり混ぜないと汁気が残るシャバついた味に、
しっかり混ぜて乳化させるとまろやかな味に、混ぜ方次第で味の印象が変わってきます。

麺は低加水角刃平打太麺。要するにいつもの富士丸麺で、
短めに茹でてワシボキ食感にするもよし、長めに茹でてモチポク食感にするもよし、硬さはお好みで。

ブタはしっかり味の染みたフワホロに軟らかい腕肉を大きめのぶつ切り状にしたものがゴロゴロと。
プリトロのカスアブラも多めに入っていますが、ラーメンよりも液体油が少ない分、比較的あっさりしています。

富士丸の油そばはFC店や梶原の白などがありますが、本品は西新井で限定販売していたまぜそばのほうですね。

ちなみに富士丸のヤサイはヤサイ用スープでクタクタに煮るのでほんのり味がついていますが、
一般家庭で無難に再現調理するなら、熱湯に塩と旨味調味料を加えて、野菜がクタクタになるまで約5分ほど煮るとよいです。
お湯に塩分があると浸透圧で野菜の水分が抜けてクタりやすくなるので、塩だけでも最低限加えると調理がしやすくなります。
市販のスープの素や自作スープなどは富士丸の元の味を崩してしまうのでやめたほうがよいです。

10

2023年09月25日

大勝軒まるいちの製麺所の直営店として知られていますが、スープは青葉インスパイアで、動物と魚介の出汁を合わせたWスープとなっています。
青葉よりもややさらりとした中濃タイプで、塩分濃度も約1.5%と平均からやや薄口気味な部分も青葉の特徴を押さえています。

また魚粉が大量に付属されていますが、全て入れると完全に鰹が支配してしまうので、加える量はお好みで調節するとよいです。
1/4くらい入れると丁度青葉っぽくなりますが、それ以上入れると動物よりも魚介にバランスが傾き始めます。

麺は加水率やや高めのスクエア型角刃太ストレートで、こちらは青葉よりも大勝軒ライクなモチフワの食感。
麺のタイプ的に硬め茹では合わず、しっかり茹でる事で適度なコシが生まれます。

トッピングはInスープで、しっとり軟らかく適度な味染みの豚肩ロースチャーシュースライス1枚と、
こちらも適度な味染みのミディアム食感なメンマ数本。

「インスパイア」という表現は20年以上前に「青葉インスパイア」から生まれましたが、
その青葉インスパイアは宅麺だと案外少ないのではないかなと思います。
大勝軒と共につけ麺ブームを世に起こした青葉、その麺とスープが同時に味わえるような一杯となっています。

8

2023年09月25日

スープは名古屋コーチンを使った鶏ベースですが、カエシに燻製塩を使用しているようで、
動物の出汁と交わる事でまるでベーコンのような風味を醸し出しています。
鶏油もまろやかでクセがなく、燻香とも調和が取れており、旨味の後押しとなっています。

麺はややワイド型の中加水角刃細ストレート。全粒粉の風味とツルコリパツの食感がスープとマッチしています。

付属トッピングのメンマは適度な歯応えでやや甘口、
チャーシューは優しい燻香を纏ったレア状の大判肩ロースで、シンプルな味付のしっとりとした厚スライス。

全体としてはふくよかでどっしりとした旨味と分かりやすい味わいがあり、
あっさりかつスモーキーなフレーバーがお好きな方ならツボにはまるのではと思います。私も大好きです。

9

2023年09月19日

スープは2005年の大黒屋本舗時代の味をイメージしたという動物魚介。
豚骨ベースですが通常の三浦家よりも鶏がしっかり出ており、豊富なゼラチン質がスープにとろみを生み出しています。
そこに宗田や鯖などの節、富田さんの選んだ背黒等の煮干を最後に加え、大黒屋本舗のような魚介感を足しています。

麺は三浦家で使っている酒井ではなく、とみ田の心の味の特製麺。
とみ田と山岸さんの粉を配合した大勝軒ライクな中太のフワモチ食感で、
こちらも大黒屋本舗っぽいややクラシックなイメージで作られたようです。

付属トッピングのチャーシューは三浦さんの肩ロース煮豚と富田さんの吊し焼きウデ焼豚が1枚ずつ、
あと黒胡椒の効いた太メンマとナルトがスープと別パックになっています。
店舗イベントでは柚子ピールも乗りましたが、スープと抜群に相性が良かったので、ピールが無くても柚子胡椒でもあれば代用で加えるとよいかもです。
また鶏油は様々な風味を持つ香味油となっており、家系とは一味違うほんのりとした魚介感を楽しめます。

三浦家&とみ田のコラボという事でWスープになるのかと思っていましたが、普通にシングルスープのようですね。
コラボといってもあくまで三浦家の周年イベントなので、スープも基本は三浦さんの担当、カエシの醤油も三浦家のものとなっており、
とみ田と大黒屋本舗と大勝軒と三浦家と家系の各々の特長を押さえたような、唯一無二の味となっています。
ライスも用意して、存分に楽しみましょう。

8

2023年09月19日

スープは豚骨と水のみの豚100%。無鉄砲のようなドロボテの濃度で、塩分も高く、独特のビターな味わいがあります。
九州豚骨のような豚骨臭はほぼありませんが、豚特有のクセは感じられ、ガラ骨粉のザラつきも残ります。

麺はスクエア型の角刃太ストレートで、食感は二郎のムチヤワともインスパ系のワシゴワとも異なるプリグチの弾力。
濃厚なスープとがっぷり四つに組み、そのスープさえも支配せんばかりのパワフルな存在感を発揮しています。
以前お店で頂いた時は手揉みの平打太縮れ麺で、店主出自の野猿二郎っぽさも垣間見えましたが、
現在はスープも含めより独自色が増した印象を受けました。

付属トッピングはメンマと大判の肩ローススライスチャーシューが1枚。
チャーシューは適度な味付けとムチムチの弾力で、食べ応えも充分。

ちなみに六等星では寸胴ではなく羽釜でスープの仕込みが行われておりますが、羽釜でスープを炊くメリットとしては、
羽部分が熱の放出を防ぐ事で火力が均一に伝わる点、釜底がカーブしている分対流が起こりやすい点などが挙げられます。
熱効率及び熱伝導率が高い上に強火でも鍋底に当たりにくい(焦げ付きにくい)ため、スープが効率的に乳化しやすく、
九州豚骨や無鉄砲のような濃度の高いスープを仕込むお店では昔から好まれています。

5

2023年09月19日

スープは白口煮干、節、昆布、ガラ、根菜を使った昔ながらの中華そば。
あっさり醤油清湯ですが、香味油がやや多めに浮かんでおり、口当たりは軽すぎず重すぎず。
出汁とカエシは別々になっており、出汁自体にも煮干由来の塩味がほんのり感じられます。
カエシの量は調節が可能で、3/4程度使うと塩分濃度約1.4%ほどの平均的な濃さになりますが、
一旦味を確認し、それで薄く感じるようなら残りも足してみるとよいです。
また全部使っても塩味濃度約1.9%、糖分濃度約6.4%といずれも若干濃い目かな程度で止まります。

麺は加水率やや低めの角刃中細ストレート。
ツルパツ食感で、絡みも良く、この麺とスープの組み合わせはやはり安定感があります。

トッピングはしっとり滑らかなモモスライスチャーシュー2枚と極太角材メンマが3本。
チャーシュー、メンマ、ネギと全てがInスープなので、トッピングの味がスープに干渉しており、
実店舗の味とやや異なる違和感を生んでいるように感じます。
通常の調理方法だとチャーシューはスープの湯煎過程で硬くなり、メンマに使われている黒胡椒もスープに落ちてしまい、
ネギも臭み消しに使われるように風味まで飛ばしてしまうので、出来ればトッピングはスープと別にパックして欲しかったかなと。

ちなみに私は具材がInスープの場合、トッピングの過剰な加熱を抑える為に
豚脂が融点に達し始める36℃程度までスープ温度を上げてからトッピングだけ別に分け、
スープのみ再度湯煎にかけるなど、実店舗の再現性をより高めるよう工夫しています。
チャーシューも上手に解凍出来れば硬くならず、画像のようにしっとり軟らかく戻す事が出来ます。

9

2023年09月11日

スープは豚鶏をベースとし、醤油の厚みと根菜の甘味と化調感が一つにまとまっており、
香ばしい香味油も表面に張られ熱々の状態が保たれています。
特徴的なのは生姜の風味で、一口目から食べ終わるまで、このラーメンの軸として存在感を発揮します。
ただ塩分濃度は約2.0%、とりわけ糖分濃度が約11.4%とつけ麺並みに高いので、総合的に味が濃く感じられると思います。

麺はややワイド型の多加水角刃手揉み縮れ中太麺。
プリモチの弾力で、手揉みによる不規則な厚みの変化が食感にバリエーションを持たせています。

付属トッピングのチャーシューは豚ウデ肉と肩ロースの厚スライスが1枚ずつ。
オランダ軒の人気トッピングで、豚肉の濃い味わいが詰まっており、食感もムチトロの絶妙な塩梅。

長岡生姜醤油という新潟のご当地ラーメンにオリジナル要素を加えた独自の味わいで、濃い口のスープにはライスが良く合います。

5

2023年09月11日

店主は元蓮爾登戸店店主という事で、麺はボキボキ麺と呼ばれる蓮爾ばりの超々極太麺。
宅麺ラインナップにもある「らぁめん大山」と同じく二郎町田店(閉店)の流れを汲むお店で、特徴的にも大山と似ています。
茹で時間も18分位は必要となり、それでも麺内部までα化せず白く芯の残った蓮爾のようなボキボキ状態となりますが、
だからといって更に茹で続けると表面がデロデロに溶けてゆくので、茹で時間は10〜18分程度に留め、この麺は芯が残るものと思って楽しみましょう。

スープも画像通りの登戸店っぽい微乳化タイプ。麺に負けないインパクトの塩味甘味旨味で、
塩分濃度は約2.4%と一般的なラーメンの約2倍弱、糖分濃度は約15.1%と一般的なラーメンの約3倍近い濃さとなっており、
塩味甘味が強すぎるような場合はヤサイの量を増やすなどして味を上手く調整しましょう。

付属トッピングはホロトロに軟らかく味染みも良いブタのブロックが2つ。
部位はウデバラミックスで、こちらも麺やスープに負けないインパクトを残しています。
この他ニンニクや玉葱、辛ニラ、うずら味玉、スライスチーズなど用意すると実店舗のようなカスタマイズが楽しめます。

このように咀嚼力を必要とする食べ物で、ハマる人はとことんハマる一杯となっています。

9

2023年09月11日

スープは鶏手羽、いりこ、節、藻塩、鮎魚醤などを使った、鶏油がキラキラと浮かぶ関西風うどん出汁のような無化調塩味。
キリッとした塩味とまろやかな甘味があり、出汁自体はあっさりとしつつも味付けはしっかりとしています。
ちなみに塩分濃度は約1.9%、糖度は約6.0%とどちらも若干高めですが、平均的にみると目立って高いほどでもありません。

麺は自家製手打ちで、うどんのような超々多加水の超極太平打手揉み麺。
平打ですがきしめんのようなピロピロとした薄さのない、しっかりとした厚みのある幅広麺です。
もち姫を使った麺肌はねっとり滑らかツルツルの官能的な舌触り、
食感はモチモチとした柔らかみのある弾力としなやかでノビのある強いコシを持ち合わせ、
麺自身の持つ塩味と穏やかな甘みはスープとの対比効果を生み出し、
手揉みによる不規則な厚みの変化がスープを適度に吸い上げしっかりと持ち上げてきます。

付属トッピングは味染みがよく、赤身しっとり脂身プルプルな厚切りバラチャーシューが3枚。

店主出自の麺と未来よりも一杯の構成はシンプルですが、
その麺は博多うどんと讃岐うどんと刀削麺とラーメンの特長を集約したような唯一無二の超絶品。
茹で時間は下手に早めたりせず、必ず指定時間の5〜6分を守りましょう。

5

2023年09月04日

スープは醤油の程よいキレと旨味の強い豚骨醤油で、鶏油の量は普通からやや少なめ程度の印象。
豚背ガラと鶏胴ガラもしっかりと重ねられた中濃タイプで、
臭みはなく、物足りなさも感じない適度な厚みがあります。

塩分濃度は約2.5%で、豚骨醤油というカテゴリーでは塩辛い部類ですが、
家系というジャンルで考えた場合は薄め、普通、濃めの中で普通〜やや濃めくらいです。

麺は大成食品のワイド型緩ウェーブ中太麺。
逆切りではない通常の中華麺なので、食感や舌触りも家系麺とは異なり、表面が滑らかでツルツルとしています。

茹で時間2〜6分となっていますが、2分だと内部までα化が進まず芯が残ります。
α化が進んで麺にコシが出始めるのは3分過ぎあたりからですが、茹でながら好みの硬さを確認するとよいです。

付属トッピングは板海苔3枚、ほうれん草、チャーシューのフル装備。
チャーシューは肩ロースで、黒胡椒を効かせた塩分強めのレアチャが2枚と、
軟らかくも食感を残したオーソドックスな煮豚が1枚。

黒胡椒のほうは低温調理した豚肉特有の風味があるので、
レアチャを臭いと感じてしまう方には合わないかもしれません。

店主は家系・亜流系で勤務経験のない独学系ですが、
スープに関してはどこかクラシック系も感じさせるような味わいとなっており、
麺のジャナイ感と交わる事で逆に面白味を感じます。

ただ逆切りではない通常に切り出した平打麺は亜流系や資本系でも普通に使われているので、
よほど本流の家系を実店舗で食べ慣れている方でもなければ特に違和感はないと思います。

8

2023年09月04日

スープは無鉄砲系のように豚骨を骨髄まで煮込んだタイプではなく、
軟らかく煮込んだ豚肉が細粒状に溶け込んだ豚ポタで、
そのドロつきはゼラチン由来の乳化白湯やデンプン由来のベジポタとは異なり、豚肉そのものから来ています。

まさに食べるスープ、飲むチャーシューといったところで、
グルタミン酸豊富な醤油返しを合わせると塩味のキレとまろやかな旨味が生まれますが、
塩味の濃さはカエシの量で調節可能です。

麺は切刃12番手の手揉み縮れ太麺。
なめらかフワモチな食感で、瑞々しい甘味もあり、スープをゴッソリと持ち上げてきます。
また加水率とスープの特性上、指定時間の5:30しっかりと茹でる事で、麺もスープも持ち味を発揮します。

付属トッピングはありませんが、ネギだけは用意したほうがよいです。
公式だと白葱を5㎜幅の輪切り(3㎜でも7㎜でもなく必ず5㎜幅)と指定されており、
確かに3㎜だと食感が弱く、7㎜だと辛味が勝ってしまいます。

厳密に5㎜に切った白葱だとザクザクとした食感と仄かな辛味が麺とスープの対比効果となり、心地良いアクセントを生み出します。
素人さんには難しいかもしれませんが、5㎜にすると味が劇的に変わるので、チャレンジする価値はあると思います。

スープとカエシを良く振る、麺を5:30きっちり茹でる、ネギの厚みをミリ単位で揃えるなど、
作り手の技量次第で0にも100にもなり得る部分があり、食べたけど味も風味も良く分からなかったという方は
料理上手な方に調理をお任せすると印象がガラッと変わるかもしれません。

また見た目以上に質感があり、お腹にズシッとくるボリュームですが、
胃に余裕のある方は残ったスープにライス投入という楽しみ方もあると思います。

2

2023年09月04日

スープは魚介ベースですが、磯の強さはなく、節と煮干と濃口醤油がふわっと香り、
表面には鶏油と豚背脂粒が適度に浮いています。
塩味、旨味、甘味、酸味、油分の全てがバランス良く組み立てられており、
あっさりとしつつ厚みも感じられます。
ここに焦がしネギの苦味が加わると、5つの基本味による味の相互作用が見事に生まれます。

麺は佐野系の自家製多加水角刃手揉み中太縮れ麺で、シルキーで滑らかな舌触りとツルモチの食感。
熟成感もあり、麺自体の旨味も申し分なしです。
実店舗では中細ストレートを頂きましたが、こちらの手揉み麺も抜群に美味しいですね。

付属トッピングのメンマは風味が素晴らしく、甘味酸味のバランスも絶妙。
食感も万人受けのコリコリ歯応えのあるものとは違い、
熟成感と舌触りもしっかりと楽しめるミディアムな仕上がり。

チャーシューは麹の旨味を感じる吊るし焼きのスモーキーな焼豚で、厚切りのバラが1枚と薄切りのモモが2枚。
どちらもしっとりムチムチの仕上がりで、解凍は流水か常温がベストです。
何分も熱湯湯煎するとパサついて失敗します。

焦がしネギはほんのりビターな苦みと香りがアクセントになりますが、
味変として少しずつ加えると、少しずつより長く味の変化を楽しむ事が出来ます。

実店舗では過去2度ほど頂いておりますが、今回も含めいずれも味わいが異なっており、
常に洗練されたアップデートが行われているように感じます。
個人的にも大好きな系統なので、実店舗にも久々に伺いたいなと思います。

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